食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『自動車とコンピュータ』

2012年08月29日 18時30分28秒 | 日記

ITと呼ばれるものの走りは電子計算機、EDPS(Electric Data Processing System)

は時代の先端に位置していたものの、大手企業の一部にしか需要はなかった。

しかもシステムは受注生産でありながらレンタルで貸し出す。昭和40年前半のこ

とだ。当時の記憶装置の主流はコアメモリーでアクセスタイムはハイスピードと呼

ばれるものでも数ms、コアメモリーは粒を確認できる大きさ、つまり1ビットが目視

可能だ。処理装置のメインメモリーは機種にもよるが数KBから数10KBくらいで

OSを読み込むブートローダーは、操作パネルからマシン語でメモリーに書き込

み、スタートさせる方法がとられていた。

こうした時代から約40年経過し、今のIT技術に到達し一般社会に定着しつつあ

る。これを自動車と比べてみると、その違いに驚かされる。

自動車は車輪にエンジンがついて走るものだ。原理的には最初のものと大きく変

わってはいない。燃費だとか安全性の追求は大昔の自動車と比べれば格段に良

くなっているが、今までのところは走ること以外には使えないから、進化してきたと

は言えないかもしれない(技術的な進化は別として)。

コンピューターは高価でとても個人レベルに普及するなどと思いもしなかったが

現実には、当時の性能を遥かに凌ぐコンピューターが個人個人で持てるようにな

った。当時のコンピュータは処理装置に、プリンター、磁気テープ装置やカードリ

ーダーなどが接続されたもので億の値段だった。今は、それと比較にならない数

GBのメモリーつきで自動車の1/10以下の値段だ。

自動車産業は紆余曲折はあるものの、今や基幹産業になっている。あれほど鰻

上りで進化してきたコンピュータは基幹部分の殆どをアメリカに握られ、今や産業

となる部分は皆無に等しい。この部門でもアメリカに追いつけ、アメリカを追い越

せと、日本企業は血の滲む努力をし一時はコンピューターでもアメリカを凌ぐよう

になった。いつ、どこに慢心が芽生えたのか、発想の転換力の差なのか、この世

界に於ける日本の実力は下がり続けている。

技術立国日本の再生に国は本腰を入れ直さないと、置いてけぼりから『落ちこぼ

れ』になってしまう恐れすらある。


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