昨年7月、8月にベッカーズアクトの皆さんと、大船渡でロケをしました。そろそろその季節となり、オンエアーを楽しみにしているのですが、、まだ見てはいません。もし、アースジェットのCMを見た方がいたら、教えてください。
ブログ上では、『鉄鉱石の記憶』を書き上げましたが、脚本としてはまだまだ未完成です。上演が決まって、演出家が決まって、役者が決まって、スタッフのメンバーがそろえば、そこで本当の意味でのスタートです。
演出家が創を女の子にしたいというかもしれませんし、出演者が沢山応募してくるかもしれません。舞台で斬新な発想があるかもしれませんし、音楽担当から、ミュージカル仕立てにしたいという意見が出るかもしれません。
ワンマン経営の押し付けではなく、そろったメンバーで議論してああでもないこうでもないと、お互いの意見を反映させて創からこそ、芝居は面白いのです。
書き上げて一週間が経ちました。釜石市民劇場のメンバーの中でも、多方面でがんばっている人たちが沢山います。
私も立ち止まらずに、前に進みましょう。
街の語り部
~釜石市民劇場の歌~
作詞 こむろこうじ
1 川で拾った一つの石ころ
昔誰かが
同じように
この石ころを握りしめ
明日を生きる力にしたかも知れない。
街は人をつくり
人は街をつくる
語り継ごう
この街の物語を
希望ある未来をつくるために
2 浜風が名もない草にそよぐ
いつか誰かが
風を感じ
この街をこよなく愛し
街を拡げていったかも知れない。
街は人をつくり
人は街をつくる
語り継ごう
この街の物語を
素敵な過去を引き継ぐために
街は人をつくり
人は街をつくる
語り継ごう
この街の物語を
他の誰の手でもなく
この街でくらす
私たちの手で
《あらすじ》
創(つくる)は、お父さんの生まれ故郷である『カマイシ』に、最近転校してきた少年である。彼は、『カマイシ』にやってきてから、不思議な夢をよく観るようになった。坑道の落盤事故で二人の人が生き埋めになる夢だ。今日も、授業中にその夢を見てしまい、クラスの中で浮いてしまい、なかなかクラスに溶け込めない。
そんな中、帰宅途中の創に、一人の店主が声をかけた。店主の勧めに従い、創は、次の日曜に『カマイシ』を探検することになった。
日曜日、待ち合わせの場所にいってみると、店主はいない。二人の男が釣りをしているだけであった。店主の名前が『タカトウ』だと言うことをききだした創は、バスに乗って小川温泉を目指す。
ついに、小川温泉で『タカトウ』に会えた創。そこでは、『カマイシ』に残された『昭和の遺産』の光景を垣間見る。
そして、最後の目的地、仙人峠の鉱山跡にトロッコで入り込む。トロッコは、『タカトウ』と共に、創を導く『メイスケ』が運転していた。
地鳴りと共に、落盤が起こり、創は気を失う。
目覚めた創が見た風景は、祖父から受け継いだお守りとしての鉄鉱石に刷り込まれた、記憶であり、何度も夢に見た落盤事故の風景。それは、亡き曽祖父が命をかけて外国人労働者を助け出そうとしていた記憶だった。
忘れてはいけない多くの記憶の旅を案内することで、『タカトウ』は、未来の『カマイシ』
を、創に託そうとする。
しかし、創はそれを拒否し、自分たちの力で新しい『カマイシ』を創りあげていこうという決意を固める。
登場人物
創(最近『カマイシ』に転校してきたばかりの5年生)
男1(中国人鉱夫)
男2(日本人鉱夫)
先生(創の担任)
大松(創の同級生・男)
箱崎(創の同級生・女)
栗林(創の同級生・女)
尾崎(創の同級生・女)
平田(創の同級生・女)
白浜(創の同級生・男)
大渡(創の同級生・女)
橋野(創の同級生・男)
大町(創の同級生・女)
野田(創の同級生・男)
小川(創の同級生・男)
中妻(創の同級生・男)
店主(『タカトウ』という名を持つ男)
男3(釣りをしている男・弟分)
男4(釣りをしている男・兄貴分)
運転手(小川行きのバスの運転手)
老婆(霊能力がありそうな感じの認知症の老人)
崖の男・鉱山の男(『メイスケ』という名を持つ男)
昭和の子1(平成の男1に類似する子)
昭和の子2(平成の男2に類似する子)
昭和の子3(見世物小屋好きの女の子)
昭和の子4(プロレス好きの女の子サエちゃん)
舞台前方にある机の影から、創のクラスメイトたちが現れる。
大渡 あれ、創君じゃないの。
橋野 本当だ。どこ行ってたんだ。
野田 おおい、創!何やってんだよ、早く来いよ。
平田 一緒に地図を描くぞ。
創 ごめん。今行く!
創、決意に満ちてクラスメイトたちのところへ駆け寄る。創たちは、共同で『未来』というタイトルの地図を描き始める。
その作る過程を、『カマイシ』の先人たちが、舞台後方にいて、笑顔で見守っている。
エンディングテーマが流れ出す。
終 幕