《あらすじ》
創(つくる)は、お父さんの生まれ故郷である『カマイシ』に、最近転校してきた少年である。彼は、『カマイシ』にやってきてから、不思議な夢をよく観るようになった。坑道の落盤事故で二人の人が生き埋めになる夢だ。今日も、授業中にその夢を見てしまい、クラスの中で浮いてしまい、なかなかクラスに溶け込めない。
そんな中、帰宅途中の創に、一人の店主が声をかけた。店主の勧めに従い、創は、次の日曜に『カマイシ』を探検することになった。
日曜日、待ち合わせの場所にいってみると、店主はいない。二人の男が釣りをしているだけであった。店主の名前が『タカトウ』だと言うことをききだした創は、バスに乗って小川温泉を目指す。
ついに、小川温泉で『タカトウ』に会えた創。そこでは、『カマイシ』に残された『昭和の遺産』の光景を垣間見る。
そして、最後の目的地、仙人峠の鉱山跡にトロッコで入り込む。トロッコは、『タカトウ』と共に、創を導く『メイスケ』が運転していた。
地鳴りと共に、落盤が起こり、創は気を失う。
目覚めた創が見た風景は、祖父から受け継いだお守りとしての鉄鉱石に刷り込まれた、記憶であり、何度も夢に見た落盤事故の風景。それは、亡き曽祖父が命をかけて外国人労働者を助け出そうとしていた記憶だった。
忘れてはいけない多くの記憶の旅を案内することで、『タカトウ』は、未来の『カマイシ』
を、創に託そうとする。
しかし、創はそれを拒否し、自分たちの力で新しい『カマイシ』を創りあげていこうという決意を固める。
登場人物
創(最近『カマイシ』に転校してきたばかりの5年生)
男1(中国人鉱夫)
男2(日本人鉱夫)
先生(創の担任)
大松(創の同級生・男)
箱崎(創の同級生・女)
栗林(創の同級生・女)
尾崎(創の同級生・女)
平田(創の同級生・女)
白浜(創の同級生・男)
大渡(創の同級生・女)
橋野(創の同級生・男)
大町(創の同級生・女)
野田(創の同級生・男)
小川(創の同級生・男)
中妻(創の同級生・男)
店主(『タカトウ』という名を持つ男)
男3(釣りをしている男・弟分)
男4(釣りをしている男・兄貴分)
運転手(小川行きのバスの運転手)
老婆(霊能力がありそうな感じの認知症の老人)
崖の男・鉱山の男(『メイスケ』という名を持つ男)
昭和の子1(平成の男1に類似する子)
昭和の子2(平成の男2に類似する子)
昭和の子3(見世物小屋好きの女の子)
昭和の子4(プロレス好きの女の子サエちゃん)