日本で一番学力の高い秋田の視察に行ってきました。
とりあえず、教育長さんが熱くて、校長先生が熱く、先生や職員が熱く、柳場敏郎さんが熱く地域や家族を愛していることがわかりました。
私も、とりあえず熱く自分ができることをしようと思いました。
ということで、
ニューヨークの劇作家協会へ、被災地からのメッセージとして以下の文を今夜書いて、送りました。今の私にできる精一杯のことです。
明日は、この一年、野田村の子どもたちを支えるボランティアをしてくれた皆さんと、お会いする会に顔を出してきたいと思います。
忘却と共に過去という分類に属しつつある3.11
劇作家 こむろこうじ
復興が進んでいる。
しかし、それ以上に震災の風化が加速度的に進んでいる。
何かにとり憑かれたように被災地にやってきたアーチストもボランティアも、震災前がそうだったように顔を出してくれなくなった。
人の数も少なく、お金も無い。都心部からはかなりの距離がある。そんな土地である、東北三陸沿岸部…。
縁もゆかりも無い、心がまだ元気を取り戻してはいない人のために、莫大なお金や時間を浪費する…。そんな人が、世界中にたくさんいるのならば、貧困や紛争ももっともっと解消していくに違いない。
そんなことはわかっている。わかってはいるが、あんなに駆けつけてくれたたくさんの人たちに、忘れられ、過去の存在になってしまいつつあることが、とても哀しく感じてならない。
時は人々の心を癒してくれる。しかし、時は、まだまだ痛みを持ち続けている人をも過去の存在へと押しやってしまう。
世界のどこかで、大きな紛争や災害がまた発生すれば、まだまだ復興途上の日本の三陸沿岸は、3.11という歴史として過去というテリトリーに刻まれる存在になってしまうであろう。
街が消え、人が消え、文化の火が記憶の忘却と共に静かに消えようとしている。