「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

「花は人をしあわせにできる」

2011-12-24 12:27:54 | Weblog
「花は人をしあわせにできる」この言葉はフローレが一昨年新しい理念を作ったときのスローガンです。
作ったとき誰もが「本当に花で幸せになれるの?」という疑問を持った。私自身もその事に深い確信があったわけではない。
だけれど世界中の人達が肌の色や文化、宗教などさまざまな違いがあっても、きれいな花をもらうと誰もが美しい笑顔がこぼれる。
その笑顔を見ると花は人をしあわせにできるのではないかと何となく思っていた。

そして3月11日が来た。テレビの画面を見て人間の無力さにいらだち、花はいったい何の役に立つのか、ただ呆然としていた。
翌週津波の被害がでた、千葉県旭市の花生産者へ励ましと現状の視察へ伺った。ハウス内は1mも陥没が起き、亀裂が走り、鉄骨が折り曲がっていた。
しかし植えている花は何事があったか知らぬそぶりで凛と咲いていた。その花が私には見たこともないぐらいに美しく見えた。
その美しい花の姿と「花の力」が自分の中で結びついたような気がして、翌週、「旭花生産者復興支援セール」を世田谷フローレで行った。
セールは盛況で花屋さんも「自分でできること」花を買って支援になるのならとご協力を頂いた。

4月には「花の力で被災地被災者に元気と笑顔を」を合言葉に復興支援組織「花の力プロジェクト」を立ち上げ花の力を手に支援の輪を広げた。
その活動の中で参加した人達全てが、大きな大きな花の力を確信した。
命以外の全てを失くした人達が、花に出会い、花があったからこそ生きる力を振り絞り、復興に歩みだした。
その姿を見たとき、私だけでなく多くの人が涙し、花の仕事に携わっている満足感を感じた。

現在「NPO法人さくら並木ネットワーク」の共同代表を共に努めている花弘の細沼社長と津波到達地点にさくら並木を作る計画を話し合っていたのは5月だった。
さくら並木が平成の大津波を忘れさせない。さくら並木が再び東北に来る津波の際の避難場所の目安になる。我々が東北の人達とさくら並木を通して繋がっている。
さくら並木がいくつもの物語を作り東北と繋がっている絆となる。
このさくら並木こそ「花は人をしあわせにできる」というプロジェクトである。
「花は人をしあわせにできる」このスローガンが3月11日を経験して更に大きなものとなった。
そして来年も花を通してがんばる事が出来る力を授かったようである。

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