「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

本屋大賞

2010-09-12 11:33:02 | Weblog
売れなくなっているものは花だけでなく、本も年々売れなくなっている、出版市場は年を追って縮小傾向に有ります、出版社、取次店、書店、何処も死活問題となっています。
売れなくなっているのに出版数は年々増え続け、年間7万部もの新書が出版されます、読者は7万部の中からどの本を読んだらいいのか、全国の書店が企業の枠や日常の利益を超え手を取り合って書店で作るベストセラー「本屋大賞」を創設します。
商品である本と顧客である読者を最も良く理解している書店員が中心になり、書店員の持つ読書情報を一般市民に伝え広く理解してもらう試みです。
書店員の投票数で大賞を決めますが、第一回の受賞作「博士の愛した数式」は50万部を超えるベスタセラーになります。

本年度本屋大賞は冲方丁(うぶかた・てい)の「天地明察」受賞しました、年を重ねることに書店員の投票も増え盛り上がりを見せています。
毎年大賞の作品は読むようにしているのですが、今年の「天地明察」はとびっきり面白いです。
私は囲碁が趣味ということもありますが、実在した江戸時代の棋士です、しかも数学者であり、最終的には暦まで作り出すという逸材です。
この渋川春海の半生を書き綴ったものですが、感動の連続です。皆さんも冲方丁を覚えておいてください、今後いくつかの大きい賞を獲得するように思っています。

本屋大賞実行委員会はNPO法人の資格を取りその目的にこううたっています。
「この法人は、広く一般市民を対象として、年次を代表するにふさわしい優良な書籍を決定する本屋大賞の実施事業、普及啓蒙、広報事業教育事業等を行うことにより、出版文化の振興と豊な国民生活及び発力ある社会の実現に寄与する事を目標とする」

今、本屋さんの店頭は今年の本屋大賞にノミネートされた10作品の紹介と本屋大賞普及の為の無料冊子「LOVE書店」が置かれています。
「LOVE書店」の広告収入も本屋大賞を行う資金源です。

大きい本屋も小さい本屋も自発的にポスターやポップを張り出し、書店員の投票活動も年々ふえつづけています。
この本屋大賞は本好きを対称にするのではなく、普段、本を読まない人達を対象としています、それは機関紙「LOVE書店」を見れば納得します、「大後寿々花が今読んでいる本」「アパレル系理想の男性を描く本」書店総研「なぜブックカバーは日本だけにあるの?」などなど目次だけを見ても興味が湧いてきます。

花業界でも今すぐお金をかけないで出来るプロモーションが有るはずです、これも業界ぐるみで取り組むことが大切です。


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