「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

東日本大震災一周忌

2012-02-25 17:08:00 | Weblog
8月28日仙台の「花と緑の復興フォーラム」で花弘の細沼社長が「津波到達最高地点にさくら並木を作る」現在の「さくら並木ネットワーク」構想を発表した。
この半年、私達の周りにはいくつもの感動的な出来事、涙なしでは語れない、生きている事への感謝と喜び、人生で味わった事のないような経験をさせていただいた。
先の見えないこの「さくら並木ネットワーク」に600万円を超す貴重な浄財が集まった。これからの活動を考えると充分とは言えないが大変なお金だ。

さくら並木ネットワークのロゴマークやリーフレットの製作を請け負って頂いた会社は数十万円の代金を全てボランティアとして代金を受け取らなかった。
さくら並木ネットワークのNPO法人設立に尽力して頂いた司法書士の先生は僅かしか受け取っていない報酬に自分のお金を足して賛助会員と桜基金の申し込みをしていただいた。
先生の年賀状には「さくら並木ネットワークという東日本大震災での津波被害を100年先まで伝え続けるために、東北全土の津波最終到達地点に桜並木を作るというNPO法人の設立にかかわったことは何よりもの喜びでありました」このような年賀状を出して頂いた。

さくら基金Åを20本分、賛助会員一口、合計202000円振り込んでいただいた花屋さんがいた。驚いて電話し「何かの間違いでは?」
「間違いでないんです、自分は素人から花屋を開業して10年、10周年にお客様に何かしたいと思って蓄えたお金です。さくらを植えることに使ってもお客さんは許してくれるでしょう」
こう言ってくれた。電話口で涙が止まりませんでした。20本のさくらが必ず東北の地で、今回の津波の被害を風化せず、次の代まで語り続けてくれる事を願って植えます。
この花屋さんは3月10日の桜の植樹に気仙沼までさくらを植えにきてくれます。
3月10日一周忌で植樹する気仙沼天が沢、「いずれ、村の人達が前向きに成ったとき、お花見ができるところがあってもいいのでは」見晴らしのいい、直線のご自分の土地を提供してくれた。
この御夫婦がこの花屋さんの話を聞き「我が家に植える一本の桜をこの花屋さんに植えて頂きたい」このようなお申し入れが有り、「当日お昼のご飯を作って待っていますと伝えてください」こう言われた。
これからもまだまだ感動の出会や涙の出来事が起こることでしょう。

明治29年三陸を襲った大津波、岩手県南部の気仙沼群吉浜村、人口1079人中982人死亡。村は全滅した。
先日岩手を訪問した折、吉浜村の東日本大震災での津波被害を見た。流された家屋ゼロ、死亡1名、その1名、引き波のとき、畑へ忘れ物をとりに行っての死亡、残念な結果だった。
明治の教訓を今日に活かした数少ない村落です。明治に作った古ぼけた石碑を新しく大きなものを再び建立したのは一昨年だった。
そして明治の先人の教えをかたくなに守り最少限の被害で今回の津波を繰りぬけた。
次の津波は80年後か100年後か、私たちはこの世に存在しない、だけどこのような惨いことはこれが最後にしたい。
それはさくら並木に託す他にないことだけは確かだ。



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