女装子愛好クラブ

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『男を飼う』梶山季之著 集英社刊 1969年

2019年06月09日 | ★女装の本・雑誌

男性が男性を好きになる。
男性が女性の格好をする。
苛められることが喜びだ。
虐げることが無性にうれしい。
パンティやハイヒールに性的欲望を持つ....。

ゲイ・レズビアン・異性装・サディズム・マゾヒズム・フェチズムなど、2019年の現在においては普通に語られようになっている。

しかし、50年前はどうだったろうか。
こうした性向を持つ人たちは変態と呼ばれ、異常と思われていた。
だから、同性愛雑誌も女装雑誌もSM雑誌も密かに作られ、密かに手に入れるしかなかった。

そうしたなか、1968年、流行作家の梶山季之は週刊明星に『男を飼う』を連載する。

主人公は謎のS女王・冴子。
冴子は日本で4人の男奴隷を得る。
美男の映画俳優・櫟弘一郎。彼はバイだ。
人気美容師の魚住アキラは女装する。
久留島敏郎は大学院生で下着フェチ。
風見吉彦は大病院の跡取り息子だが、ゴムマニア。
冴子は彼らを連れて、メキシコそしてカリフォルニアをめぐる。
そこでさまざまな性的嗜好を持つ男たち女たちをいたぶるのである。

性行為は男女でおこなうもの。体位は正常位のみ(ということもないか..)ということしか認められていないなか
梶山季之は冴子を中心として4人の奴隷を使いながら、人間の奥深くにある性的欲望を描いたのである。
この小説を読み返してみて、梶山季之がもつ「突破力」に改めて驚く。
そう、作家には世の中の常識を打ち破らなければならないのだ。
そして、梶山季之はそれを使命と感じていたのだと思う。






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