小浜逸郎・ことばの闘い

評論家をやっています。ジャンルは、思想・哲学・文学などが主ですが、時に応じて政治・社会・教育・音楽などを論じます。

お知らせ

2015年11月12日 16時22分07秒 | お知らせ
11月29日(日)、午後2時より6時まで、四谷ルノアール・マイスペース3階にて、「語りだけが真実である――太宰・落語・物語」というタイトルで小浜が講演をいたします。入場料は1,000円+飲み物代です。店内に「しょーとぴーすの会」という表示が出ています。ご関心のある方は、ふるってご参加ください。事前のお申し込み、お問い合わせはご無用です。>

当講演のコンセプトは以下のとおりです。落語も一席お聞きいただく予定です。

★語りだけが真実である――太宰・落語・物語
 
 天動説が地動説にひっくり返ったように、この世には、絶対的・客観的な真実があるという信念は、必ずしも正しいとは言えません。ところが科学時代に生きる私たちは、しばしばこの懐疑を忘れ、何かあらかじめの絶対的な真実なるものがあると、どこかで見なしながら生きています。しかし、神話や歴史や文学を顧みると、「語られたもの」「書かれたもの」「考えられたもの」を通して、客観的真実なるものが承認されてきたにすぎないことがわかります。科学的真実もその例外ではありません。
 また最近の某国(複数)の振る舞いを見ていると、「歴史とは捏造の歴史である」と言いたくなってきますね。どうやら声の大きい奴が勝っているようです。
 この講演では、文学や古典芸能や歌物語などを中心素材にして、「真実」とか「事実」ということの意味をいろいろな角度から(哲学的にも)掘り下げてみたいと思います。物事を鵜呑みにしない健全な懐疑精神を恢復するための一助ともなれば幸いです。
 ちなみに、私の話を「客観的真実」だと信じないでください。その心配はありませんね。