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SEC「ゴールドマン、需要情報隠した」 市場仲介機能否定に懸念も

2010-04-21 18:25:15 | 日記
SECによると、ゴールドマンは2007年、著名ヘッジファンドのポールソン・アンド・カンパニーと、サブプライムローン市場が急落するとの認識で一致。同ローンの市場価格と連動し、リスクが非常に高い証券化商品の一種「シンセティック(合成)債務担保証券(CDO)」と呼ばれる商品をポールソン監修で設計する。

多数のローンを集めてリスクを統計的に把握し、小口化した証券化商品などを再び同じように証券化したのがCDO。ここにリスク回避のための保険契約を組み込んだ合成CDOをゴールドマンは組成した。その際ポールソンとは別の第三者の金融保証会社を介在させる。ドイツの銀行などに販売したが、CDO価格が急落すれば利益が出る保険契約をゴールドマンと結んだポールソンは巨額の利益を得た。

SECが詐欺としたのはゴールドマンが投資家にポールソンの関与を知らせなかった点。CDOの設計者自身が急落を見込んでいるという時いよう情報を故意に隠したとした。これに対し、ゴールドマンの法律顧問は20日電話会見し、「当社もCDOを保有し、損失を負った。四あ書から下落を狙っていないことは明らかだ」と反論。「CDOの設計は金融保証会社が独自に行った」と主張した。

日経 21日朝刊
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サブプライムローンそのものが、低格付けの債券にも関わらず、住宅価格が上昇するという期待感から高格付けを取得し、あたかも安全資産のように売買されました。その中でも劣後債部分を組み合わせてさらに証券化商品が組成されていき、金融危機を引き起こしました。今回のゴールドマン訴追は、いずれもプロの投資家同士の間の話なので、双方了解のもとで契約していたと思います。個人投資家が騙された!と言って文句をいうレベルの話ではありません。ゴールドマンも徹底抗戦するようですが、SECの出方によっては、金融機関の信用不安を再燃させる可能性もありそうです。



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