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脳卒中と漢方

2015年11月10日 | 勉強してきました
2015年9月13日、福岡の勉強会に行ってきました。
中医学講師は韓小霞先生。「脳卒中」について西洋医学と中医学それぞれの視点からみっちりと講義して頂きました。

◆脳卒中ってどんな病気?
脳に血液を送る血管が詰まって(脳梗塞)、意識障害・麻痺・言語障害などを引き起こすのが脳卒中です。
1.ラクナ梗塞
脳の末梢血管(細い血管)が詰まるもの。心臓から脳へ送られる血液の量が足りず、脳が慢性的な血流不足に陥っていることが原因になります。無症状のことが多いタイプです。
2.アテローム血栓性脳梗塞
血液のドロドロした汚れが血管を詰まらせてしまうもの。血管が枝分かれしている部分で起きやすく、寝ているときなど安静時に発症しやすいのが特徴です。
3.心原性脳塞栓症
心臓にできた血栓が血流に乗って脳へ到達し、血管を詰まらせてしまうもの。活動時に突然発症することが多く、脳内出血に進行して重症化する、最も危険なタイプです。

脳に血液を送る大きな血管は眼動脈と近接しているので、ここが詰まると「目が見えにくい」「片目が見えない」などの症状が出ることがあります。脳卒中の前兆の可能性大ですから、ぜひ見逃さないようにしてください。あれっ?と思ったらすぐに病院へ。

◆血管が切れると脳出血
詰まった血管が破れてしまうと脳出血です。脳は言うまでもなく人間の活動のコントロールセンターですから、出血により脳細胞が壊死すると生命活動そのものが障害され、最悪の場合死に至ります。
1.脳内出血
その名のとおり、脳の血管が切れて出血するもの。死亡リスクも高く、損傷範囲によっては一命を取りとめても重篤な後遺症が残ります。
2.硬膜下出血
頭を打つなどで頭蓋骨のすぐ内側の血管から出血し、血腫ができていくタイプ。初めはあまり症状がなく、血腫が脳を圧迫することで頭がボーっとするなど意識障害が出てきます。
3.クモ膜下出血
脳の外側の血管が詰まって切れるタイプ。頭痛、頚の痛みが特徴で、経過が良い場合でも再発・再発時の死亡リスクが高いため、発症後3週間以上の安静が必須になります。

◆中医学の見方
「血管の詰まり」をもたらす、そもそもの原因は体質の偏りです。
1.虚証
消化力、血液を作る力、心臓のポンプの力、体内を清浄化する力など、体の機能が弱った状態です。もともと体の弱い人は虚証ですが、加齢によって誰でも虚証になっていきます。
2.痰濁・お血
痰濁はネバネバした老廃物、お血は血液ドロドロ。運動不足や食べ過ぎなど悪い生活習慣でも、虚証を背景にした機能失調からでも生じて体に溜まっていきます。
3.肝鬱化火
ストレスによる自律神経失調(緊張状態)です。血圧が上がったり、血流が悪くなってお血を作ったり、消化力を低下させて痰濁が蓄積したり、血管がもろくなったりします。

年は誰でもとりますし、現代人はみな運動不足・食べ過ぎ傾向。精神的ストレスも避けられません。つまり、脳卒中の危険は誰にでもあるということ。高血圧、高脂血症、動脈硬化、動脈瘤、心不全などの持病のある人は脳卒中ハイリスク群。血液をサラサラにして汚れや詰まりをつくらないこと、脳までしっかり血を巡らせることが大切です。

◆脳卒中の予防、後遺症改善には?
原因となる体質の偏りに対し、漢方薬は虚証には【補気、補血、補陰】など足りないものを補うもの、痰濁・お血には【化痰、活血】など老廃物をキレイにするもの、肝鬱化火には【疏肝、理気】などストレスを発散して気の巡りを良くするものを使います。
脳卒中の後遺症も、虚証から生じる痰濁・お血によって起きているものと考えて【補気、補血、補陰】【化痰、活血】が基本になります。言語障害には【補腎】の薬をしっかり使います。

西洋薬は、血圧を下げる、血液の粘度を下げるなどピンポイントに作用しますが、根本的な体質改善や虚証を補うことは不得意です。
西洋医学と中医学、双方の良さを活かして大病を予防、改善していくのがベストですね。

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