10/11~12と、東京で「不妊症カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座」に参加してきました。
この養成講座を3度受けると不妊カウンセラー試験の受験資格を得られるということで、今回初めての参加です。
1日目はお昼~夜の8時半まで、翌朝は9時スタートの3時まで、生殖医療の基礎知識からカウンセリングとケアのお話し、特別講演などが目白押しで授業並みのカリキュラム。
実際、集中力が持つだろうか…と心配しましたが、各方面とも現役で活躍されている医師や看護師、カウンセラーの方のお話しなので、とても勉強になり、あっという間のとても有意義な時間でした。
その中から特に印象に残ったお話しをご紹介します。
「ART(高度生殖医療)時代における一般不妊治療の位置づけ」 荒木重雄先生
現在は65人に1人が体外受精児といわれる時代で、高度の不妊治療が盛んに行われています。
しかし、「出来れば自然に授かりたい」と考えているカップルも多く、ステップアップを悩まれている方も多数おられます。
(一般不妊治療とはここでは人工授精までを指します。)
ヨーロッパでは主要な不妊専門機関が中心となり、1年以内の自然継続妊娠の確率を計算できるサイトが公表されているそうです。
(資料が店頭にあります。ご興味ある方はお声かけ下さい)
その予測因子には
①女性の年齢
②不妊期間
③未妊(妊娠経験なし)or第二子不妊
④運動精子の割合
⑤ヒューナーテストの結果
などがあり、これらによってそれぞれのカップルの妊娠率が大きく変わってきます。
それをふまえて、待機療法や人工授精、ART(高度生殖医療)を選択する参考にします。
一般不妊治療は、ARTと比べて身体的・心理的・経済的負担は軽減されるが、有効性に限界がある場合もある。
しかし、体外受精でも妊娠率は全国平均では2~3割、出産までにこぎ着けられるのは更に半分以下と言われています。
初めて不妊治療を受けたカップルを対象とした場合、一般不妊治療開始後2年以内に妊娠する確率は約56%という結果が得られており、費用対効果や身体の負担を考えた場合、一般不妊治療が如何に重要であるかを示しています。
様々な状況を勘案して、治療方針を立てていく事の重要性を説かれていました。
これは、西洋医学だけでの結果ですから、漢方を併用する事で妊娠-出産率をupする事ができると考えます。
「生殖医療の将来」 根津八紘先生
根津先生は、長野県で諏訪マタニティークリニックを開業されており、減数手術や最近では非配偶者間体外受精、先天的や手術によって子宮を持たない患者の家族による代理出産の実施など「不妊治療のタブー」ともされている領域にトライし、マスコミでも発表している施設です。産科学会の除名騒動などもあってご存じの方も多いと思います。
「目の前の患者を助ける為に医者になった。これらの治療は水面下では他の病院でも行われているが、自分はうやむやに出来ない性格。患者の立場に立って、盾となり各方面からのバッシングと闘いながら誇りを持ってやっています。」と仰っていました。
この11年の間非配偶者間体外受精で135人の赤ちゃんが誕生し、代理母の依頼は150を越えているそうです。(ガイドラインに適合した15例に実施)。
現在、国内で代理母は認められていないため、海外に代理母や提供卵子を求める日本人夫婦が後を絶ちません
また、ガン治療や子宮筋腫で子宮を全摘しなければいけかなった方が「代理母で産めば、子供は産めるから…」などと無責任に言われ、言われるがまま同意してしまい困っている…そんな人を助けてあげたい…。
先生の話を聞きながら、時に納得し、時に違和感を覚えながら拝聴しました。
いろいろな思い抱えながらでしたが、一ついえるのは、「医療人として目の前の困っている人を無視できない」という姿勢に感銘を受けました。
翌日のフリーディスカッションでも根津先生のお話から、代理母の是非など、会場から色々な意見が出ました。法の関係からも、倫理的にも国民全体で生殖医療を考えていかなければいけない時期に来ていると感じました。
日頃、多くの子宝相談を受けている身として、様々な事を考えされたれたお話しでした。
これからも、不妊カウンセラーの資格取得を目指し、参加する予定です。