長崎・龍虎堂薬局 子宝・不妊相談blog ~あなたにもかわいい赤ちゃんを…~  

中国漢方による『周期調節法』での子宝相談! 不妊症や治療にお悩みの方へのお役立ち情報と薬局の情報をupしていきます。

龍虎堂薬局のご紹介

長崎県、長与町の漢方薬局です。開局は1978年、今年で36年目になります。 イスクラ産業の「不妊症専門講座(周期調節法)エキスパートコース」を受講。 年に一度、中国での研修や「お茶の間講座」・「スクーリング」などで中医師・中医学講師の先生方に師事し、不妊症や不育症の学習に研鑽を重ねています。 長崎の薬局で唯一、日本不妊カウンセリング学会の認定不妊カウンセラーがおります。不妊症でお悩みの方、結婚予定の方… 一人で、カップルで悩まずにご相談下さいね。 (ご相談はご予約制です。前もってご連絡下さい。) お店のHPへはブックマークからどうぞ。facebookもやってます♪(*^-^*)

「顕微授精」のち「自然妊娠」!~妊娠力を高めることの重要性~

2015年09月25日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
結婚5年の36歳、フルタイムで働く痩せ型のMさん。「グレードの良いものを3度胚移植をしているけど、今回もダメだった…。残りの1個で何とか妊娠したいんです」と来店。1度自然妊娠したものの流産してしまい、その後はなかなか妊娠せず…。人工授精6回。転院先で「精子無力症」と診断されて顕微授精とステップアップし、不妊治療を続けていました。

Mさん自身の体調をうかがうと、生理痛がひどくて1~2cmの塊が出る。頭痛や肩こり、常時イライラ、手足の冷えが強い。生理の前には胸が張り、プロラクチン値も相当高い。胃腸も弱くて下痢や軟便が多く、むくみ、低血圧で疲れやすい…など、強いストレス状態と血行不良、根本的な身体の弱さも見受けられました。卵子の残数を示すAMHの数値は実年齢+5歳。基礎体温も低温期が36.5℃、高温期は37℃を超える日もあり、決して良い状態ではありませんでした。しかし、凍結卵が残っているので、まずは着床環境と体質改善を重点に置いて漢方薬を服用して頂きました。

1ヶ月後の来店時には、「生理時の塊がなくなって、生理痛も軽くなった!下痢もなくなり、イライラも手足の冷えもずいぶん減りました!」と身体の変化を実感。その後の体調もどんどん良くなり、3ヶ月間漢方薬を調整しながら臨んだ残り1個の胚移植は、残念ながら陰性=妊娠不成立。「1から身体づくりをし直して採卵に挑みましょう!」と再決意し、採卵まで積極的に周期調節法で元気な卵子づくりを始めました。

それから4ヶ月。いつものようにご予約の電話を頂き「そろそろ採卵準備周期のはず」と相談を始めたところ、開口一番「自然妊娠したんです!!ビックリしました!!」と。採卵準備をしていた矢先に、なんと自然妊娠されたのです。
タイミング時だけでしたが、ご主人様にも精子を元気にするものを飲んで頂いていました。Mさんも採卵に向けてしっかり身体づくりをし、お2人の身体が調った結果が元気な受精卵の着床→自然妊娠に結び付きました。
心拍も見えて順調のようです。このままお腹の赤ちゃんが順調に育ってくれることを願うばかりです。

治療するにしても、自然妊娠を目指すにしても、「自身の妊娠力を高めることに尽きる」のだということを改めて感じさせられた症例でした。

日本不妊カウンセリング学会
認定カウンセラー
夏苅竜子

ながさきpress 2013年12月掲載

生理痛と妊娠力

2015年09月18日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
「生理痛があるって普通じゃないの?」痛いときだけ鎮痛剤を飲んでやり過ごしている方は多いのでは?漢方では、生理痛を「子宮の血液循環が悪い」というSOS信号だととらえて重要視します。子宮や付属器である卵巣の血流〝妊娠力”には密接な関係があると考えるからです。子宮の血液循環が悪いと着床障害や、稽留流産などにもつながります。生理痛がひどい場合は、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科疾患が隠れていることもあり、これらも妊娠力が低下する一因です。

結婚2年、40歳の方が「3度人工授精(AIH)をしたが、妊娠しない」と来店されました。一般的には35歳頃から卵巣機能が衰えはじめ、年々妊娠しづらくなります。しかし、この方は初潮から生理痛がひどく、強い鎮痛剤を2日で8~10回も服用。生理の出血は黒っぽくドロッとしていて、レバー状の塊もたくさん出る。そのほかにも、イライラや憂鬱、生理前の胸張り、冷え性でとても疲れやすいなどたくさんの問題が見受けられました。年齢からも卵巣を元気にすることが必要ではありましたが、「生理痛がこれほどひどいと、い卵もできないし着床も難しい」と考え、まずは子宮の中を大掃除する活血剤と、補血剤だけを1ヶ月飲んで頂きました。

1ヶ月後には、「生理痛が楽になって、鎮痛剤は2~3回飲むだけで済んだ。レバー状の塊も減ってビックリ!」と言われました。AIH後の来店だったので、妊娠を維持するための安胎薬に切り替えて生理が来るか様子を見て頂きました。残念ながら来潮したものの、高温期が18日も続き、妊娠した兆候が見られました。この時の生理痛は更に軽くなり、鎮痛剤は1回の服用で済んだそうです。
子宮の血流改善が見られたので、「卵巣を元気にする補腎薬を足して身体づくりをしましょう」と提案した周期のAIHで妊娠!漢方を飲み始めて3周期での妊娠に、ご本人も驚くばかりでした。
この方は年齢の割に卵巣が若く、子宮や卵巣の血流が良くなったことで元気な卵ができ、着床環境が調って妊娠力がUPした結果でしょう。

妊活中の皆さん、まずは生理痛の改善からですよ!早めにご相談ください。

薬剤師 夏苅和子

ながさきpress 2013年9月号掲載

シルバーウィーク期間中の営業について

2015年09月11日 | 龍虎堂薬局のご案内
シルバーウィークが近づいてきましたね!
本来なら9月22日は「営業日」ですが、3年ぶりの日本中医薬研究会・全国大会出席のため臨時にお休みを頂くこととなりました。
ご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程よろしくお願い致します。
なお23日(水)は営業しておりますので、祝日休みの方はどうぞご来店下さいませ。


 9月20日(日) 日本中医薬研究会 全国大会出席のため (定休日)
 9月21日(月)             〃              (定休日)
 9月22日(火)             〃              (臨時休業)
 9月23日(水)  朝9時半~夜7時まで 営業しています!






着床環境の改善に漢方薬を!

2015年09月11日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
「不妊治療をして胚盤胞の凍結卵が18個でき、質の良いものを2度移植したが着床しない。もうすぐ3回目の移植を予定しているので漢方を併用したい」と来店されたのは32歳の女性。

潜在性の高プロラクチン血症がありますが、月経周期はほぼ安定しています。しかし、月経量は多く、月経痛がひどくて鎮痛剤を1日に3回も服用していました。月経血の色は黒っぽくドロッとした大きな塊があります。月経前には頭痛と胸の張りもありました。疲れやすく、手足の冷え、首・肩のコリもあります。舌は赤黒く、子宮をはじめとした全身の血流が悪い「お血」の状態が強くありました。これでは、いくら移植しても着床に至るのは難しいでしょう。

胎児は約10ヶ月間を子宮の中で暮らします。ですから、「子宮は温かく、たっぷりと血流が流れて酸素や栄養が届いていないと赤ちゃんが成長できない」と漢方では考えています。
移植が2週間後に迫っていたので、とりあえず、体力をつけつつ子宮内膜を養うもの、職業柄ストレスと夜勤が多いのでストレスを和らげるもの、そして強い活血剤を服用して頂きました。

この周期、陽性反応は出たものの、服用期間が短かく血流の改善が不十分だったこともあってか、残念ながら初期流産に終わりました。経血の色が真っ赤で月経痛も塊もない〝健康な子宮”を目指して、しばらく血流改善に集中して頂くことにしました。2ヶ月後には月経血もきれいな赤になり、生理痛も塊もなく、肩こりも改善されていました。
その翌月に4回目の移植をし、無事に着床!今回は胎嚢も見え心拍も確認されて、ようやく笑顔がこぼれました。

赤ちゃんは血流が悪く、冷えた部屋(子宮)には住んでくれません。着床環境を調えるのは漢方の得意分野です。冷え性や月経痛、塊のある方は、まず月経の不調を改善しましょう。おひとりおひとりに合った薬・生活養生をご提案します。どうぞご相談ください。

薬剤師 夏苅和子

ながさきpress 2013年8月号掲載

どうしても治療が必要なときがある

2015年09月04日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
Mさん、結婚9年目で33歳。妊娠経験はないものの、「(一般)精子検査は良好」とのことでした。ストレスが多くてイライラしており、基礎体温表(BBT)はギザギザ。月経血は黒ずみ、大きな塊があります。高プロラクチン血症による排卵障害で排卵誘発剤を2年間服用。そのためにBBTは全体的にとても高く、のぼせと唇や膣の乾燥、不眠など熱のこもった症状を訴えていました。

漢方では、低温期(卵胞期)の体温が高いと質の良い卵胞が育たないと考えています。そこで、女性ホルモンのバランスを調える薬をベースに、身体の熱を冷ますもの、イライラを鎮め睡眠を改善するものなどを服用。症状は次々に改善しましたが、子宮筋腫や子宮内膜症が見つかり手術することに。その後もお薬を続けられ、BBTも体調も文句なしの状態なのに妊娠には至りませんでした。

自然妊娠の希望でしたが「受精障害」を疑い、ご主人を説得して高度不妊治療に踏み切ることをお薦めしました。病院では右卵巣が小さく機能が低下している可能性を指摘されましたが、2年間漢方で腎(卵巣)を補い続けたのが功を奏し、「左右の卵巣から22個も採卵できました!5個だけ念のために顕微授精(ICSI)に回しました」と、採卵直後に弾んだ声で報告してくださいました。
しかし、体外受精をした17個の卵は1つも受精せず全滅。ICSIのうち3個がグレード1という結果に。彼女は落胆を隠せませんでした。不妊原因は、やはり精子に受精させる力がない受精障害でした。新鮮胚移殖では着床せず。2度目は着床したものの、心拍が確認できず流産に。翌月、最後の凍結胚を戻したところ、妊娠。「心拍も確認できた!」と喜びの報告を頂きました。漢方薬での身体づくりと不妊治療の併用が成功した嬉しい症例でした。

このように、不妊治療でしか授かることのできるないケースが少なからずあります。長期に及ぶ不妊には何らかの原因が潜んでいます。ぜひご相談ください。

薬剤師 夏苅和子

ながさきpress 2013年7月号掲載