長崎・龍虎堂薬局 子宝・不妊相談blog ~あなたにもかわいい赤ちゃんを…~  

中国漢方による『周期調節法』での子宝相談! 不妊症や治療にお悩みの方へのお役立ち情報と薬局の情報をupしていきます。

龍虎堂薬局のご紹介

長崎県、長与町の漢方薬局です。開局は1978年、今年で36年目になります。 イスクラ産業の「不妊症専門講座(周期調節法)エキスパートコース」を受講。 年に一度、中国での研修や「お茶の間講座」・「スクーリング」などで中医師・中医学講師の先生方に師事し、不妊症や不育症の学習に研鑽を重ねています。 長崎の薬局で唯一、日本不妊カウンセリング学会の認定不妊カウンセラーがおります。不妊症でお悩みの方、結婚予定の方… 一人で、カップルで悩まずにご相談下さいね。 (ご相談はご予約制です。前もってご連絡下さい。) お店のHPへはブックマークからどうぞ。facebookもやってます♪(*^-^*)

女性の悩み、不正出血

2015年10月30日 | ながさきプレス「漢方のチカラ」
◆不正出血とは
通常の月経以外の時期に女性器から出血が見られるものを不正出血といい、婦人科の常見病の一つです。薄ピンクから茶褐色、時には真っ赤な出血まで、色や量、出血期間はさまざま。重篤な病気が隠れていることもありますので、出血が続く場合は早めに婦人科を受診し原因を調べることが大切です。原因は多岐にわたりますが、大きく2つに分けられます。
1.機能性出血
機能性出血ホルモンバランスの失調が原因で、子宮や卵巣が発育中の思春期と、弱っていく更年期によく見られます。性成熟期(20~40代前半)には ■無排卵不正出血 ■黄体機能不全 ■多嚢胞性卵巣(PCOS)■排卵期出血 などが関係しています。多くはこのタイプで、大きな心配は不要です。
2.器質性出血
器質性出血は病気に起因するもので、■子宮頚管、膣の炎症やびらん ■子宮内膜、頚管ポリープ ■子宮筋腫 ■子宮内膜症 など良性のものもあれば、 ■子宮頚ガン ■子宮体ガン ■子宮肉腫 ■卵巣肉腫 など悪性の婦人科疾患が隠れていることもあります。
近年増加傾向にある子宮頚ガンは20~30代から、子宮体ガンは閉経前後が好発世代です。ガンは早期発見が何よりの薬。婦人科のガン検診はすすんで受けましょう!

◆西洋医学では
原因を突き止め、状況に応じて経過観察、止血剤やホルモン剤・排卵誘発剤の投与、手術による切除などが選択されます。出血が長く、貧血を伴っているときには貧血改善の対応もなされます。

◆漢方では不正出血は「崩漏」といい、はなだれるように出血量が多い状態、少量の出血がダラダラと続く状態を指します。漢方で比較的効果があるのは主にホルモンのアンバランスによる機能性の不正出血で、それらの原因は腎虚や脾虚、血熱、肝鬱、お血などと考え、補腎健脾、清熱、理気活血、止血薬などを選びます。特に性成熟期の不正出血無排卵卵胞発育不全とも関係し、不妊の原因にもなり得ます。自力で元気な卵胞を作ることが不正出血の改善と妊娠への第一歩です。ご相談ください!


ながさきpress2015年9月掲載

明日は我が身の…介護問題

2015年10月16日 | ながさきプレス「漢方のチカラ」
◆老年期20年!
日頃、相談をお受けしていると「認知症」「介護問題」が体調不良の原因や話題としてあがってきます。超高齢化社会に入り、現在は4人に1人が65才以上の高齢者です。平均寿命も伸び続け、老年期が20年近くもあります。
「介護問題」が起こると、高齢者・介護者双方が大変でもあるため、「老後もできるだけ自分の力で暮らしたい。できることならボケたくない」と思っている人は多いのではないでしょうか。

◆認知症の予防と対策
老化は誰しも避けられないもの。でも、要介護になるか、ならないかはその人の体質と養生次第。キーワードは“腎の力”“脳血流”です。
「腎」とはその人の“生命力”でもあり、成長や老化を司って脳や骨・髪・耳・歯・排泄などと深い関わりがあります。腎の力が衰え、脳血流が悪くなると物忘れや認知症、足腰の弱りなど老化症状が現れて介護が必要になってきます。
~介護される人(高齢者)の症状~
□物忘れ、認知症
□怒りっぽい、被害妄想
□足腰の弱り
□寝たきり
□排泄のトラブル
認知症や足腰の弱りが出た後でも、漢方薬を飲んだら「症状が軽減した」とか「表情や反応が冴えてきた!」という嬉しい声を聞きます。漢方薬は、介護される側だけでなく介護する側にとっても大きな助けになるのですね。
「腎」を元気に保つには、若い頃から「腎」を補う貝類海草類、豆、ごまなどを毎日摂るようにしましょう。甘いものの食べ過ぎは「腎」を損ね、老化を早めますよ!

◆介護者の健康を守る
介護する人は主に配偶者や子の世代ですが、体調不良の原因はほとんどがストレス。張りつめた緊張や頑張りが体に現れます。そのままでは共倒れにもなりかねません。
~介護する人(家族)の症状~
□うつ、涙もろい
□イライラ
□不眠
□疲れやすい
□胃腸の不調
介護者も、不調を改善する漢方薬を飲みながら、デイサービスなどを上手に利用して自分の心と身体を休ませる時間を持ったり、抱え込まず周りに助けを求めることも必要です。
ストレスを発散させるために、食事では酸味のものや香りの良いものを積極的に摂るのがおすすめ。おしゃべりやカラオケもおおいに発散効果がありますよ!

介護は長期戦。介護される側にもする側にも手助けが必要です。介護に向き合うとき、介護で疲れてしまったとき、漢方薬のことを思い出してくださいね。


ながさきpress2013年11月掲載

秋の夜長の…不眠症

2015年10月09日 | ながさきプレス「漢方のチカラ」
◆不眠とは?漢方の考え方
世界の中でも睡眠時間が短い傾向にある日本人。その5人に1人は不眠に悩んでいると言われています。ひとえに「不眠」といっても、寝付きが悪い・眠りが浅い・熟眠感がない…など症状はさまざまですが、西洋医学では主に睡眠薬や鎮静剤などが処方されています。

漢方では、精神活動の中心である「心」自律神経に関係する「肝」「脾(胃腸)」の失調を主な原因と考え、“眠れない原因”=“体質”を見極めて、タイプ別に根本から改善していきます。睡眠薬のように「すぐ眠くなる」という効果は弱いですが、最終的には「睡眠の質が良くなった!」「睡眠薬が要らなくなった!」と喜ばれる事も少なくありません。

あなたの不眠はどのタイプ?
「寝付きが悪い」タイプ       
 □寝付きが悪い
 □眠りが浅い
 □夢が多い
 □イライラ・怒りっぽい
 □ストレスが多い
寝付きが悪いのは、身体にこもった「熱」「肝」の不調が主な原因。ストレスの長期化や辛いものの摂りすぎなどが招いた結果です。
 身体の熱を冷ます緑の濃い野菜苦瓜や竹の子山菜類や、肝を養う柑橘類など酸味のもの、ストレスを発散するセロリや三つ葉など香草類を摂って。不眠を慢性化させないように早めに対処しましょう。

☆オススメの漢方薬:酸棗仁湯など

「眠りが浅い」タイプ
 □何度も目が覚める
 □夢が多い   
 □憂うつ感・不安感
 □動悸・めまい
 □立ちくらみ・疲労感
不眠が慢性化している方や女性に多く見られるこのタイプは、血液不足が主な原因。血液が不足すると、心神(精神)が不安定になり不眠症状がみられます。疲労感や憂うつ・不安感を伴いやすいのも特徴です。
血液の元になる赤身の肉や、ぶどうなつめ黒砂糖や・黒ごま・黒豆など黒いものを摂って。しっかり血液を補い、睡眠力を取り戻しましょう。

☆オススメの漢方薬:心脾顆粒など

「悪夢」タイプ
 □悪夢をよく見る
 □ストレスが強い
 □熟睡感がない 
 □胃腸の不調
 □舌に苔がべったりつく
管理職などストレスの強い方、胃腸が弱い方によく見られます。代謝が悪く、色々なものが溜まっている状態です。この他にのどの詰まり感むくみめまいなどを伴うことも。
満腹のままでは睡眠の質が悪くなりますので、晩ご飯は就寝の3~4時間前に済ませて。脂もの、味の濃い物、冷たい食べ物などは厳禁にも進みやすいので早めの対処を!

☆オススメの漢方薬:温胆湯など

「加齢」タイプ       
 □朝方に目が覚める 
 □身体や手足の裏がほてる
 □寝汗・のどが渇く
 □耳鳴りや腰痛がある
 □物わすれが多い
更年期以降によく見られるタイプです。年齢を重ねると「眠る力」が低下して、健康な人でも睡眠に変化が見られます。老化を予防する貝類海草類木の実ごまなど「腎」を補う食べ物を摂って。
熟睡出来れば6時間弱でも問題はなく、「眠れない」というストレスがますます不眠を招くことも。睡眠時間よりも眠りの質を重視して下さい。

☆オススメの漢方薬:天王補心丹など

◆生活習慣の見直しも必要
就寝前のカフェイン摂取喫煙テレビパソコン携帯を見ると脳が興奮するため寝付きが悪くなります。寝酒は寝付きが良くなるように思えますが、中途覚醒が増えるため逆効果。生活習慣を見直すことも不眠を改善する一歩になりますよ。
気持ちよい朝を迎えるために!不眠に悩んでいる方はぜひご相談下さい。


ながさきpress2013年10月掲載





 


福岡での勉強会より

2015年10月08日 | 勉強してきました
この1週間は出張続きで、いつもに増してあっという間に時が過ぎていきます。
まずは、先週木曜日の福岡出張のレポートから。

通称「韓塾」の今年の勉強テーマは「中医学基礎に立ち返る」
中医学を勉強し始めた“ひよこ”の頃から幾度となく聞いてきたはずの話も、韓先生の手にかかれば新たな発見や驚き、納得!の連続。
何ごとにも「基礎に立ち返る」ということは、とても大事な事ですね。

今回は主に ◎気の運動 ◎五行学 を勉強しました。 

五臓の存在が表に出ていなければ健康。存在が見えてくると五臓のバランスが悪い=様々な体調不良の始まり。

気の運動は臓腑によって上がったり、下がったりするもので、
生理的に“スムーズ”に動けばいいのですが、反対に動くと病理的な動きとなり、

 ◎胃気(本来は ↓)が上がるなら、吐き気や詰まり感に。
 ◎脾気(本来は ↑)が上がらないと頭に栄養が届かず、ぼーっとしたり、記憶力の低下に。
 ◎肺気(本来は ↓)が上がってしまうと。咳や喘息に。
 ◎心気(本来は ↓)が上がると、興奮や不眠に。
 ◎肝気(本来は ↑)が上がらないと、うつややる気の低下に。
 ◎腎気(本来は ↑)が上がらないと、自律神経や免疫の乱れ、精の消耗につながります。

薬草の分野に強い先生がおられ、毎回様々な薬草を持ってきて解説して頂けるのもこの韓塾の楽しいところ。

↑この写真は、五行草(ごぎょうそう)。

皮膚疾患や咳、膀胱炎や下痢・赤痢などにも使われ“肺系”の不調を改善する生薬としてよく使われています。
葉っぱは青(緑)、茎は赤、花は黄色、根っこは白、実が黒く、五行の色を総じて持っていることから五行草といわれるようになったとか。
スベリヒユやバシケンとも呼ばれるこの薬草は、普段は“雑草”扱い。でも、薬効を知っている人にとっては“宝の草”ともいわれています。
畑や道ばたに生えているそうで、茹でて酢醤油でおひたしとして食べると美味しいそうです。 一度食べてみたい!


正面に写っているのは旱蓮草(かんれんそう)別名・タカサブロウとか墨旱蓮(ぼくかんれん)と呼ばれている生薬です。
墨旱蓮と呼ばれる理由は…


旱蓮草の実を潰すと、黒い液体が出ることから墨旱蓮といわれるようになったとか。少しお水を加えた液体でみんなでお習字!しました。
私も小学生以来に筆を持ち、貴重な体験をさせて頂きました。

12月の韓塾が今から楽しみです!