長崎・龍虎堂薬局 子宝・不妊相談blog ~あなたにもかわいい赤ちゃんを…~  

中国漢方による『周期調節法』での子宝相談! 不妊症や治療にお悩みの方へのお役立ち情報と薬局の情報をupしていきます。

龍虎堂薬局のご紹介

長崎県、長与町の漢方薬局です。開局は1978年、今年で36年目になります。 イスクラ産業の「不妊症専門講座(周期調節法)エキスパートコース」を受講。 年に一度、中国での研修や「お茶の間講座」・「スクーリング」などで中医師・中医学講師の先生方に師事し、不妊症や不育症の学習に研鑽を重ねています。 長崎の薬局で唯一、日本不妊カウンセリング学会の認定不妊カウンセラーがおります。不妊症でお悩みの方、結婚予定の方… 一人で、カップルで悩まずにご相談下さいね。 (ご相談はご予約制です。前もってご連絡下さい。) お店のHPへはブックマークからどうぞ。facebookもやってます♪(*^-^*)

2014年 お盆の営業のお知らせ

2014年07月31日 | 龍虎堂薬局のご案内
明日からもう8月に入ります。夏本番! 暑い日が続きますね。。。
お盆休み等で8月の営業が不規則になっておりますのでお知らせ致します。

 8/10(日) 定休日
 8/11(月) 営業します!
 8/12(火)通常営業 
 8/13(水)~8/15(金) お盆休み
 8/16(土)通常営業 
 8/17(日) 定休日
 8/18(月) 定休日


8/23(土)は、中医不妊症講座スクーリングにスタッフが出席しますため子宝相談はお休みさせて頂きます。

「どうしても、帰省中しか相談できない…」などのご希望がある場合は
個別にお問い合わせ下さい。
龍虎堂薬局 Tel:095-883-4300

龍虎堂薬局Facebookページ↓が出来ました!

お知らせなど主にはfacebookページで発信しています。
どなたでも見ることが出来ますので、ぜひのぞいてみて下さいね♪

ストレスでも太ります

2014年07月31日 | 勉強してきました
ブログへのUPが相変わらず追いついておりませんが・・・(;´・ω・)

7月13日、福岡の勉強会に行ってきました。中医学講師・薛叶祥(せつ・ようしょう)先生による肥満についての講義。

中医学では肥満は体の病理産物である「痰湿」が溜まっていると考えます。消化が追いつかないほど食べ過ぎたり内臓機能が低下して消化や代謝が滞ると、余った栄養分や水分がネバネバしたヘドロとして体に蓄積していきます。それが痰湿です。

肥満のタイプには、

脾虚失運・・・消化機能の低下で食べ物や水分が体に残る
       (少食でも太る、むくみ、疲れやすい)

胃熱滞脾・・・体質や過食で胃に熱がこもり、食欲旺盛になる
       (口臭がある、歯がよく浮く、胃酸過多、咳・痰)

肝鬱気滞・・・ストレスで過食し、消化機能が低下する
       (肩こり、眼精疲労、イライラ、脇腹の脹った痛み)

脾腎両虚・・・加齢などで消化吸収、代謝の力が落ちる
       (冷える、動くと疲れる、腰痛がある)

陰虚内熱・・・血液が煮詰まった状態で循環が悪くなり、代謝が落ちる
       (手の平や足の裏がほてる、口が渇く)

などがあります。

肥満に使う漢方薬は、『化痰薬』という痰湿を取る薬をベースに、脾虚失運には『健脾薬』、胃熱滞脾には『清熱薬』、肝鬱気滞には『理気薬』『和解薬』、脾腎両虚には『補腎薬』、陰虚内熱には『補陰薬』など、症状に合わせて適応する漢方薬を組み合わせます。
語弊を恐れずに言うと「痩せる薬」はありません
。体のバランスを調整することで“肥満”という“偏った体質”を改善していくのです。
薬はあくまで体質改善の助けであり、生活習慣の改善なしに痩せることはできません。

また、ストレスコントロールも非常に重要です。上のタイプ③、肝鬱気滞によるストレス食いは多くの人が経験しているのではないでしょうか。嫌なことがあると食べてしまう。甘いお菓子やスナックがやめられない。お腹いっぱいでも食べるのが止まらない・・・
実は、肝臓の働きが弱ると思惟活動(考えて決定すること)に異常をきたします。肥満の人は「自己管理ができない」とよく言われますが、それは性格というよりも、肝機能が低下しているために起きる一つの症状と考えた方が合理的ではないでしょうか。

中年以降は体が省エネ化するので誰でも太りやすくなります。【摂取エネルギー】<【消費エネルギー】になるよう、食事は腹八分目、1日15分以上の運動を心掛けましょう!
就寝前の2時間は同じ量を食べても脂肪になりやすいので飲食を避け、食べるとしても軽く済ませること。
食事が不規則
だったり食事を抜いたり早食いながら食いも太りやすい習慣です。

ダイエットは過剰な体脂肪を減らして健康になるのが目的であって、やみくもに体重を減らそうとするのはとても危険なこと。エネルギー不足で低体温になれば代謝機能が低下し、一層痩せにくい体を作り出してしまいます。若い女性では無月経など不妊症に繋がる不調を招きかねません。肥満のタイプ別に適切な養生法がありますので、まずはご相談ください。

スタッフ:春田有紀子


「子宮内膜症のさまざまな症状」

2014年07月27日 | ながさきプレス「漢方のチカラ」
★子宮内膜症とは・・・
子宮内膜症とは、子宮内膜と同じような組織が卵巣や卵管・腸など子宮以外の部位にも発生する病気です。生理の度にその部位でも出血と増殖を繰り返します。体外に排出されないため血液がその場に溜まり、様々な症状を引き起こします。卵巣に血液が溜まるチョコレート嚢腫や、出血による骨盤内の炎症が原因となり卵管や臓器の癒着受精障害着床障害などいずれも妊娠力の低下をまねくため、罹患している約半数には不妊が見られるようです。閉経後は症状は軽くなりますが、チョコレート嚢腫はガン化するリスクもあるため注意が必要です。

◆子宮内膜症によく見られる特徴は・・・

 ◇生理痛が強い
 ◇吐き気、下痢をともなう
 ◇痛みが年々ひどくなる
 ◇生理期以外も下腹部痛
 ◇腰痛、性交痛、排便痛
 ◇なかなか妊娠しない

★西洋医学では・・・
未婚の方と既婚者でもすぐに妊娠の希望がない場合は、薬物療法で生理を止めたり月経量を減らして内膜症の進行を予防します。内膜症が酷い場合には手術が選択されることもあります。
妊娠の希望がある人は、妊娠によって生理が止まることが内膜症の治療にもなるため、場合によって手術や不妊治療をしながら妊娠を目指します。

★漢方では・・・
漢方では「お血」(血行不良)と捉えて対処します。お血の改善内膜症悪化の予防として、血液の流れを良くする活血薬を使います。妊娠を希望している方には、お血の改善とともに腎(卵巣)を補って元気な卵子が育つように、腹腔内の炎症を鎮め、子宮内膜の血流を良くして着床環境が良くなるように・・・総合的な身体づくりをしていきます。不妊治療との併用はもちろん、漢方だけで妊娠される方もたくさんおられますよ。

ながさきpress 2014年7月号掲載

人生は腎精だ!~腎臓の働きと補腎薬~

2014年07月05日 | 勉強してきました
ブログにアップするのが遅くなってしまいましたが・・・
6月15日、長崎中医薬研究会の定例勉強会に行ってきました。
今回は、中医学講師の仝選甫(とんせんほ)先生による「腎臓の働きと補腎薬の使い分け」

★腎臓ってどんな臓器?

腎臓は、

①老廃物を体から排出する
②塩分と水分をコントロールし、血圧を調整する
③血圧を維持するホルモンを分泌する
④赤血球をつくるホルモンを分泌する
⑤強い骨をつくる


など、とても大切な働きを持っています。
腎機能の低下が高血圧、貧血、骨粗鬆症などの根本原因になるのです。
腎臓といえばオシッコを作る場所と思いがちですが、実は血や骨と深いかかわりがあるんですね。


★人生は腎精だ!

中医学では「腎は精を蔵す」と言います。
精は生命活動の基礎物質ですから、生きるためにどんどん使われていきます。親からもらった「先天の精」だけではいずれ枯渇してしまうため、食べることで「後天の精」を作って補充します。年齢とともに腎が衰え、精が足りなくなってくることを「腎精不足」と言い、一言で言うなら老化の始まりです。足腰がだるい、不眠、不妊、食欲・気力・精力の減退、白髪、抜け毛、、目のかすみ、耳鳴り、歯の弱り・・・といった症状があらわれてきます。更に衰えが進むと乾燥やほてりの強い「腎陰虚」、もっと進むと冷えの強い「腎陽虚」となります。腎精が尽きるときが人生の終焉。まさに、人生は腎精なのです。

★人生の味方、補腎薬

漢方には、腎精を補ったり腎を元気にする薬=補腎薬がたくさんあります。中医学でいう「腎」とは泌尿器系、生殖器系、ホルモン代謝系、カルシウム代謝、自律神経、免疫などを幅広く含みますから、腎を元気にすることで様々な不調が改善していきます。他の薬と併用することで免疫疾患や癌などの難病にも大きな効果があります。大切なのは、体質・症状に合わせて適切に使い分けること。たとえば、

腎精を補う・・・参馬補腎丸、海精宝、イーパオなど
腎と脾を補う・・・参茸補血丸など
腎と肺を補う・・・八仙丸、双料参茸丸、オリジンPなど
腎と肝を補う・・・杞菊地黄丸、瀉火補腎丸など
腎と心を補う・・・天王補心丹など

腎は20~30代をピークに、40代には衰え始めます。早めに補腎することで老化のペースをを緩やかにし、健やかに年齢を重ねていくことができますよ!

きょうだいともに漢方Baby~子宮内膜症を抱えながら~

2014年07月02日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
 初診は8年前で33歳。子宮内膜症とチョコレート嚢腫がありました。仕事柄イライラや憂鬱が強く、生理前には下腹や乳脹痛、腰痛持ちで寒がりに冷え性、排卵期の出血や高温期には足の付け根に痛み・・・と様々な不調がありました。基礎体温表にも内膜症の特徴がいくつも見られました。
ストレスを和らげ血行を改善し、元気な卵子を作るため腎を補う薬を飲んで頂き、数ヵ月で体調は改善しました。

 その後内膜症と筋腫の手術、体外受精に挑戦したものの、5個いずれもが受精せず顕微授精(ICSI)を勧められました。そんな矢先に自然妊娠!無事元気な男児を出産しました。それから2年半後、二人目を希望して再度来店。産後は次の妊娠のためにも気血の消耗を防ぐ婦宝当帰膠を続けるようにお話していましたが、途中で止めていました。
 その心配は現実となり、ひどく疲れやすく、月経量もおりものも少なく、内膜も薄いため「着床は難しい」と病院で言われるほどの気血不足に陥っていました。そこで婦宝当帰膠と腎(卵巣)を補う補腎薬を飲んで頂くとみるみる改善!良くなったのに安心したのか、漢方は4ヶ月で小休止。

 次に来店したのは8か月後。その間ICSIに2度挑戦するも、分割異常で移殖できず、AMHも1まで低下していました。漢方を再開した翌月には何と自然妊娠しましたが、残念ながら稽留流産に。「身体づくりをするには時間が短すぎたのだから」と焦らず漢方を服用し、1年半後再度ICSIに挑戦。グレードのいい卵でしたが妊娠に至りませんでした。そこで転院し、最初のICSIでやっと妊娠!2度目の相談から3年が経ち40才になっていました。

 産後も気血を補う“養生”の重要性と、一度体調を崩すと健康な卵子が出来るまでに時間がかかること。気持ちを切らさず粘り強く身体づくりに取り組む大切さがよくわかった症例でした。

薬剤師 夏苅和子

ながさきpress 2014年7月号