前月号に引き続き、不妊カウンセリング学会のお話。
店頭では「受精卵はいいのに着床しない」という「着床障害」と思われる相談をしばしば伺います。
今回は着床を研究されている、札幌斗南病院の不妊症専門医・東口篤司先生のお話を中心に報告します。
着床とは、受精卵が子宮内膜にくっつき妊娠が成立した状態です。
着床を阻害するものとして、内膜が薄い、粘膜下の子宮筋腫や内膜ポリープ、黄体機能不全、
その他免疫の問題などが挙げられます。筋腫やポリープなどは早めの除去が妊娠への近道です。
内膜が薄い原因としては掻爬手術や排卵誘発剤の長期使用などが挙げられるものの、必ずしも
明らかではない。しかし、薄い内膜に共通してみられるのは子宮の血流が悪く、活性酸素に
侵されダメージを受けているとのこと。
また、黄体機能不全に対しては高温期に黄体補充(注射や服薬)を行うが、「妊娠もあり得るのに
日本では『妊娠中は禁忌』とされる薬を結構使っている。(海外では使われていない) 違いは?」と
いう問題提起もありました。これはショックな報告でしたが、漢方の出番だ!と感じました。
子宮の血流を改善し、活性酸素を減らすには活血剤を使います。黄体機能不全は
もとをたどれば元気な卵子ができていないから。黄体ホルモンを補充しても、卵子が弱いと
妊娠はままなりません。卵巣の血流を良くし、腎を補うことで卵子の老化を抑制し元気にしていきます。
不妊治療をしてもダメだった方の自然妊娠や、「今度は元気な卵が取れました!」といった
嬉しい報告がたくさんあります。ご相談下さい。
日本不妊カウンセリング学会認定
不妊カウンセラー
夏苅竜子