長崎・龍虎堂薬局 子宝・不妊相談blog ~あなたにもかわいい赤ちゃんを…~  

中国漢方による『周期調節法』での子宝相談! 不妊症や治療にお悩みの方へのお役立ち情報と薬局の情報をupしていきます。

龍虎堂薬局のご紹介

長崎県、長与町の漢方薬局です。開局は1978年、今年で36年目になります。 イスクラ産業の「不妊症専門講座(周期調節法)エキスパートコース」を受講。 年に一度、中国での研修や「お茶の間講座」・「スクーリング」などで中医師・中医学講師の先生方に師事し、不妊症や不育症の学習に研鑽を重ねています。 長崎の薬局で唯一、日本不妊カウンセリング学会の認定不妊カウンセラーがおります。不妊症でお悩みの方、結婚予定の方… 一人で、カップルで悩まずにご相談下さいね。 (ご相談はご予約制です。前もってご連絡下さい。) お店のHPへはブックマークからどうぞ。facebookもやってます♪(*^-^*)

第118回 元気な卵ができました!!~1年半の身体づくり~

2014年06月24日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
結婚5年目、42才のRさん。一度自然妊娠の経験があるものの、残念ながら心拍確認後に流産。タイミング治療を経て、2年前から顕微授精(ICIS)を開始。1度目は採卵した3個はいずれも受精せず、途中で治療がキャンセルに。2ヶ月後に再度採卵するも5個中1個しか分割が進まず、結果は陰性。落ち込んでいたところにこの連載を目にしたそうで、漢方に希望の光を求めて来店されました。

卵巣予備能を示すAMH値は1.5以下。子宮内膜症、生理痛や生理時の塊は500円玉大、片側卵管閉塞、精子もICSIを適用しないと難しい状態。しかも、チョコレート嚢腫もあるためか、通常以上に排卵誘発をしても思うように卵巣が反応せず、長期の治療によって基礎体温が全体的に上昇しており、元気な受精卵が出来ない多くの問題を抱えていました。最初の2週間は、ホルモン剤など身体に溜まったドロドロを排泄させるお薬を。その後は体質と生理周期で薬を飲み分ける周期調節法で身体を整え、ご主人様にも精子を元気にする漢方を飲んで頂きました。服薬4ヶ月後、漢方を始めて初めての採卵は2個。受精したものの1つは分割が進まず、まだまだ身体づくりの途上でした。2度目は7ヶ月後。精子の数値が改善してきました。5個採卵し、その内2個をICSI。グレード1の卵が1つ出来ましたが、結果は(-)。徐々に改善は見られるものの、いずれも胚盤胞には至りませんでした。

1日1日身体づくりを積み重ね、服薬1年半が経った3度目の採卵で、ついに胚盤胞が出来るまでに!不妊治療を始めてから2才年は重ねましたが、尻上がりに元気な受精卵が出来るようになりました。この間、共に笑い、悩み、泣き…一緒に頑張ってきました。「いつでも頼れる伴走者でありたい」と思いながらご相談を続けています。


ながさきpress 2014年5月号

日本不妊カウンセリング学会
認定カウンセラー
夏苅竜子





「どうしても治療が必要な時がある」

2014年06月17日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
Mさん、結婚9年目で33才。妊娠経験はないものの、「(一般)精子検査は良好」とのことでした。ストレスが多くてイライラしており、基礎体温表(BBT)はギザギザ。月経血は黒ずみ、大きな塊があります。高プロラクチン血症による排卵障害で排卵誘発剤を2年間服用。そのためにBBTは全体的にとても高く、のぼせと唇や膣の乾燥、不眠など熱がこもった症状を訴えていました。

漢方では、低温期(卵胞期)の体温が高いと、質の良い元気な卵胞が育たないと考えています。そこで、女性の宝・婦宝当帰膠をベースに、身体の熱を取る漢方薬、不眠・イライラ対策に天王補心丹などを服用。症状は次々に改善しましたが、子宮筋腫や内膜症が見つかり手術することに。その後もお薬を続けられ、BBTも体調も文句なしの状態なのに妊娠には至りませんでした。

自然妊娠の希望でしたが「受精障害」を疑い、ご主人を説得して高度不妊治療に踏み切ることをお薦めしました。検査では右卵巣が小さく機能が低下している可能性を指摘されましたが、2年間漢方で腎(卵巣)を補い続けたのが功を奏し、左右の卵巣から22個もの卵を採卵することが出来ました。採卵直後には「たくさん取れました!5個だけ念のために顕微受精(ICSI)に回しました!」と弾んだ声で報告してくれました。
 
しかし、体外受精をした17個の卵は受精せず全滅。ICSIのうち3個がグレード1という結果に、彼女は落胆を隠せません。不妊原因は、やはり精子に受精させる力がない受精障害でした。新鮮胚移植では着床せず。2度目は着床したものの、心拍が確認出来ず流産に。翌月、最後の凍結胚を戻した所、妊娠。心拍も確認出来た!と喜びの報告を頂きました。

漢方薬での身体づくりと不妊治療の併用が成功したうれしい症例でした。このように、不妊治療でしか授かることが出来ないケースが少なからずあります。長期間の不妊は、何らかの原因が潜んでいます。ぜひご相談下さい!



薬剤師 夏苅和子

ながさきpress 2013年7月号


NBCラジオに出演してきました

2014年06月14日 | お知らせ
先日、NBCラジオで放送中の「漢方健康日記」にて
子宮内膜症についてお話ししてきました。

当店が得意とする婦人病や子宝相談の分野のお話です。



ちょっとばかり失敗しましたが、そこはご愛敬で。
いつもお相手下さるNBCの寄川アナはさすがです。
快活でお声も良くって素敵なアナウンサーさんです。

放送の詳細は、こちらのリンクからご覧頂けます。

「漢方健康日記」は、第2・4木曜日の朝9時半前後から
「寄川淑仔のモーニングサプリ」内で放送中です!
ぜひ、お聴き下さい♪




不妊カウンセラー養成講座に行ってきました

2014年06月10日 | 勉強してきました


5月31日と6月1日に東京で開催された「第34回不妊カウンセラー養成講座」にスタッフ2名で出席してきました。
不妊治療に従事する医師・看護師や薬剤師などが全国各地から集まります。
不妊カウンセラーの認定を受けても、知識向上と資格更新のために出席が義務づけられています。日々研鑽!なのです。

おなじみの先生の講義のほか、今回はなんといっても私たちが師事している中医学講師の陳志清先生が「漢方、中医学の基礎」と題して2度目の講演をされたことが大変印象深く残りました。

お昼休みの間、フロアでは陳先生へ質問やお礼(会場に漢方で妊娠された方が2名いらっしゃったそうで「どうしても先生にお礼を言いたい」と)など話したい人で列が途絶えることがありませんでした。


漢方への「期待」や「興味」がこの列に集約されているのではないか?と嬉しくなりました。(*^-^*)

勉強してきた内容は

◇グラフィックを利用したインフォームドコンセントの実際:
 ~不妊カップルの適切な意志決定のためにその2 荒木 重雄 先生(IMT Collage 理事長)
◇栄養や食事に関心を持ってもらうには 池田 義雄 先生(タニタ体重科学研究所所長)
◇セックスレス、性機能不全へのとりくみ方 阿部 輝夫 先生(あべメンタルクリニック院長)
◇高齢不妊カップルに対する一般不妊治療 中島 章 先生(ALBA OKINAWA CLINIC医師)
◇ART時代だからこそ一般不妊治療の再評価 辰巳 賢一 先生(梅ヶ丘産婦人科院長)

◇漢方、中医学の基礎 陳 志清 先生(イスクラ産業 中医学講師)
◇体外培養に求められる条件はなにか 渡邊 英明 先生 (神奈川レディースクリニック 培養室部長)
◇カウンセリングを一から学ぶ(3)~不妊の悩みと心のケア~ 赤城惠子先生(心理カウンセラー)
◇NIPT-将来の出生前検査はどうなっていくのか 山中美智子先生(聖路加国際病院女性総合診療部医長、遺伝診療部部長)

ARTに積極的に取り組んでいる医師から一般不妊治療の大事さのお話があったり、胚培養の大変さや受精卵に対する考え方、出生前検査のことなど、今回も収穫が多い内容でした。

第117回 典型的な2人目不妊 ~Yさんの妊娠~

2014年06月10日 | こうのとりがやってきた~店頭の症例から~
結婚6年目の32才、かなりやせ型のYさん。
結婚半年で1人目を授かり出産。授乳を終えた翌年に初期流産した後、2年半妊娠しなかったため婦人科を受診。タイミング法を半年の後、転院先で測った卵巣予備能の数値(AMH)は40代の数値でした。計7回の人工授精も妊娠に至らず、体外受精へのステップアップは気持ちが進まず…。「こちらで妊娠した友達がいたので」と来店されました。

早速体調を伺うと、胃腸が弱く、起床時からすでに疲れている。頭痛肩こり冷え憂うつ生理前の不調の数々…。治療の影響から排卵期のおりものは少なく、月日を追う毎に基礎体温が上昇しており、低温期は36.7℃前後、高温期は妊娠していないのに37℃を超える日もありました。【気・血・水】全てが不足し、熱もこもって漢方の面から見ても妊娠力が大きく低下した状態でした。

まずは2週間、胃腸と疲れ、血行不良改善のお薬を出したところ、「朝から元気で、空腹感が出てきた!」とのこと。食欲が出てきたので、体温を下げて質の良い卵子を育てるお薬をプラスし、体調や生理の様子に合わせて漢方薬を飲んで頂きました。

 年も迫った昨年末、「生理が遅れているので、検査したら…」と服薬4周期目で自然妊娠の報告が。嬉しさ半面、流産の経験もあり、不安そうな表情でしたので、年末年始は赤ちゃんを守る安胎薬を飲んでゆっくり過ごすように伝えました。年が明け、病院で無事胎嚢・心拍も確認でき、経過も順調です。

“第2子不妊”の原因の大きなものに、1人目の出産長すぎる授乳によっての消耗があります。消耗したままでは、次の子を宿す力がないのも無理ありません。授乳は1才までで十分です。出産経験がある分、妊娠しやすくもあります。悩まずにご相談下さいね!

ながさきpress 2014年4月号

日本不妊カウンセリング学会
認定カウンセラー
夏苅竜子