4月7~8日に中医不妊症講座・エキスパートコースのグループミーティングに参加してきました。日本各地から18名の参加があり、症例検討、情報・意見が交わされました。
初日は、河野康文先生による「男性不妊」の講義からスタート。不妊症カップルの1/3には男性側に問題があるといわれています。精子検査を受けていない人も多く、潜在的にはもっと多いと考えられています。
精子の成長には3ヶ月かかり、その間の体調にも左右されるため、精液の状態は4~6倍の差が出ることもあるそうです。精液中に含まれる精子は1~5%ほどしかなく、残り95%は精漿といわれる液体。精漿は精子への栄養供給や運動能、卵子との結合能など、受精に関する大きな働きを担っています。
精子と精漿は、言わばオタマジャクシと池の関係。池の水質が悪いと、オタマジャクシも元気に育ちません。精子を支える精漿にもっと注目する重要性を感じました。
「精子検査で動く精子が一匹だけだった方が、漢方薬と食養生+運動で最終的に自然妊娠した。」という経験談を話して下さいました。漢方では乏精子症や、運動率が悪い精子無力症、精子奇形症などに対しても、体質を見ながら改善することが可能です。
2日目は、高齢+子宮腺筋症や早発卵巣不全(POF)の妊娠症例の報告と、子宮内膜が薄い方の症例検討会。
「内膜は7.5mm以上あれば大きな問題はない。4mmや1mmで妊娠した人も居る。元気な受精卵と、骨盤内の血流が重要!」
との意見や、
「帝王切開で出産した人は、卵管が詰まり気味の人が多い」
「慢性的な炎症疾患があると精子にも影響がある」
「どの採卵法でもダメだった方が、ピルを使った高温期採卵で良好胚が得られている」
など、豊富な臨床経験を持った先生方から貴重なお話しが次々と。刺激的な2日間の勉強会でした。
(写真は添付のものをお願いします。)
ながさきpress 2013年5月号掲載
日本不妊カウンセリング学会
認定カウンセラー
夏苅竜子