「AMH」をご存じですか? 血液検査で自分の卵巣年齢が分かるというもので、
テレビで特集され話題となっています。AMHは発育途中の卵胞から分泌され、
数値が低いと、「卵子の在庫が少なく卵巣年齢も進んでいる」ことになります。
女性は男性と違って一生分の卵子を持って生まれてきます。思春期に初潮を迎え、
加齢と共に卵子の老化と減少が進んで、50才前後で閉経を迎えます。
体外受精で卵子が育たず、「手の打ちようがない…」と医師に言われ失意の中で
漢方に希望を見出して来店された30代半ばのIさん。お話を伺うと、FSHが凄く高く、
卵胞ホルモンも基準値最低限の半分以下。ホルモン数値だけみると閉経のような、
かなり深刻な状態でした。
それでも定期的に生理があったので、「まだ諦めるのは早いです。しばらく漢方で
卵巣を元気にし、転院して不妊治療と併用しては?」と提案し、漢方を飲むことに。
生理痛や月経血の塊、むくみ、冷えなどを訴え、気血水の巡りも悪かったため、
腎を補って卵巣を元気にする補腎薬と血行をよくする活血薬を中心に飲んで頂きました。
その後、転院して不妊治療を再開。AMHは1以下(推定卵巣年齢40代後半)と卵巣が弱って
いるため、治療が思うようにいかず採卵が何度もキャンセルになりました。
しかし、漢方で腎(卵巣)を補うことで少しずつ卵胞が育つようになり、FSHやE2などのホルモン
数値は大きく改善していきました。漢方を飲み始めて1年半後、初めての採卵→顕微授精で妊娠!!
大変厳しい状態ではありましたが不妊治療と漢方の力、そして何よりご本人の
「赤ちゃんを授かりたい!」という気持ちと根気が奇跡の妊娠を呼んだのだと思っています。
不妊カウンセラー 夏苅竜子