6月5~7日まで、東京で第24回不妊カウンセラー養成講座と学術集会に出席してきました。
この養成講座は朝9時~夜の8時までみっちりとあるのですが、不妊専門の医師から現場の話を聞ける貴重な機会が持てるので、とても勉強になります。
今回は、「高齢妊娠とその経過」や「ダウン症・染色体異常」のお話のほか、おなじみの佐藤孝道先生の「子宮筋腫」や、水戸赤十字病院・板垣先生の「卵管鏡下卵管形成術」など最先端の治療を写真や映像を交えながらご講義頂き、とても興味いお話しでした。
子宮筋腫は成人女性の4人に1人、40才を過ぎると7割にあり、多くの人は無症状ですが、
場所や大きさなどによって不妊原因になるとされています。特に問題とされるのが「粘膜下筋腫」(子宮内膜側の筋腫)。「過多月経や子宮内腔の変形を伴うことも多いため、この場合は不妊治療の前に手術をすること勧める。しかし、再発率が20%もあるので、予防的な切除は不必要。妊娠希望の半年ほど前の手術でよい。」
板垣先生からは、「
子宮内膜症の炎症変化は、子宮内膜だけでなく
卵管内にも及んでいる。炎症による
サイトカインが受精を阻害している」「検査で
卵管閉塞、詰まり気味と言われている人でも、通水や通気などの痛みや緊張から一時的な閉塞を起こしているだけで、
本当は詰まっていない場合も多い。」(クラミジアや内膜症など無い人)など具体的なお話も伺えました。
また、前日の学術集会では、「どんどん増えているART(体外受精などの高度生殖医療)をもう一度見直し、
出来るだけ自然に近い方法での妊娠を目指そう!」と医師や看護師からも「原点回帰」のお話し出たことが意外でとても印象に残りました。
ながさきプレス2009年8月号 掲載