長崎・龍虎堂薬局 子宝・不妊相談blog ~あなたにもかわいい赤ちゃんを…~  

中国漢方による『周期調節法』での子宝相談! 不妊症や治療にお悩みの方へのお役立ち情報と薬局の情報をupしていきます。

感染症の時代再び~12月の勉強会より

2014年12月18日 | 勉強してきました
2014年12月7日、中医学講師・菅沼栄先生をお招きして12月の長崎中医薬研究会定例勉強会が行われました。スタッフ4人で受講してきました。
「温病(うんびょう)」についての講義です。
菅沼 栄先生

「温病」とは熱病のこと。なかでも細菌・ウイルスによる伝染性感染症は「温疫」といいます。
近年は新しい感染症が次々発生し、一度は撲滅したと思われていた結核なども復活してきています。近代まで、人類は様々な感染症に襲われてきました。古代から恐れられてきた天然痘…中世に猛威を奮ったペスト…チフス…インフルエンザ…マラリア…。いずれもある地域での発生から瞬く間に流行し、多くの命を奪いました。ワクチンと抗生物質の発明によって感染症は克服されたと思われてきましたが、20世紀末から新型の感染症が急増。更に耐性を持つ細菌やウイルスが生まれ、治療薬の開発が追い付かない状態です。

西洋医学は原因となる微生物を特定することから治療が始まりますが、中医学はあらわれている症状から病気の「質」をまず判断し、炎症の起きている「部位」を特定することで「証」を決め、治療法を選択します。「証」は4つあり、

「衛分証」…上気道の炎症
「気分証」…肺・胃腸・肝胆の炎症
「営分証」…神経系の病変と血液の損耗
「血分証」…出血、意識障害

いずれも熱の症状なので、薬は冷ます性質のものが中心になります。「証」ごとに病症は細かく分類され、それぞれに適切な薬をピンポイントに用いるため、重篤な症状にもきわめて有効です。
中医学の面白いところは、重病だからといって特別な薬を使うわけではないということ。たとえば家庭の常備薬としておすすめしている「天津感冒片」「板藍根」、アトピーの方ならお馴染みの「清営顆粒」、お血が強く便秘の方によく用いる「桃核承気湯」など、日頃から身近な薬が死に至る病を癒します。

新たな感染症の時代に私たちが身を守るには、西洋医学一辺倒ではなくより柔軟な思考と対処が必要といえるでしょう。

スタッフ:春田 有紀子





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