内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

古典文学前期末課題

2019-01-10 23:59:59 | 講義の余白から

 学部最終学年の必修科目の一つである「古典文学」の期末の課題は、簡単に要約すると、以下のような課題であった。
 「文学とはなにか」というテーマをめぐる芭蕉と西鶴とを招いた討論会を歴史的条件を尊重しつつ想像してみよ。ここまでは、昨年とほぼ同じなのだが、今回は、新たな条件として、もう一人の討論者を導入することを付加した。その一人はいつの時代のどの国の誰であってもよい。江戸時代の別の文学者でもいいし、現代日本の作家あるいは文学評論家でもいいし、西洋の作家・詩人・哲学者であっても構わない。この三者による討論会の報告書あるいはライブ記録をその会の主催者・司会者として書け。恐ろしく難しい課題である。
 課題は十二月初旬に与えてあった。今日がその提出期限。今日の筆記試験では、このような課題についての意見を自由に書かせた。何を学んだか、どんな困難があったか、そして、難点があれば遠慮せずに批判せよ、むしろそれは望ましい、と特に強調し、君たちの意見は後期の講義に反映させると約束した。
 まだ答案を全部読み終わっていないので、総評は後日にするが、提出されたレポートをざっと見ただけでも、学生たちが課題に真剣に取り組んでくれたことがわかる。読むのが楽しみである。