内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

先祖の墓参り

2018-12-28 22:21:08 | 雑感

 一昨日の記事で翌日にその続きをと予告しておきながら、芭蕉の『野ざらし紀行』の富士川のくだりの別解の話に進めない。ちょこちょこっと参考文献を覗いて仕立て上げるだけの他愛もない記事にはちがいないけれど、書いている本人にはそれなりに下調べの時間が必要で、その時間が今日は取れなかった。それに、『更級日記』に記された富士河の伝説にもちょっと触れておきたくなったから、『甲子吟行』に立ち戻るのはその後になる。
 今日、午前中、隣家の親族に帰国の挨拶に行く。昼前まで歓談。午後は、父方の祖父母までの四代が眠る港区高輪東禅寺へ一人で墓参り。墓周りの敷地の落ち葉の掃き掃除と墓石の水洗いを済ませてから、花と線香を供え、先祖にこの一年半のあれこれについて報告する。
 子供の頃はわけもわからず親に連れて来られ、青年期はこんなことに何の意味があるとふてくされ、渡仏後は帰国のたびに現状報告のために参り、今は祖父に関わる奇しき縁と今もなお自分が生き長らえる幸いをしみじみと感じつつ、感謝と謝罪の綯い交ぜになった気持ちのままに墓前でしばし頭を垂れる。
 帰路、折からの寒風が頬を刺す。