52ヘルツのクジラ
とは
一般的な鯨とは異なる
高い周波数で鳴く
世界で一頭だけの鯨
なのだ
とか
たくさん鯨が存在する中
何方にも
届くコトのナイ
呼び声
其れを
鯨のセカイで
最も孤独だと
憐む声も聴くけれど
研ぎ澄まされたセカイ
だから
惑わされずにすむのかもしれない
貫き通せるのかもしれない
溢れる光
を
零れる雫
を
誰しも
夢見がちだけれど
不意に落とす影
に
こそ
ふとした静寂の中
に
こそ
放たれる希望
の
求める声
の
輪郭を
見い出せるのだ
孤独
を
影
を
静寂
を
恐れるコトなかれ
咎めるコトなかれ
そして
憐むコトなかれ
むしろ
尊ぶべき
の
其のカラダを持て余すほど
広い海原があるから
其の繊細な唄声に心地好さを
見い出すモノも居るから
孤独は淋しいなんて
決めつけず
自身のルーツを紐解く
其れはきっと
豊かなひととき
なのだから
鯨が求めるモノが
必ずしも
鯨だとも
言い切れぬ
鯨が求めるモノは
ただ自身を
そのまま体現できる
静かな環境
なのかも
しれぬ
穏やかな
月の夜
なのかも
しれぬ