南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

民主党勝利の米国と世界の行方

2006-11-08 22:33:53 | 政治

米国の中間選挙結果、下院は民主党が完全制覇(232vs203)した。
上院も接戦(49vs49)でまだ最終結果はわからないが、知事選挙も改選36州のうち20州を民主党候補が勝利して(28vs22)いるから米国の政治は共和党から民主党に転換したといってもいいだろう。

日本と異なる点が多いから、まずは米国の政界事情を知ろう。
大統領制と連邦制を敷いており、現在の大統領はご存知のジョージ・ブッシュ。
2期目の大統領であり3期目は憲法で禁止されているから、2年後には任期を終了する共和党の大統領である。
議会は2院制で上院100議席(2年毎に1/3ずつ改選)と下院435議席(2年毎に全員改選)。
昨日までは上院下院とも共和党が多数であった。
(上院 共和党:55 民主党:44 & 下院 共和党229 民主党201)

逆転した結果何が起こるであろうか?世界中で今日の選挙結果を注目していた。
共和党は選挙対策でかなり無謀な財政政策をとっていたから、米国の経済にも多くの影響を与えるであろう。
イラクを筆頭に中東政策も変化せざるを得ないだろう。
米政界への絶大な影響力を持つイスラエルはどう動くのであろうか。
世界は、アメリカ中心の体制からより多極化した体制にシフトすることは間違いないと思われる。

行くも地獄、行かぬも地獄。
どちらにしても世界潮流の大変革期、いよいよ本格的に突入する。
大切なことは私たち自身がどんな時代になっても「何のために生きているのか」「何のために働いているのか」をしかと認識することだと思う。


心のビタミン剤

2006-11-07 20:01:22 | Weblog

年休をもらい、妻の両親を連れて1泊旅行。
以前から一度は行きたいとご希望の山梨県の温泉旅館。
ほんとうは私の両親も連れて行く予定だったが、伯父貴の具合が悪いので2家族となる。

紅葉には少し早かったが、それでも喜んでくれた。
ゆっくりと風呂に入り、ゆっくりと食事を楽しみ、たっぷりとワインを飲ませていただいた。
朝の露天風呂が最高だった。
霧雨の中、雲の流れが速く、時折晴れ間が射す。
紅葉の山肌を、雲の流れに合わせて陽が照らし出す。
天からは何枚もの枯葉が鳥のように舞い落ちる。
親孝行のつもりだったが、一番喜んだのは私自身。

心が元気になりました。
ありがとう、感謝します。


ムハマド・ユヌス自伝

2006-11-05 22:58:59 | 読書

ノーベル平和賞受賞者の「ムハマド・ユヌス」自伝を読む。
貧困層の女性達に少額の無担保融資を実行する「マイクロクレジット」と、そこに込められた彼のヴィジョンが描かれている。
アメリカ女性と結婚し、コロラド大学で教壇に立っていた彼の生活は祖国バングラデシュの独立戦争で大きく変わることになる。
独立戦争には勝利するが、バングラデシュは戦争によって大きな犠牲がもたらされた。
彼は帰国して故国再建のために働くことを決意する。
しかしバングラデシュの現実は、人々が目の前の歩道や玄関で続々と飢え死にしていくという凄まじいものであった。
その現実を見ながら“何をしても無駄だ”という気持ちと彼は闘っていく。

彼のヴィジョンを感ずる言葉のいくつか紹介したい。
『施しを受けた人間は、自らの生活を良くしようとする意欲とか、病気を治そうとする意欲を失ってしまう。』
『輝かしい理論を持つ経済学者は、貧困と飢餓の問題について討論しているうちに、そのものを見失ってしまう。』
『スタッフに求めるものの内、最も大切なものは目的と意欲を持つことだ。』

行動に裏打ちされた彼の言葉には重みがある。

ユヌスに刺激されて1ヶ月ぶりの杖道練習に行く。
やはり行動に優るもの無し。


居酒屋の楽しみ

2006-11-04 23:25:12 | グルメ

3ヶ月ほど前から行ってみたかった藤枝の居酒屋「おかむら」。
K氏に案内してもらいようやく行ってきた。
なるほどいい感じのお店だった。

座敷を予約してくれていたがカウンターに変更してもらう。
それが幸いしてか、カウンターで飲んでいた「おかむらのぼる」氏と遭遇。
76歳の「おかむら」店長だ。
いろいろ話を聞くが、成功の母はカウンターの中でがんばっている「しいぼー」らしい。
「おかむらのぼる」氏の愛妻73歳だ。
暖かな料理とリーズナブルな値段に満足して帰る。

それにしても回りの客はカップルだらけで男同士が恥ずかしかった。
次回はできれば男性以外の人間と行きたいものである。


ユニオン活動家の心構え

2006-11-03 23:28:08 | ユニオン

今日もいろいろな事があった。
静岡事務所での相談事、御殿場での会合、帰りの寄り道(?)。

午前中は、合同ユニオンとの団体交渉に悩む会社からの相談事。
仲間内のユニオンではあるが他人事とは思えない相談事であった。
私自身も過去に解雇問題で相談を受けて、正義感だけで相手の会社へ乗り込んだ苦い経験がある。
依頼人は自分にとって都合のよいことしか話さない。
丸ごと信じて乗り込んだはいいが会社側の話を聞くと、懲戒解雇ものの事件を起こしていたことが判明する。
この時はほんとうに恥ずかしかった。
しかし、こちら側が「聞く耳」を持って臨んだことと、相談者本人を同行させていたのが幸いした。

今日の相談ごとも似たような事件である。
ユニオンの話を聞いてはいないからジャッジできる立場には無いが、かなりユニオン側が高飛車に出ている感じであった。
そんなに大声出さなくてもいいだろうし、5時間もの団交は長すぎると思えるし、なによりも組合員本人を同行させていないのはおかしいと思った。

同じユニオン活動家としての教訓。
①構えた団交は避ける。
②組合員本人を同行させる。
③組合員の話はもちろんのことだが、会社の言い分もよく聞く。
④何を要求しているのかを明確にする。
⑤交渉人は落としどころを考える。
要は常識的であれということかな。


過払い金請求運動

2006-11-02 23:05:14 | 経済

金魚を飲んで今日のブログを書く。
金魚付き合いのK氏からの情報による話だ。
K氏はひたすら勤労者福祉事業にうるさい人である。

「過払い金」とは借金をした人が業者に返しすぎたお金のことである。
このお金が馬鹿にならない。
金融庁発表によれば消費者金融の無担保融資総額は15兆5千億円(05年度決算)。
そのうちいわゆる「グレーゾーン金利」で貸し付けていた金額は11兆4千億円。
件数、金額とも7割を超えていることがわかった。

利息制限法による上限金利を超える利息は「過払い金」として請求できる
今夜のポイントはここにある。

法で許された10万円未満の融資金利は年20%、10万以上100万未満は18%、100万以上は15%、これ以上の利息を払っていれば、その分が返ってくる訳である。
新聞報道などでこの「グレーゾーン金利」と「過払い金」を知った債務者が一斉に請求をはじめた。
だから弁護士や司法書士は大忙しだという。

「過払い金」が発生しているかどうかは業者から取引履歴を取り寄せて、利息制限法で引き直し計算をすればその金額がわかる。
しかし実務は、専門家に任せたほうがいいだろう。
サラ金と3年以上お付き合いしていれば専門家に頼んでも元がとれるという。

業者は多額の「過払い金請求」を見込んで引当金を計上している。
合法的に返金請求できるから、しない手はない。
相手は返還金を準備して待っている。
恥ずかしいことは何もない、誰しもが1回は過ちを犯すのだから・・・。

勇気を持って相談しよう。


「器物破壊化」殺人事件

2006-11-01 22:46:27 | 読書

新幹線の車中で1冊の本を読み終えた。
心が暗くなる1冊であった。
元検事で弁護士の田代則春氏の「人は何故、人を殺すのか」。

神戸で“酒鬼薔薇聖斗”と名乗って14歳の少年が犯した残酷な殺人事件をはじめとした7つの不可解な殺人事件を事例としている。
限りなく無機物化したこれらの事件を、筆者は『器物破壊化殺人事件』と名づけた。
人が自分と同じ「人」を殺すということは、人間としての「太くて深い」一線を越えることである。
それがせめてもの「人間らしさ」であり、その瞬間(殺人)、「ちゅうちょ」や「ためらい」を感ずるはずである。
しかし、7つの事件ではその一片さえも感ずることが出来ないというのだ。
「人」を人間として殺害するのではなく、「器物」として破壊する意識・感覚・気持での犯行であると分析する。
著者は『器物破壊化殺人事件』をとおして犯人の「心の中」を覗いていく。
そこにあるのは「孤独」であり「心の砂漠」であった。

日本人の心の中に何らかの変化が起きている。
家庭、学校、地域社会、広域社会や国の全てについての「温かさ」「思いやり」「相互信頼関係」の欠如が、その根本にあるのではないだろうか。

帰りの車中では名古屋で美味しくいただいたお酒が胃袋の中で悲鳴をあげていた。
明日は楽しい本を読もう。