磁気物理学研究室の研究活動記

鹿児島大学理学部物理科学科磁性研究と教育活動、周辺での出来事を中心に紹介しています。

冷却テスト開始

2011年01月17日 19時33分54秒 | 研究
 今日は卒論生たちと午後から、7T超伝導マグネットの冷却テストを行いました。
今朝地元のガス屋さんから液体窒素約70リットルが届きました。(料金みてびっくり。)
今回の目的は、液体窒素を使った予冷のテストです。予冷にかかる時間、必要な液体窒素量、液体窒素温度での超伝導マグネットの電気抵抗値、窒素液面の確認、一晩おいたときの、マグネット抵抗値の変化有無、クライオスタット異常(断熱層破壊など)の有無、学生に手順と注意事項の指導などです。

 液体窒素を大量に使います。それが蒸発し体積で約600倍にもなるので、酸欠による事故の危険があります。
そのため、実験室は換気扇をまわしています。また、酸素濃度計も携帯して行います。窒素ガスに近づけ、酸素濃度計が正しく動作するか確かめました。

1)クライオスタットとインナーデュアー(ID)は先週からターボ分子ポンプで真空引きしています。
2)窒素槽とメインバス(超伝導コイルが入っているところ)とID(試料が入るところ)にパージして
窒素ガスを充填。真空断熱が悪かったときにトラブルを防ぐために行いました。
3)窒素槽に液体窒素(-196℃)を少量入れて、逆止弁等を付けます。
4)メインバスに液体窒素注入開始。超伝導コイルの抵抗低下。モニター用のプログラムは4年生が作りました。


5)メインバスの回収ラインには逆止弁が付けています。
6)適時、回収ラインから窒素ガスで加圧して、ヘリウム注入口から液体窒素が吹き出すか確かめます。ヘリウム注入口にはステンレスパイプを入れていて、高さを調整し液面を調べました。

 約70リットルの液体窒素全て使いました。テストは成功。液体窒素に浸ったときの超伝導コイルの抵抗値も分かりました。また、クライオスタットの異常も見られませんでした。
 明日は、朝から、マグネット抵抗の確認と液体窒素の追い出し等の手順確認をします。
 来月には、鹿児島大のヘリウム液化機を使ってつくった液体ヘリウムをマグネットに注入します。それまでに、測定装置を作ります。(学生の皆さんがんばってください)



今日の研究

2011年01月13日 17時54分52秒 | 研究
今日は朝から仙台出張旅程変更作業。ほぼ午前中がつぶれた。
すでに支払っていた出張パックをキャンセル。キャンセル料10,200円也。うううう。
そんで、改めて往復の航空券を購入した。
そんで、金研の宿舎で3連泊できないことが判り、
3連泊できるホテル探し。やっと、金研に近くネットが使えて私でも泊まれるホテルをさがして、2泊予約した金研宿舎をキャンセル。
地方大、全て自分でやります。お金を気にしなければ半分の時間で終わるはずなのに、貧乏性が抜けない。

午後、学生の一人(卒論生)がインフルエンザのため休み。
もう一人の学生(卒論生)、アジレントのナノボルトメータを使った電気抵抗測定システム作り。苦しんでいます。(上の写真)
試料作成室に行くと、別の学生(卒論生)がアーク炉をつかって試料作り。

こんなのができました。


教授は部屋にいた学生とともに、7テスラ超伝導マグネット(地磁気の14万倍の磁場を発生できる)の冷却テストの準備をしました。


液体窒素(マイナス196℃液体)の導入バイプ調整。加圧調整して漏れが無いことを確認。
ターボ分子ポンプを使って、インナーデュアー(試料容器)の真空引き。圧力計の表示が悪い。(測定子が壊れたか?)
ロータリーポンプを使って、マグネットデュアーの真空粗挽きを始める。
来週は、液体窒素をつかってマグネットの冷却テストと使用窒素量や冷却時間の確認をする予定です。
マグネットの電気抵抗を測定しながら、冷却し、窒素温度になったときにどの程度の抵抗になるか、
どれぐらい時間がかかるかを確認します。

土曜日

2011年01月08日 16時53分40秒 | 日記
今日は土曜日、朝9時45分からAO入試合格学生へのインテンシブ理科教育プログラム高大接続の授業にオブザーバー参加した。
午前中の物理は、熱力学の話。皆、高校物理IIまで受けているようで、非常勤講師の先生の質問に答えていた。
午後は数学の予定。
このプログラムはほぼ毎週で3月初めまで続きます。
テキストは、高校物理と大学教養物理の間程度で、毎週のレポートもボリュームがある。
テキストのコラム(発展は大学専門並み)でびっくり。
午後、研究室に戻り卒論生に見せたら、彼らもびっくりしていた。
ただし、講師の先生が重要なエッセンスを分かりやすく教えていた。

インテンシブ理科教育プログラム高大接続の授業を受講している皆さん、このプログラムがんばって受講してください。
物理学科は数学と物理を受講していますが、テキストの化学もよくできていますので、
固体物理や物質材料学を目指すには、化学も復習するといいです。