朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

牙を捨てた第四権力

2009年10月29日 05時17分17秒 | 社会
「イラクの中心で、バカとさけぶ」(橋田信介)読了。
※画像をクリックすると、楽天のページに飛びます


イラクで亡くなった戦場カメラマンが、
ブッシュのイラク侵攻時にバグダッドで取材した記録。
抑えてはいるのだが、
それでも随所に官僚的ジャーナリストへの批判が仄見えて面白い。

本当に取材しようとすると、いろいろとムチャをする必要があるのだと思った。
与えられた枠組の中で取材する限り、
その枠組を作った側の視野を超えるものは出ないのかも知れない。
そして、それだけで真実が全て挙がる訳もない。
実際、バグダッドでの取材がなければ
あの戦争は被害者の血や死体の臭いがなく、
加害者が不当に正当化されるものになっただろう。

大マスコミは組織化されてしまい、
構成員がジャーナリストとして好奇心を発揮する余地は
奪われているのだと思う。
記者クラブも被取材側だけでなく、
取材する側にとっても特ダネ・特オチを防ぐリスク回避策として
有益なものになっているらしい。
そして、ぬくぬくと守られた中で与えられた情報を元に記事を書く。
失敗せず過ごすことで出世して給料を上げていく。

そのような組織の中にいれば、
記事の内容も踏み込みの甘い、
被取材者にとって痛くも痒くもないものになるのは当然。
下手に相手の機嫌を損ねると、次に取材できなくなり、
出世に差し支えるのだから。
報道機関やジャーナリストとして「真実」を求めずに、
組織の存続や自分の出世を目的とする利権集団が文章を製造している。
読者が減るのもむべなるかな。
さらには、己らが報道しないだけでなく、
他のジャーナリストの邪魔をするのであれば、
無益なだけでなく有害な存在になっているのではないか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月28日(水)のつぶやき | トップ | ラクゴリラ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

社会」カテゴリの最新記事