朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第218回天満講談席

2012年06月07日 05時33分06秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は天満講談席へ。
ワッハの「上方講談を聞く会」は年に数回行っているのだが、
それに比べると何故か天満はあまり行っておらず、ちょうど2年ぶり。


「秀吉の初陣」(南斗)

軽くマクラを振っていた。

相変わらず、目が泳ぐのが気になる。
あと、声も少しくぐもった感じで通らない。
タラタラした感じで眠くなってしまった。

秀吉の初陣って何となく信長の家臣になってからだと思っていたのだが、
実際には今川方に仕えていた頃で、対北条戦なんだな。


「有馬猫騒動」(南湖)

鍋島の猫騒動とはまた違う話。
このあたり、ちとごっちゃにしていた。

久留米藩の話だが、事件そのものは江戸で起こっている。
貧乏人の娘が御殿奉公に上がり、殿様の目に留まって側室になる。
その出世が古い御殿女中に嫉妬され、苛められる。
結果自害し、そこに付いていた女中と、飼っていた猫が仕返しをする、という話。

苛め方が足りない印象で、
「それくらいで自害せんでも」と感じた。
比較的あっさりした南湖の口調もあって、
一つ一つの苛め方が軽いこと、
また、常に繰り返し苛められていた印象が弱かったことが原因では、と思う。


「甚五郎の蟹」(南左衛門)

マクラで、忘れた時の対処として張り扇を叩いたり、
客席をねめ回したりする様子を紹介する。
「くっしゃみ講釈」で講釈師が張り扇をやたら叩く意味付けが変わってきそうだが、
あれは落語から見た講釈の印象なので、まあ、いいだろう。

長浜の餅屋での甚五郎の話。
金に拘る餅屋が、甚五郎に払ってもらえずさらに損をする件りが
南左衛門の濃い描写もあって楽しい。
個人的には、ここは甚五郎が前に出てきたときの繰り返しで、
「金があったら払う」みたいな科白で誤魔化した方が良いかも、と感じた。

叩くと動く蟹、は水仙の花などに比べて面白い設定だと思うのだが、
いまいちそれが生きていないように思う。
蟹が長浜の名物なのだろうか。
また、別に餅屋にする必然性もないと感じる。
言っても仕方ないことではあるが。


「悪中の善」(左南陵)

南左衛門、南湖らと異なる、古いタイプの如何にも「講釈師らしい」雰囲気がある。
息を詰め、そこから語り込んでくる。
南鱗、南北にその傾向があるかな。

話は鼠小僧次郎吉の話で、
鼠小僧が商家の旦那に姿を変え、
出先の船宿で蜆売りの子どもに出会う。
昔、自分が良かれと思って恵んでやった金が刻印付きで、
それを使おうとした若旦那が牢に入る、その許婚も病んでしまう、
そのためにその許婚の弟が、蜆売りとして苦労している、という身の上話。

「良かれと思ってしたことが、仇になっている」話で、
良くまとまっていると思う。
ただ「まず、身代わりに出頭させる」最後のくだりは、
現代ではちと引いてしまう。
それならばまだ、罪のない者に引き続き苦労をかけるにしても、
何年後かに自分で出頭する、という話だけで良いのでは、と思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6月6日(水)のつぶやき | トップ | 「反貧困」書感 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

落語・講談・お笑い」カテゴリの最新記事