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「経営者保護」のための時効設定

2019年12月29日 11時45分22秒 | お仕事
未払い残業代、請求時効は当面3年に延長へ 経営に配慮:朝日新聞デジタル

「1896年制定の現行の民法は未払い賃金の請求期間が1年と短く、働き手の保護が不十分だとして、
 民法に優先するルールとして1947年制定の労基法では2年と定めた。
 今回、改正民法が未払い賃金の請求期間を5年にしたことで労基法の規定の方が短くなるため、
 5年への延長を検討していた。」

「労働側が5年を求めたのに対し、経営側は2年の維持を主張した。
 保存する記録が増えることなどを理由に挙げるが、
 未払い賃金は1人でも発覚すれば全社員に支払うことにもつながる。
 5年分となると金額が一気に膨らむとの懸念も背景にある。」

経営側の主張は、個人的にはムチャクチャとしか思えん。

まず、「保存する記録が増える」と言う話、
確かに「出勤簿」「賃金台帳」等の保管義務は、現状は「3年」であり、
これが「5年」になると「増える」というのかも知れないが、
元々税務関係の資料(7年間の保管義務)と比べて決して量が多いものではないし、
また、現在は紙ベースでなく電子データで保存している事業所も多いだろう。
現実、「保存する記録が増える」と主張できるほどの話なのか?

結局は、「未払い賃金が発覚した際に、支払う金額が2年分から5年分に増える」というのが一番の理由だと思うのだが、
そもそもの大前提から言えば、
未払い賃金が存在すること自体、労働基準法の「全額払いの原則」に反する法律違反。
法律違反は存在する前提で、「払わずに済ませたいから」と
本来の時効である「5年」から「経営者保護」のために「2年」や「3年」に短縮してもらう、という訳だ。

大企業自ら、労務管理の失敗・経営の失敗を国に助けてもらおうとしている。
恥ずかしい、とは思わないのかねえ?
「(例えば)2年後に「5年」にしてそれまでに労務管理をきちんとするから、それまで猶予して欲しい」
くらいならまだ分かるが。
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