朝寝-昼酒-夜遊

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※毎週土曜更新を目標にしています。

林家亭9月席~花ちゃんの会~

2010年09月26日 12時03分40秒 | 落語・講談・お笑い
昨日はワッハのレッスンルームへ。
花丸の会。

「林家亭」は随分久し振り。
恐らく亡き染語楼の会以来ではないかな。

椅子席で、30人程度の入り。


「寄合酒」(松五):△

マクラで「大勢のお越し」と言う。
客の側では、「少ない」と感じている人が多かった感じなのだが、
演者本人は本気で言っていたようだ。
ここは少しギャップがあったように思う。
「同期会で最低の客数を更新した(14人)」話を聞くと、
「大勢」と思うのも仕方がないかも知れない。
メンバー(石松、小鯛、二乗と松五)を聞くと、
その客数でも現時点ではやむを得ないのかな、とも思うが。

ネタはあまり期待していなかったが、まあ、案の定。
上下を振るときの間、表情を作っている感じがして、あまり快くなれない。
3代目っぽいのだが、そのままやっても仕方ないと思う。
口調も妙におさまった感じ。

科白・仕草など、きっちりしているところと雑なところがある。
「中身忘れた」男が財布の中身を見せるのは面白いと思った。
ただ、次の「パッチの紐を緩める」男の手に
(懐に戻すためだが)手拭があるのはおかしい。
金を持っているように見えてしまう。
鯛の辺りはきっちりしていたので、
「ここは綺麗にやる」と決めたところだけきちんと仕草を見せる、という
メンタリティで落語をやっているのかも知れない。
あまり好感は持てない。

花丸が後で「もっと若いと思っていた」みたいなことを悪意なく言っていたが、
確かに8年目とは思えない、というのが正直なところ。


「米揚げ笊」(花丸):△+

マクラは初めて滝に打たれた話など。
いろいろ飛んだり持っていき方が悪かったりして
ウケにつながらない話もある。
それでも雰囲気作りにはつながるので、これでもいいのかな。

ネタは、まあ、普通か。
ところどころあまり聞かない科白もあるが、
特に良いとは思えないものもある。
無意図的に変わっているところもありそう。

「丼池の北浜には橋がない」と「橋ない川は渡れん」に係る応酬なし。
入れた方が調子がつくし、
後の急いだ男にくどくど言う際のウケにもつながるので、
入れれば良いのに、と感じた。

急いでいる男、あまり急いでいる感じがしない。
嫁はんが産気付いているのに。
アホが独りパアパア言っている感じも弱い。
少し、相手の様子を見ての科白が多いのかも。
「橋の真ん中を渡るか、端を渡るか」を聞くのは面白いが、
甚兵衛さんと同じことを尋ねる「繰り返し」でないので、
良し悪しではある。

笊屋十兵衛さんの店で「天満の源蔵町」を聞き倒すのは、
少しくどい気がする。
手紙を読む十兵衛さんに合わせてアホが声を出していく調子は面白かった。

売り声のところは比較的あっさり。
「声は出しても聞こえなければ良い」とか言って口を押さえて言うのは、確かに手かな。
何となく、「何を言えば良いのか」迷わずに
簡単に「米を揚げる米揚げ笊」の声を出せていた印象。

サゲは、旦那が店の人を(旦那も含めて)皆「やってしまう」と言うので
番頭が「(誰もいなくなって)店がつぶれてしまいますがな」と振り、
「叩いても潰れるような品物と…」に持っていく。
旦那の「下がる」転換を入れずに済むので、やり易いとは思う。


「花筏」(遊喬):△+

マクラはうだうだと花丸とのつながりなど。
少し投げるような口調。
語尾の語調が時に強くなるところが、少し聞きづらい。
内容もあまりまとまりなく。
雑ではあるが、芸人らしい雰囲気。

ネタに入っても同じで、徳さんの一貫性などあまり感じられない。
人物描写も別に丁寧にやっている訳ではない。
言葉遣いもいい加減だし、地の文も粗い。
ただ、畳み掛ける調子や緩和口調が、
適当な徳さんやら親方やらの人物に合っていたように思う。
ただ、多少緊張感の必要な場面は緩い感じ。
例えば徳さんが荷物を詰めている場面や千鳥ヶ浜親子の会話、
土俵上で念仏を唱えているところなど。
人物描写・設定が浅いためだと思う。


「蔵丁稚」(花丸):△+

マクラで宝塚の話いろいろ。
ハマっていることがよく分かる。良いマクラ。

ネタはまあ、丁寧に演っている。
定吉が少しクサいかな。

旦那が定吉を待っているところ、どう思って待っているのかが見えなかった。
旦那は定吉が今日も芝居を見ていて遅くなっていると思っており、
最初からそれを問い詰めてやろうとしているのだろう、と
個人的には思う。
佐助はんから、道頓堀で定吉を見かけた、という話も聞いているだろうし。

「1日と15日は病気も休み」は良かった。
「正月は休み」より分かりづらいかも知れないが。

猪の脚を雁治郎と仁左衛門、と言っていたが、
どうせなら坂田藤十郎、とか言ってしまって良いかも知れない。

「昼ごはんを食べていない、お腹が空いている」ことは閉じ込められてから、
旦那と蔵の戸を挟んで言う。
これはこれで良いと思う。
ただ、旦那が閉じ込めた後、蔵の前にしばらく残ることになり、
これをちと不自然だと感じるところもある。

「ちょっとだけ見る」つもりで「遅くなってしまった」ではなく、
「看板を見るだけ」のつもりが入ってしまった、という設定。
少し「四段目が一番好き」に持っていくところが難しいかな。

「石堂がマル、薬師寺がペケ」と言うのは、ありだと思うが、
芝居の真似に入ってから「ペケ」と戻るのは、
客を芝居に引き込む上でマイナスと感じる。

芝居の真似の中で、地の部分の説明が多い印象を持った。
うーん。良し悪しだなあ。
確かに分かりやすくはなるのだろうが、
地の文で、少し舞台面の想像から離されるように感じる。
芝居の真似そのものは若干クサく、科白が多い、とは感じるが、悪くない。
江戸風と上方風が混ざっているようではある。

サゲは「まま、待ちかねた」。
6代目が「先輩はこれでやっていた」と言う、昔のもの。
最近文珍などがこのサゲでやっているらしいが。
個人的には「まま」なしが好みだが、
持っていき方の整合性が取れていれば、どちらでも良いと思う。


終わった後で4階に下り、
久し振りに展示室に立ち寄って
米朝の殿堂入り記念特別展を見てきた。
パンフレットやサンケイ独演会のポスターなど、
興味深かったり懐かしかったり。

映像や写真を見たが、
やはり50代がベストなのだろう、と感じた。
そのあたりの映像があれば、また買うかも知れない。
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