水曜は繁昌亭の夜席へ。
宝塚ファンの噺家がよってたかって
宝塚にちなんだネタと、その後レビュー
(おそらく、こちらがメイン)をやる、という会。
演者は「あまり客が入らないのでは?」と思っていたようだが、
実際には満員。
当日券で補助椅子を出していた。
「稽古屋」(「さざ波のの」こと 染雀):△+
ごく普通に「稽古屋」。
後の花丸の「レッスン屋」の仕込としての位置付け。
全体に、若干上下が深い。
「色事根問」の部分はきっちりとしつつ、
所々遊びを入れていた。
「2男」の流し方、
「下に丸を付けると粋に聞こえる」で「染雀だったら染丸」とか。
稽古屋の場面はまあまあ。
「越後獅子」で子どもが踊っている振りを入れていたのだが、
個人的にはそれは野暮と感じる。
あくまでお師匠さんが相手の踊りを見ている、だけで良いと思う。
その中で勿論きちんと「越後獅子」の振りを演者が理解している必要があるが、
それを敢えて見せるものではないだろう。
サゲは「喜撰」で「海山越えて」。
「レッスン屋」(「天橋満」こと 花丸):○-
出番前にお茶子さんが膝隠しに布を被せる。
(後であやめが説明した)
宝塚との出会い、などのマクラ。
気持ち良さそうに歌い、ウケをとっていた。
ネタは「稽古屋」を宝塚、バレエに替えるもの。
全体には少し練り不足かな、と感じた。
もう少しウケるようにテキストは変えられそう。
「色事根問」の1から4も「見え」「男役」「金(きん)」と換えている。
元の「稽古屋」にどの程度科白を被せるか、ギャグとして捻るか、
といったあたりで、もう少しウケを取るように持っていけるのでは、と感じた。
「宝塚出身」という先生のところへ習いに行く。
結局「チャカラヂュカ」だ、と言うのだが、
「チャカラヂュカ」とは何か、という回収はなし。
それならば「宝塚」のままでも良いのでは、と思った。
お稽古はバレエ、少し芝居の科白。
サゲは繁昌亭の屋根に上がって(繁昌亭にする必然性はないと思う)、
「過激/歌劇」を掛けたもの。
「歌劇場風景」(「合邦つじ乃」こと あやめ):△+
マクラは宝塚の想い出など。
花丸・生喬より上の世代から見ているので、
それはそれで面白い。
「宝塚ファンの生態」といった話。
詳細に描かれているし、
宝塚ファンの女性の描写は、やや濃い目ではあるが自然。
こんなルールがあるんだ、と勉強にはなった。
飛び込みでは行きづらいな、と感じてしまったが。
歌劇場で起こることを順に描いていくネタなので、
若干起伏に乏しい感じ。
あと、宝塚ファンでない側の女性の人物設定をもう少し深めれば、
そのギャップからくるギャグが何かしら出てくるのでは、と思った。
「ヅカタツ!」(「美園章」こと 生喬):○+
これまた宝塚との出会いについて。
好きなジェンヌの話などは初めて聞いた。
何となくギャグの言い方、ツッコミ方が福笑っぽくて、
これはこれで面白い。
ネタは「オールナイト」でも見ているのだが、
その時に比べて「宝塚ファンが多い」という意識があるのか、
自信を持って喋っている感じ。
おじいさんが「歌が上手いジェンヌ」で最近のジェンヌの名前を挙げる。
私は当然分からないが、2割くらいの客は理解している印象。
それくらいの客が分かっていれば問題なく突っ走れるのだろう。
オールナイトだけかと思ったら、
ここでも着物を脱いで、派手な衣装姿になっていた。
オールナイトは皆が無茶をするから紛れてしまう感があるが、
繁昌亭の高座でやると「踏み外している」感じが素晴らしい。
サゲは「レッスン屋」と被るので変えていた。
レビューショー「花詩歌(はなしか)王朝絵巻」
クリスマスの「シャンソンショー」に比べて、
歌詞を変えたりせずに、その点ではまとも。
衣装替えの回数も多く。
染雀の女装が普通に見えるのは、私が麻痺しているせいか。
「宝塚新音頭」の後、
「エリザベート」からの歌が多いということで
「エリザベート」の内容説明を入れて何曲か。
最後は「愛あればこそ」、
アンコールとして「スミレの花咲く頃」。
この2曲はクリスマスに聞いた替え歌の印象を引きずってしまった。
本当はこんな歌詞なんやね。
繋ぎで漫才風のベタな掛け合いを入れる部分があったが、
個人的にはあまり好きではない。
「真面目に芝居をやって、それが可笑しい」
みたいな繋ぎが出来れば良かったかな、と思う。
なかなか難しいと思うが。
とりあえず、写真。
非常に楽しそうにやっており、それが客に伝わっているから良いでしょう。
結局21時20分頃終演。
満腹。胃もたれするほど(笑)