「ぼくらの時間」 透明水彩画 A5(210×148)2019年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵
この作品は、リアルと橋からサンマルコに向かう水上バスに乗ってすぐの
Sant' Angelo駅近くにある、細い運河に面した静かなお庭のある家の絵です。
去年も描いていたのですが、やっぱりこのお庭が好きなので今年も描いてしまいました。
屋上から広い空とヴェネチアの込み入ったオレンジ色の屋根風景を
ビールを飲みながらご機嫌に楽しむのが憧れなのですが、
こんなにひっそりとしたプライベートなお庭だと
カプチーノを飲みながら
読書や書き物なんかをしてみたいですね~
読書をしながら・・・
気持ちよさげに風に吹かれる
サラサラした軽い音色の木の葉の音に酔いしれてみたり。
たまに訪れる鳴きツグミやシジュウカラやモリバトなんかを
息をのんで観察したり。
狭い運河の優しく楽しげな波の音が
建物に挟まれて出口を見つけれず
いつまでもタポタポと耳元で響いて
ああぁヴェネチアにいるんだな~
と微笑んでみたり。
そんなことを
このお庭の白いベンチに座って
優雅に楽しみたいです。
ぼくらの時間が始まるのは
人がいなくなってからで、
建物より背が高いことが自慢の一本の大きな木が
我慢できずに口を切って喋りだし
ユリカモメから聞いたうわさ話やら
鳴きツグミのすったもんだの恋の話しやら
また話題のない時なんかは
「しりとりして遊ぼう♪」などと言い出すのです。
無邪気で元気でお庭で一番大きいものですから
それなりに役目を分かっていて、
みんなを楽しませようと頑張っているのですね。
今日も人がいなくなると
またぼくらの時間が始まって
植物たちのサラサラとした笑い声が
耳を澄ませば聞こえてくるようです。
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