2024年06月25日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[プーチン 水産物為替レート連動輸出関税引き下げ 国内市場への供給貢献とのリンケージ案等提出指示]
ロシア大統領プーチンは、2024年6月24日、ロシア産業企業家同盟(РСПП:日本の経団連に相当)との会合で、政府に対し、業界が求めている水産物為替レート連動輸出関税引き下げについて、国内市場への製品供給貢献を条件とする案を同年8月1日までに提出することを指示すると表明した。
ロシア大統領プーチンは、2024年4月末、ロシア産業企業家同盟との会合において、全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ(ВАРПЭ)会長ズベレフが、スケトウダラ、マダラ、そしてカニ製品の輸出関税の撤廃を求めたことに対し、これを支持して、関係省庁に検討を指示すると発言した経緯がある。
ロシア政府は、2023年9月21日付決定No.1538により、水産物を含めた広範な商品の輸出関税を、ルーブルとドルの為替レートに連動させて設定、同年10月1日からこれを施行した。(報告担当者 原口聖二:レートは1ドルあたり95ルーブルを超える時、輸出関税は7%となり、80ルーブル未満の時ゼロとなる。ルーブル安で輸出が増加傾向に向かうとき税金を徴収、ルーブル高で輸出が減少に向かう時、輸出促進のため無税に近づけるシステムとなっている。)
ロシア漁業界によると、特にスケトウダラ業界は“投資クオータ”による莫大な投資、一連の制裁措置による製品輸出の収益性の低下等により、経営のインデクスが極めて低下しており、輸出関税の免税を求めていた。
当日の会合においてプーチンは、このほか、アフリカ、南米、東南アジアの新市場における海外経済活動のための持続可能なサプライチェーンとインフラを構築するための追加支援策、新たな漁業分野の人材育成計画案等の提出を政府に対し求めた。
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