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北海道機船漁業協同組合連合会
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ロシア国内のスケトウダラH&G卸売価格推移(2024年6月6日)  100ルーブル/kgへ一気に上昇 リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-21 08:11:53 | 日記

2024年06月21日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア国内のスケトウダラH&G卸売価格推移(2024年6月6日)]  100ルーブル/kgへ一気に上昇

2024年6月6日 H&G(25cmアップ)卸売価格(ウラヂオストク倉庫前) 100ルーブル/kgへ一気に上昇

近年、世界のスケトウダラ生産量は350万トンで、ロシアが180万トン-190万トン、米国が昨年2022年の約3割減を除き150万トンを占めている。

スケトウダラ生産において、ロシアは洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出、米国は日本へすり身として輸出することを、それぞれ仕向けの主流としてきたものの、ロシアについては、新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策による中国の冷凍水産物輸入制限により、当該貿易が鈍化、2021年初めから韓国でのコンテナ積み替え経由等、仕向けの構造が大きな変化を示したが、ポストCV19となった2023年以降、中国への直接輸出ルートの回復が顕著となっている。

CV19の間、フィレの最終市場となるEUへ米国が供給を増加させ、ロシアも“投資クオータ”を利用した高次加工漁船と自国陸上加工でフィレを増産し、中国加工を介さない当該市場への直接アクセスを拡大させてきたが、EUがウクライナ情勢からロシアの新規の輸出者リスト登録の更新を停止し、関税設定をしたこと等から、大きな供給増加が期待できない現状となっている。

これらのことから、ロシアは国内市場への供給拡大にも取り組みを開始している。

状況下、スケトウダラの国際市場価格を把握するため、①米国から日本へのすり身の輸出価格、②中国からEUへのフィレの輸出価格、そして③ロシア国内のH&G卸売価格等をモニターすることが求められる。

この中にあって、インデクスとなるロシア国内のH&G(25cmアップ)卸売価格(ウラヂオストク倉庫前)は、2023年4月上旬、80ルーブル/kgまで低下を見せたが、直後の同年4月11日に90ルーブル/kgに回復、同年4月18日には95ルーブル/kgとなった。

その後約2ケ月間、これを維持したものの、同年6月20日、90ルーブル/kgに下げ戻った。

この90ルーブル/kgが約8ケ月間維持された後、2024年2月26日、84ルーブル/kgに下落した。

同年4月1日、再び90ルーブル/kgに戻り、同年5月27日、87ルーブル/kgと3.3%再下落したものの、同年6月6日、一気に100ルーブル/kg(180円/kg)に上昇したことが確認された。

 

100ルーブル/kg台の価格は、2022年11月以来となる。

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