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北海道機船漁業協同組合連合会
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ロシア漁業 南極オキアミ復活操業 第1航海を完了 “復活の日” 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-25 08:18:11 | 日記

 

2024年06月24日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業 南極オキアミ復活操業 第1航海を完了]

長い休止期間を経て、ロシア漁業が南極オキアミ操業を再開、“復活の日”を迎え、今年2024年3月6日-5月22日、BMRTタイプ漁船“コマンドル”(БМРТ“Командор”)が着業、同年6月3日、第1航海を完了した。

当該期間、CCAMLR(南極海洋生物資源の保存に関する委員会)海域操業船は、“コマンドル”を含め11隻だった。 

“コマンドル”はサウス・オークニー諸島AchA(АчА)海域を主漁場として利用した。

この海域のオキアミのTACは約560万トンで、これに対し、年間の漁獲量は8%未満となっている。

“コマンドル”には科学的支援や製品加工技術の研究を任務として、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ大西洋支部アトラント・ニロの科学オブザーバが乗船した。

“コマンドル”の洋上加工製品は、主にフィッシュミールとなったと伝えられている。

CCAMLR海域でのロシア漁船による本格的なオキアミ操業は1992年以来行われておらず、2008年から2010年、着業船1隻により短期間で小規模なわずかな実績が残っている。

ロシア政府は、2021年6月30日付No.1767により、2030年までの同国漁業発展戦略に基づく、南極漁業に関する計画を承認し、南極オキアミ漁業への復活を目標に掲げ、世界の大洋でのプレゼンスの向上と、当該資源の加工による新たなハイテク産業の創出に向かって行動を続けている。

オキアミは地球上で最大量の水棲生物資源であり、その漁獲可能量は数百万トンレヴェルと推定されている。

オキアミについては、優れた栄養特性が確認されており、缶詰製品から養殖の餌等、幅広い産業用途があり、特に高品質なオイルについては、世界の経験が示すように健康食品業界でも需要がある。

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、オキアミ漁業支援のためデータベースも既に作成していた。

ここ数年、当該資源を最も利用しているのはノルウエーで、中国も近代的漁船を投入し努力量を上げている。

最近の調査研究結果では、南極オキアミのバイオマスは1億2,500万トンと算定されている。

両国による年間漁獲量は60万トンだが、これを200万トンまで拡大する計画とも伝えられている。

一方、ロシアは当該漁業に適した漁船を失ってしまったことから、ここで操業を行っていなかった。

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