2016年05月17日
モスクワ発
[日本船舶のサケマス操業条件交渉を完了する]
ロシア漁業庁は今年2016年のロシア排他的経済水域における日本船舶による太平洋サケマス操業に関するロ日政府間協議を完了、合意に至ったと発表した。
ロシア側代表団団長サフチュウクは、今年2016年、大きな変化があり当該水域での流し網漁業が全面禁止になったことを指摘する一方で、環境に損害を与えることのない2艘びきを含めたトロール、巻き網、表層カゴの使用が認められる*極東漁業規則の改正を用意した旨を日本側へ通報、将来的に生物保護のため、研究機関、独立した専門家、団体の代表者を含め、これらとその他の漁具を共同研究することが必要だと旨言及した。
また、双方は今年2016年のロシア排他的経済水域における日本船舶への漁獲割当、漁場等の操業条件、許可申請等に関して協議したほか、昨年2015年繰り返された日本漁船による漁業規則違反の防止対策などを話し合った。
なお、サフチュウクは、漁船位置監視システムの”アルゴス”の利用が停止となるため、ロシアの要件に従い、代替システムの装備が必要となることを通報した。
*報告担当者 原口聖二 :
“2016年4月19日付農業省命令令No.152による2013年10月21日付極東漁業規則改正No.385”
ロシア法務省2016年05月10日付登録No.42060
公開日2016年05月13日 公開No.0001201605130003
平成28年5月13日 水産庁 プレスリリース
「日ロさけ・ます漁業交渉」(ロシア200海里水域分)の結果について
「ロシア連邦の200海里水域における日本国の漁船によるロシア系さけ・ますの2016年における漁獲に関する日ロ政府間協議」については、平成28年5月10日(火曜日)から平成28年5月13日(金曜日)まで開催された結果、平成28年5月13日(金曜日)に妥結しました。
1. 概要
「ロシア連邦の200海里水域における日本国の漁船によるロシア系さけ・ますの2016年における漁獲に関する日ロ政府間協議」は、日ソ漁業協力協定(1985年発効 注1)及び日ソ地先沖合漁業協定(1984年発効 注2)に基づき行われるものです。毎年、ロシア200海里水域における我が国漁船によるロシア系さけ・ますの漁獲割当量等の操業条件について協議を行っています。
今回は、平成28年3月26日(土曜日)に東京で開会し、休会となっていた協議を再開したものです。
注1:正式名称は「漁業の分野における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定」です。
注2:正式名称は「日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の両国の地先沖合における漁業の分野の相互の関係に関する協定」です。
2. 開催日程及び場所
日程:平成28年5月10日(火曜日)~平成28年5月13日(金曜日)
場所:モスクワ(ロシア連邦)
3. 出席者
日本側:保科 正樹(ほしな まさき) 水産庁 増殖推進部長(政府代表)ほか、
外務省、水産庁、北海道庁及び関係団体の関係者
ロシア側:サフチュクP.S. 連邦漁業庁 副長官(ロシア政府代表)ほか、
外務省、連邦漁業庁及び連邦保安庁国境警備局の関係者
4. 結果概要
(1) 流し網の代替漁法について
水産庁の委託事業により、調査船1隻を用いた曳き網(ひきあみ)による試験的な操業を行うこととなりました。(前年(流し網)は19隻操業))
(2) 漁獲割当量
68.88トン(前年(流し網)の割当量 1,961.75トン)
うちベニザケ 21.70 トン(前年(流し網)の割当量 503.31 トン)
シロザケ 27.18トン(前年(流し網)の割当量 1,309.48 トン)
カラフトマス 18.00トン(前年(流し網)の割当量 102.79 トン)
ギンザケ 1.00トン(前年(流し網)の割当量 41.04 トン)
マスノスケ 1.00トン(前年(流し網)の割当量 5.13 トン)
(3) 入漁料
約2,118万円(前年(流し網)の入漁料 約6億円)
(4) その他
操業期間は平成28年7月13日から7月26日までとなります。(前年(流し網)の操業期間6月27日~7月27日)