木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

忘れ物のお知らせ & 「人生に 時にはビターな経験を (マラソン大会に寄せて)」

2012-01-20 19:58:13 | Weblog

今日は落し物のご連絡を。

(ブログで落し物をアナウンス... うーん、新しい♪)


落し物は3つです。

昨年のお遊戯会では可愛い小さなリュックの忘れ物が園内にありました。

今月に入って園の職員駐車場にステキなベレー帽、

今日(1/20)は、小さなグリーンのポーチが落ちていました。


添付の写真をご参考の上、お心当たりの方がいらっしゃいましたら

園までご一報ください。






さて、今日は「マラソン大会」が開催されました。


数日グズついた天気が続いていたのですが

今朝には雨が上がり

スタート時刻が近づくにつれ、雲に隙間ができ始めていました。



今日は3つほど、ショート・ストーリーをお届します。

これらのお話は、悔しい体験をした3人の子どもと

今日完走した全ての園児

そして

今日のメッセージの最後に登場する『』の中の方々のために贈ります。



- 1st Episode -


マラソンが得意な子がいました。


彼はクラスごとの日々の練習でも、学年で開催する総合練習でも

上位を争える速い子でした。


先生たちも、このみ君も、彼がゴール・テープに絡んでくることを想像していました。

でも、次々とゴールし始めた子どもたちの中に

彼の姿はありませんでした。


途中で靴が脱げて、思いがけないロスがあったのです。



大会を終えて 彼は今 どんな気持ちでいるんだろうと気にしています。

でも それと同時に

「くやしい」という気持が彼の心に芽生え

もしかすると泣くぐらい悔しい思いをして

それを記憶して

いつかまたある別の そして次のチャレンジを向かえたとき

彼の心に今日芽生えた悔しさが


「(頑張るんだ!)」


という強い心の素になってくれると信じています。


悔しい思いをした ということが、

これからを生きる彼の原動力になることを信じて。




- 2nd Episode -


ゴールに向かう最後のコーナーを曲がったところで抜かれ

泣きながらゴールした子どもがいました。


彼もまた 「しまった」 という

違う形の 「悔しさ」 を味わったんだと思います。


リセットの効くテレビゲームが拡がる世界で

リセットの効かない悔しさにぶち当たる機会は貴重です。

人生はリセットが効かないので。


彼が「本物の悔しさ」を少しでも味わえたのであれば、

これぞ教育だと思うのです。


このみ君も30年ほど前に彼らと同じコースを走りました。

長年続けてきて良かったと思うのです。

ハッピーな記憶ばかりではなく 悔しさもまた必要だと思うのです。


理屈ではなく。


繰り返します。

悔しい思いをした ということが、

悔し涙を流した彼にとって

これからを生きる原動力になることを信じて。




- 3rd Episode -


転んだ子がいました。


木の実のマラソンはほとんどの園児が裸で走ります。

それも 一年で一番寒い時期(大寒)の前後を選んで走ります。


小さな彼らにとって、

年少さん・年中さんの600m超、そして年長さんの1kmを超える距離は

あまり体験することのない膨大な距離のはずです。

後半はヘトヘトになります。


転んだら手足だけでなく 上半身も擦り傷になることがあります。

怪我をすることもあります。


今日のレース中に転んだ彼は

お腹にも擦ったあとがありました。


そんな彼がゴールをするとき

涙が出そうになりました。

心の底から 「よーがんばった!!!」 と言いました。


痛かっただろうに 夢中でゴールを目指したんだと思います。

そして しんどい気持ちの自分に打ち勝ったんだと思います。



「(この子の姿を お母さんかお父さんは見て下さっているだろうか?)」

と、祈るような思いでした。


小さな小さな彼が いずれ大きくたくましく成長し

親の元を離れ 自分の判断で進み始めたとき

なにかの壁にぶつかることだってある。


その時に 「君はあのとき負けずに走りきったよ」 と

今日のことを思い出させてあげて欲しいです。


しんどい思いをしたときにしか得られない成長があると思うのです。


だから 彼が大きくなってつまづくようなことがあった時に

伝えてあげて欲しいのです。


「君は弱くなんかない」 と。




彼らの今日の経験(くやしさ)は

順位と同じくらい貴重なもので

違う方向から見ると

順位とは異なる大きな価値があると思うのです。


生きる力 という価値が。


それを体験していくのが 『教育』 というものだと思うのです。



こんなショート・ストーリーをお贈りしつつ

文末になりますが 一言お礼申し上げます。



子どもたちを励ましてくださった保護者の皆さま

安全な大会運営に力を貸してくださった街の警察官の方

大会運営をサポート下さったあすなろ体育教室の先生方

小さな子どもたちの頑張りに フォーカスを当てて下さった報道関係の方々

アルバムに欠かせない一枚を撮り続けてくれる写真家の大西のおじちゃん

そして



『場合によって 子どもたちの姿が見れなくなってしまうことだってあることをかえりみず

 大会の運営を優先頂きご協力いただいた PTA の方々とボランティアの方々』


皆さんのおかげでこのような大会が運営できます。

子どもたちに力を貸して下さってありがとうございます。



園一同 深く感謝申し上げます。

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