木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

地震を想定した避難訓練の様子

2012-01-27 20:04:53 | Weblog


今日は寒風の中、避難訓練を行いました。


今月の17日は阪神大震災から17年目を迎える日でした。

また 再来月には東日本大震災から1年を迎えます。

いまだ行方不明者が多数おり、また、仮設住宅での不自由な生活が続く方も大勢いらっしゃいます。


「いざという時」に 子どもたちが 「避難という動作」 をとれるよう

これからも訓練を継続していきます。


今日は地震を想定した避難訓練でした。

松山市消防局のご指導とお力添えを得て

起震車(きしんしゃ)をグランドに入れていただきました。




今日の訓練の流れは

1 訓練開始(地震発生の園内放送)

2 防御の姿勢

3 避難指示

4 避難開始

5 点呼

6 津波警報発令の確認


という、一連の流れをタイム計測しながら実施しました。




ふだん明るく楽しく子どもたちを引率する先生たちも

今日ばかりは真剣な表情で子どもたちを誘導します。




避難だけでなく、全園児の点呼まで4分ほどで完了できました。

但し、子どもたちには常々このように話していきたいと思っています。


「本当に地震が起こったら 床が揺れ 建物が揺れ 歩けなくなります。

 揺れているのが終わっても 本当に怖くて心臓がドキドキします。

 こうやって練習していることも 本当に地震が起こったらできないかも知れません。

 だから お約束しましょう。

 もし本当に地震が起こったら

 おしゃべりをやめて 先生を見ましょう。

 先生のお話を聞きましょう。

 そして みんなで力を合わせて ここ(プレイコート)に集まろう。」

 
と。



また 松山消防局の方からは 園内における避難時だけでなく

家族と一緒に外出しているときに注意した方がいいことについても

具体的なアドバイスを頂きました。


・建物からむやみに飛び出さない

・頭を守る防御の姿勢を欠かさない

・がけ(斜面)に近づかない

・自動販売機など倒れやすい物に近づかない


こういったことは随時書き留め、実際の避難時に役立てたいと思います。


さて 避難訓練後に 年長さんたちの 「起震車体験」 の時間です。


避難中は真剣な表情で必死に訓練に取り組んでいた子どもたちも

大きな 「起震車」 に興味深々です。


「怖かった...」 と言う子どももいたのですが

揺れの怖さよりも興味が勝ってしまって

なにかのアトラクションのように思う一幕もあり 少々複雑な気持ちでした。

でも 「防災意識を高めるスタートラインは これでいい」 とも思いました。














今回は安全優先のため 「座った姿勢」 で揺れを体験しましたが

次回は少し危なくても 「中腰の姿勢」 から揺れを体験して

「大きく揺れたら 立ってはいられないぞ」 ということを経験した方が

ゆくゆく 子どもたちのためになると思いました。


そして最後に お世話になった消防局のスタッフの方々に

「感謝のメダル」 を贈って訓練終了となりました。





松山消防局のスタッフの皆さん

子どもたちの訓練のために

大変貴重な時間を割いて下さって 本当に有り難うございました。

こういった継続的な訓練は 「いざという時」の安心材料になってくれ

迷わず素早く行動する指針になってくれると思います。

これからも どうぞよろしくお願いします。



愛媛新聞 2012年1月21日 (マラソン大会の記事)

2012-01-23 09:54:17 | Weblog

園児のみんな 先週(1/20)は大寒前日の 『マラソン大会』

本当によくがんばりましたね 


みんなが頑張っている様子が 新聞に取り上げられていました。

新聞を読まれている多くの方に 元気なニュースを届けられたかもしれません。


みんなは家族の 園の 社会の 元気の素です。

まだまだ寒い冬が続くけど 今日もハリキッテいってみましょう 


遠方にいらっしゃる おじいちゃん や おばあちゃん ご親戚の方々 にも

みんなの元気な様子が 少しでも届きますように。




忘れ物のお知らせ & 「人生に 時にはビターな経験を (マラソン大会に寄せて)」

2012-01-20 19:58:13 | Weblog

今日は落し物のご連絡を。

(ブログで落し物をアナウンス... うーん、新しい♪)


落し物は3つです。

昨年のお遊戯会では可愛い小さなリュックの忘れ物が園内にありました。

今月に入って園の職員駐車場にステキなベレー帽、

今日(1/20)は、小さなグリーンのポーチが落ちていました。


添付の写真をご参考の上、お心当たりの方がいらっしゃいましたら

園までご一報ください。






さて、今日は「マラソン大会」が開催されました。


数日グズついた天気が続いていたのですが

今朝には雨が上がり

スタート時刻が近づくにつれ、雲に隙間ができ始めていました。



今日は3つほど、ショート・ストーリーをお届します。

これらのお話は、悔しい体験をした3人の子どもと

今日完走した全ての園児

そして

今日のメッセージの最後に登場する『』の中の方々のために贈ります。



- 1st Episode -


マラソンが得意な子がいました。


彼はクラスごとの日々の練習でも、学年で開催する総合練習でも

上位を争える速い子でした。


先生たちも、このみ君も、彼がゴール・テープに絡んでくることを想像していました。

でも、次々とゴールし始めた子どもたちの中に

彼の姿はありませんでした。


途中で靴が脱げて、思いがけないロスがあったのです。



大会を終えて 彼は今 どんな気持ちでいるんだろうと気にしています。

でも それと同時に

「くやしい」という気持が彼の心に芽生え

もしかすると泣くぐらい悔しい思いをして

それを記憶して

いつかまたある別の そして次のチャレンジを向かえたとき

彼の心に今日芽生えた悔しさが


「(頑張るんだ!)」


という強い心の素になってくれると信じています。


悔しい思いをした ということが、

これからを生きる彼の原動力になることを信じて。




- 2nd Episode -


ゴールに向かう最後のコーナーを曲がったところで抜かれ

泣きながらゴールした子どもがいました。


彼もまた 「しまった」 という

違う形の 「悔しさ」 を味わったんだと思います。


リセットの効くテレビゲームが拡がる世界で

リセットの効かない悔しさにぶち当たる機会は貴重です。

人生はリセットが効かないので。


彼が「本物の悔しさ」を少しでも味わえたのであれば、

これぞ教育だと思うのです。


このみ君も30年ほど前に彼らと同じコースを走りました。

長年続けてきて良かったと思うのです。

ハッピーな記憶ばかりではなく 悔しさもまた必要だと思うのです。


理屈ではなく。


繰り返します。

悔しい思いをした ということが、

悔し涙を流した彼にとって

これからを生きる原動力になることを信じて。




- 3rd Episode -


転んだ子がいました。


木の実のマラソンはほとんどの園児が裸で走ります。

それも 一年で一番寒い時期(大寒)の前後を選んで走ります。


小さな彼らにとって、

年少さん・年中さんの600m超、そして年長さんの1kmを超える距離は

あまり体験することのない膨大な距離のはずです。

後半はヘトヘトになります。


転んだら手足だけでなく 上半身も擦り傷になることがあります。

怪我をすることもあります。


今日のレース中に転んだ彼は

お腹にも擦ったあとがありました。


そんな彼がゴールをするとき

涙が出そうになりました。

心の底から 「よーがんばった!!!」 と言いました。


痛かっただろうに 夢中でゴールを目指したんだと思います。

そして しんどい気持ちの自分に打ち勝ったんだと思います。



「(この子の姿を お母さんかお父さんは見て下さっているだろうか?)」

と、祈るような思いでした。


小さな小さな彼が いずれ大きくたくましく成長し

親の元を離れ 自分の判断で進み始めたとき

なにかの壁にぶつかることだってある。


その時に 「君はあのとき負けずに走りきったよ」 と

今日のことを思い出させてあげて欲しいです。


しんどい思いをしたときにしか得られない成長があると思うのです。


だから 彼が大きくなってつまづくようなことがあった時に

伝えてあげて欲しいのです。


「君は弱くなんかない」 と。




彼らの今日の経験(くやしさ)は

順位と同じくらい貴重なもので

違う方向から見ると

順位とは異なる大きな価値があると思うのです。


生きる力 という価値が。


それを体験していくのが 『教育』 というものだと思うのです。



こんなショート・ストーリーをお贈りしつつ

文末になりますが 一言お礼申し上げます。



子どもたちを励ましてくださった保護者の皆さま

安全な大会運営に力を貸してくださった街の警察官の方

大会運営をサポート下さったあすなろ体育教室の先生方

小さな子どもたちの頑張りに フォーカスを当てて下さった報道関係の方々

アルバムに欠かせない一枚を撮り続けてくれる写真家の大西のおじちゃん

そして



『場合によって 子どもたちの姿が見れなくなってしまうことだってあることをかえりみず

 大会の運営を優先頂きご協力いただいた PTA の方々とボランティアの方々』


皆さんのおかげでこのような大会が運営できます。

子どもたちに力を貸して下さってありがとうございます。



園一同 深く感謝申し上げます。