木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

運動会に寄せて(連載4.運動・スポーツが子どもたちに与える効能について)

2024-07-05 16:55:00 | Weblog

運動・スポーツが子どもたちの心身の成長に多大な効能を

 

与えることは既に広く知られています。

 

それを裏付けるデータや論文は

 

推挙にいとまがありません。

 

 

その中において、

 

スキャモンの発達発育曲線に代表されるデータや理論は

 

数多くありますが、

 

子どもたちの心の成長に着目した言葉も、

 

実は数多く残されています。

 

 

身近な日本について言えば、

 

日本野球の父と称される安部磯雄氏は、

 

「知識は学習から、人格はスポーツから。」

 

という言葉を遺されています。

 

 

日本サッカーの父と称されるデットマール・クラマー氏は、

 

「サッカーは、子供を大人に、大人を紳士に育て上げる競技である。」

 

という言葉を遺されています。

 

 

日本マラソンの父と称される金栗四三氏は、

 

「体力、気力、努力」

 

という言葉を遺されています。

 

 

学習に「知識を得ることができる」というすばらしさがあるように、

 

運動・スポーツには

 

「人間性(人格)を成長させる」

 

というすばらしさがあります。

 

 

競い合いに勝つ

 

大会で優勝する

 

そのようなことが運動・スポーツの核心なのではなく

 

その過程において人間性を成長させることができるすばらしさこそ、

 

運動・スポーツの核心であるということを

 

数多くの歴史上の人物が語ってくれています。

 

 

幼児期にも

 

そのことはしっかりと当てはまります。

 

 

運動会に向けて、

 

2か月ほど子どもたちは準備をしてきました。

 

9月と比べるとはるかに体を動かせる時期でしたので

 

とても良い準備ができたように思います。

 

 

その中で、

 

子どもたちは自分たちで話し合って目標をつくったり、

 

練習期間に相談し合ってもっと良い方法はないものかと考えたり、

 

だんだんとできるようになってくるにつれて

 

自信がついたり、

 

或いは楽しめるようになったり、

 

そして、歓喜を爆発させたり悔し涙を流したり、

 

体だけでなく心も動いていました。

 

 

運動会明けの今週

 

「なんだかまた少し

 

お姉ちゃんお兄ちゃんになった。」

 

そう思えるくらい、

 

いい表情をしています。

 

 

運動・スポーツには、

 

子どもの人間性・社会性をはぐくむために必要な要素が

 

本当にたくさん隠れています。

 

 

また、今回の会場変更に合わせて

 

教員は「親子競技」にもスポットライトを当てました。

 

子どもたちにとって「(保護者の方と)一緒に」ということは、

 

心から「安心でき、楽しく、そしてうれしいもの」だということを

 

再認識させられます。

 

 

保護者皆様に

 

子どもたちと運動を一緒にして頂くことは、

 

子どもたちの精神性の安定と向上にとって

 

本当に大きな栄養となります。

 

 

子どもたちは

 

できるようになったことを認めてもらえると

 

本当に喜びます。

 

できなかったことを励まされると

 

本当に安らぎます。

 

子どもたちは「ねぇ、見て!」って

 

何度も言いますよね。

 

見てくれているだけで

 

本当に嬉しいのです。

 

ニコッと微笑んであげるだけで

 

本当に嬉しいのです。

 

 

幼い頃のそういった記憶が

 

幾重にも重なりながら、

 

子どもたちはその成長過程において

 

安定した心の状態を得ていきます。

 

 

心の安定があるうちは

 

なにかあっても

 

立ち上がろうとしてくれます。

 

涙が出ることを

 

乗り越えようとしてくれます。

 

 

精神的な成長は

 

人生を歩いていくうえで

 

親が子どもに授けてあげられる

 

この上ないお守りとなります。

 

 

学歴は

 

人の幸せを測るものではありません。

 

人格を測るものでもありません。

 

 

すべての学習の成果は

 

人格の上に発揮されるものであり、

 

人格の成長がない場合、

 

知識は正しく活用されないでしょう。

 

悪いことに知識を活用してしまい、

 

その子を犯罪者にしてしまうかもしれません。

 

 

学習も、運動も、そして芸術活動も

 

おそらくはすべて相関関係が存在しています。

 

だからこそ、教育課程には

 

学習だけでなく、体育も、音楽も、図工も、社会学習も

 

様々なことが織り込まれています。

 

 

我々は1年を通じて

 

運動・スポーツの基礎となる「健康な体作り」

 

そして人間形成の基礎となる「健康な心づくり」

 

そういったものに注力しようとします。

 

 

体育活動の一つである運動会が終わりましたが、

 

日々のマラソン活動は大寒マラソンにつながり、

 

体育活動を控える必要のある夏場でも

 

全身運動であるスイミングを続けられます。

 

幼児期にこそ盛んな戸外遊びや

 

ホールでのクライミングも続きます。

 

運動会が終わったあとも

 

運動の機会と環境を

 

大切にしてまいりたいと考えております。

 

 

さて、

 

長々と書き綴らせて頂きましたが

 

最後に一応のまとめを。

 

 

幼児期は、

 

人間形成の重要な過程です。

 

だからこそ、

 

偏りのないいろいろな体験教育を

 

音楽をはじめとした芸術に触れたり、

 

畑に出かけて植物に触れたり、

 

アースランドやお泊り保育で自然学習をしたり、

 

園外保育で社会学習をしたり、

 

そして1年を通じて存分に体を動かす活動を

 

子どもたちは必要としています。

 

 

この度の運動会の会場並びに時期の変更は

 

50年近い園史における大きな変革でしたが、

 

賛否のある中

 

ご理解・ご協力、

 

そしてお立会いを頂き、

 

誠にありがとうございました。

 

そして、長い長いブログにお付き合い頂きましたこと、

 

重ねて御礼申し上げます。

 

 

文責 中矢謙一郎

 

 

 


最新の画像もっと見る