木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

そして8年後へ (タイムカプセル)

2012-03-27 09:38:24 | Weblog

みなさんは タイムカプセルを掘り返す経験をされたことはありますか?

残念ながらこのみ君にはそういった経験はありません。

なので なんとなくワクワクしながら様子を見守っていました。


2012年3月24日

今から6年前に園庭の片隅にカプセルを埋めた卒園児が

大きく成長して園に戻ってきました。




はるばる関西方面から戻ってきてくれた卒園児もいて

エントランスホールには先生たちの喜ぶ声がしばらく響いていました。


その後 カプセルが掘り起こされ...

掘り起こ...

堀り...


...掘っても掘っても出てきません。

(...動いた? 食べられた?)




が、しばらくして 「タイムカプセルが出てきました」と

園内アナウンスが流れました。

(...案外、深かったようです。)




春から中学へ進む彼らの目に




幼稚園児だった頃に描いていた夢は

どのように映ったのでしょうか?




今も変わらぬままですか?




それとも別の夢を描き始めていますか?




さて その日 彼らが6年ぶりに集まった理由は

カプセルを掘り返すだけではなかったようです。

それぞれが卒園した頃に過ごした教室に入り

彼らの担任だった先生から一人ひとりにハガキが配られました。


現在12歳の自分から 8年後の未来で20歳になった自分に

ハガキでメッセージを贈ります。






1人1人が「将来の夢やメッセージ」を書きこんだハガキを

先生が回収しました。


彼らが20歳になった頃

そのハガキの1枚1枚を

先生がポストに投函するそうです。



20歳になった彼らは

どこでどう過ごし

どのような夢を描きつつあるのでしょうか。




それぞれが その日ハガキに書きこんだ住所に

彼らはもう居ないかもしれません。




それでも

1枚でも多くのハガキが彼らのもとに届きますように。




みんなが元気でありますように。

それだけは 変わりありませんように。


エールを! (卒園式に寄せて)

2012-03-21 17:24:36 | Weblog

今日は3学期の修了式が行われました。


園長先生が

「今日はホールが広く感じるね。 なんでだろう?」

と、子どもたちに問いかけると

「年長さんがおらんけん」

と、年中さんと年少さんが答えます。


少し広々と感じるホールに寂しさを感じるのは

いつか子どもが親元を離れていったあと

その家で親が感じる寂しさに似ているのでしょうか...。

今、とても寂しいです。


卒園式の前々日

年長さんが過ごした園舎内をフラッと歩いてみました。

エントランスホールも




バス車庫も




廊下も



教室も




卒園式に臨む年長さんたちを静かに待っていました。



卒園式のあと 35周年記念のタイムカプセルを園庭に埋めました。

その様子を見ている子どもたちを眺めながら

6年後にこの場所に戻ってくるまでに...

良い先生との出会いがありますように...

良い友達との出会いに恵まれますように...

元気でいてくれますように...


いろんな願いがあふれて止まりません。





さぁ 旅立ちです。

...なぜか ふと

高校時代の体育の時間にランニングをするときの掛け声を思い出したので

今日はその掛け声でみんなを送ります。


このみっ子ぉ~

がんばってぇ~

いきまぁ~っ

しょい!!!



ここを巣立つ 全ての卒園児にエールが届きますように。

みんな 笑顔をいっぱいありがとう。

春が来ます (水泳大会に寄せて)

2012-03-06 10:34:15 | Weblog


春が来ます。

先週 卒園を控えた年長さんが水泳大会に臨みました。




水泳大会といっても、みんなで楽しく泳ぐというのではなく

『クラス対抗リレー』 をします。

そして、年長さんにとってこのレースは

ずっと一緒に過ごしてきたクラスの仲間と力を合わせて行う

最後のチーム競技になります。




今年度の秋の運動会のタイトルは 「たんぽぽ」 が獲りました。

その勢いのまま冬の水泳大会のタイトルも獲って 「年長二冠達成」 となったのでしょうか。

それとも昨年度のタイトル・ホルダー・クラスの 「ふじ」 が防衛したのでしょうか。

或いは、「きく」と「さくら」が両者に割って入ったのでしょうか。


クラスの一員として生活を送っている子どもたちと先生には

そんなドラマもあるのです


さて このみ君ですが

(そもそも幼児期の子どもたちって「泳げる」ものなんだろうか?)

という 素朴な疑問をもちながら水泳大会を見ていました。

自分のことを思い出すと 小学校に入る前に 「泳げていた」 記憶がないからです。


... ところが

驚いたことにちゃんと泳いでリレーになるのです

「すごいもんだなぁ...」と、見ていて素直に感心させられました。


それしても いつもはのびのびと楽しそうに水泳の時間を過ごしている子どもたちですが

今日は一味違う子どもたちの顔を見つけました。


クラスメートがタッチでタスキをつないでいき

いよいよ自分の出番が回ってきます。

プールに飛び込むためにスタートラインに立ちます。

向こうからクラスメートが泳いできます。

そしていよいよ身構えると ...


「やってやるぞ」 という闘志を胸にギュッとため込んだような表情を見せました。


「(こんな闘志を いったいどこに隠し持っていたの!?)」 と、

普段は見せないその表情に ひそかに嬉しくなりました。



競い合うって楽なことではないので、

それに 得手不得手に左右されることが多いので、

「競争」とか「結果」に偏り過ぎることには少しばかり抵抗もあるのですが、

それでも これからますます大きくなるにつれ

実際にはこれまで以上にいろいろな形のレースを味わうことになる子どもたちに

こういった機会に 「競争」 というものを体験しておいてほしいとも思うのです。


そして 「競争」 をする場面があったとき

今日のプールサイドで見せていたあの表情を 見せて欲しいと思うのです。

特に 「自分が好きなこと」 においては。



さて

クラスの仲間を応援する声が プールを囲む室内の壁に反響して

一つ一つの応援の声がかき消されるくらい賑やかな大会でした 


優勝のゴールを決めた時の応援と喜びもひとしおだったのですが

20人以上がタッチをつないだあとの 3位と4位を決するアンカー勝負は

少し切なくなるくらいのラストでした。


目の前を泳いでいる仲間を必死に応援している様子を見て

彼らが 「自我」 と 「多我」 を認めはじめ

まだ無意識のうちに 「友情」 という 「情」 を知りはじめているのだと思うと

ジーン としてしまうのです。





春が来ます。

また一つ 成長の片鱗をうかがう大会でした。

みんなが旅立つ日が 近づいてきます。