木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

雪遊び

2017-01-31 16:18:24 | Weblog

1月27日・28日は、年長さんのお泊り保育でした。

雪合戦やそり滑り、雪だるまやかまくら作りなど、

思い切り雪遊びを楽しんだ年長さん。

年少さんと年中さんに

沢山の雪のお土産を持って帰ってきてくれました


  



今日はみんなで雪遊び

雪合戦をしたり、雪だるまを作ったり

大喜びの子ども達


      



もっともっと遊びたかったけど、あっという間に溶けてしまいました。

「パパとママといっしょに 雪山に行きたぁい」

という声も上がりました

ぜひご家庭でも雪山へ・・・

辺り一面雪景色   もっと沢山雪遊びができますよ


年長さん ありがとう


    


            M.M.




平成28年度マラソン大会

2017-01-23 17:53:33 | Weblog
今年も マラソン大会が終わりました。



今年は元々の大会予定日(1月20日(金))が降雨と強風の影響のため

大会が翌週の23日(月)に順延されました。

その結果、体調を崩して大会に参加できなかった子どもがいたり、

逆に、体調が回復して出場できた子どもがいたりしました。



松山地方気象台が発表した大会開催時間帯(10:30~11:30)における最高気温は

5℃に満たないほどであり、更に西寄りの風が吹いていました。

一方で、心配された降雨・降雪は無く、

時折日差しが子どもたちを照らしてくれました。



子どもたちは 昨春から保育時間の中でマラソン練習をコツコツと積んできました。

大会が近くなると園外散歩の時間を利用してコース学習を行い、

続いて2回にわたる練習会に臨みました。



どんな大会になったのでしょうか。

今年も 卒園を控える年長さんのお話です。



スタートのピストルの合図と共に

子どもたちは園の西門に向います。

その間、転倒しないよう人混みをさばいていかなければなりません。

それから 西門を出た直後の直線で

レース序盤の自分の位置取りを固めます。

ここまでは、全力疾走に近いスピードで走り抜けていきます。



直線のあと 左へ旋回したところに最初の難関があります。

ほぼ全力疾走に近い速度で走ったあとに

上り坂が待っていて

ここを我慢できなければ

あっという間に遅れてしまいます。



今大会は 子どもたちにはここ数年で一番ハードな条件がありました。

上り坂を駆け上がったあとの直線に

強い向かい風が吹いていたことです。

例年ならこの直線で少し呼吸を整えられるのですが

今大会はその逆で 向かい風に当たりつづけました。

練習会より少しペースが落ちていることがわかるほど

子どもたちは強い風に向かって走りました。



最初の折り返しの橋を渡る頃には

子どもの息遣いが随分と荒くなっていました。

1周目にして既にあごが上がり

子どもたちはしんどそうな表情を見せ始めています。

「(このまま進んで2周目がもつのだろうか?)」 と、

少し心配になりました。



橋を渡り終えると

折り返しあとの一番長い直線を進みます。

子どもたちは

この直線をジッと我慢するように走りました。

折り返した後の直線では

向かい風 が 追い風 に変わっています。

ようやく 子どもたちは呼吸を整えていました。



2周目に入るあたり、

応援に来てくれた家族の声に

子どもたちの体が反応します。

1周目を終えて足取りにしんどさが見え始めた頃

この声が フッと子どもたちの足取りを軽くしてくれます。



再び向かい風の中で2周目の直線を進みます。

このあたりで 子どもたちの息遣いがもう一段荒くなりました。

先導する僕の耳に しんどくてたまらない呼吸が届きます。

強い向かい風で やっぱり体が思うように前に進まないのです。

その様な中

よく見ると 子どもたち同士の距離感は

刻一刻と変化していました。

周りとの距離を縮めたり 縮められないようにとペースを速めたり

子どもたち同士の駆け引きが

ずっと続いていたのでした。



レースが2周目の折り返しの橋に差し掛かりました。

年少の頃からずっと競い合ってきた子どもたちが

幼稚園マラソン最後の直線に入ります。



顔があがります

みるみる表情が険しくなります

息がまた荒くなります

しんどくて声が出ます

それでも 手を振りつづけるのです。

なにか大切な約束事を果たそうとするかのように

子どもたちはじっと前を見て走ります。



あっという間に

最後の橋に差し掛かりました。

最後の橋も急な角度で曲がるため

一瞬スピードが落ちます。

先頭付近にいる子どもたちの距離が一気に縮まります。

そこからが

最後のスパートです。

手を振る力が残っているのでしょうか。

足を動かす力がまだ残ってくれているのでしょうか。



子どもたちの耳と心に

もう一度 家族の声が届きます。

一番苦しい時に しんどくてたまらない瞬間に

家族の声が届きます。

その声が

最後にもう一度 子どもたちを動かしてくれます。



今年 練習会からレースを引っ張っていた子どもたちの中から

今大会でレースの先頭を走ってきた男の子と女の子が抜け出しました。

2人はほとんど差が無くゴールテープを切り

そのあと 数年間にわたってずっと一緒に競い合ってきた子どもたちが

幼稚園に帰ってきました。



優勝した ようた君は

昨年の大会(年中)でも優勝して連覇をかけて大会に臨んだ男の子でした。

しかし2回目の練習会でスタート直後に転倒し

擦りむいたまま走り続けたものの

順位を大きく落としていました。

しかし彼は 大会本番で再び最初にゴールテープを切りました。



練習会で優勝していた りんちゃんが

大勢の男の子たちを相手に 全体2位でゴールしました。

ゴールをしてから列に並んだ彼女に

あたたかいプレゼントが待っていました。

ゴールした彼女にふと目をやると

見に来てくれていたお母さんが

彼女を後ろからしっかり抱きしめてくれていました。

くやしくてくやしくて たまらなかったのでしょうか

それとも お母さんの腕の中で

なにかをやり終えて安心したのでしょうか

彼女はうつむいたまま ずっと泣いていました。



もうじき彼女も小学校へと進学し

そのうちお母さんの両腕では収まらないくらい大きくなってくれることでしょう。


もう2度と帰ってこない幼少のひと時を

彼女はお母さんの腕の中で過ごせたのでした。





毎年 レースの先導の都合

子どもたちの全体を見ることはできても

レースの逐一が手に取るようにわかるのは

先頭付近だけなのですが、

レースを走る一人ひとりの子どもたちに

それぞれのストーリーがあるのだと思います。



マラソンは

順位そのものより

心と体の準備が大切です。

健康な体と 少しでも強くあろうとする心が養われていかなければ

寒さにも しんどさにも 向かい風にも

行く手を阻まれてしまいます。



寒さをしのいだり

しんどいことを回避してみたり

向かい風を避けたりはいつでもできるのですが

今日 ゴールした子どもたちは

それらに全て打ち勝ちました。



今日という日も

彼らを育てる大切な1日でありますように。


   



(平成28年度マラソン大会 完)





追伸:

練習会のたびに 順位が大きく変わるというある男の子の話を聞いて

子どもたちの そしておそらく我々大人も

体を動かしてくれているのが「心」であることを

改めて思い知らされました。



彼は練習会の開催期間に

どのようなことを考えながら ずっと走っていたのでしょうか。

そして今日の大会を どのような気持ちで迎えたのでしょうか。



今日彼は 最初から最後まで一生懸命走りました。

向かい風の中 前だけを見て走りつづけました。

順位ではない目標を 彼は果たすことができたんだそうです。

もしかすると

彼は自分以外の誰かのために走っていたのかもしれません。



今日 家に帰った彼は

お父さんやお母さんと どんなお話をしたのでしょうか。

今日 眠りについた彼はどんな夢を見たのでしょうか。

1年後の今頃

卒園して小学校へ進んだ彼は

何にチャレンジしているのでしょうか。


先生たちは みんなの未来の全てが楽しみです。