新年度の春を迎え
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幼稚園には子どもたちの元気な声が響いています。
家を出て
生れてはじめて「集団生活」に入るという子どもが多い幼稚園では
ママと離ればなれになって不安でたまらない子どもの様子というのが
何十年も変わらない春の風物詩です。
この時期 年長や年中に進級した子どもたちが
お兄ちゃん・お姉ちゃんにふんして
年少さんを教室まで手を引いて連れて行ってあげます。
自分がお世話をする年少さんが決まっているようで
下駄箱の周辺でその子を探してあげたり
手を引いて廊下を一緒に歩いてあげたりする姿があります。
そして、こういった風物詩の中に
新しく芽生えていく気持ち(心)が キラボシのように輝いています。
今日も 新年度に新たに年長さん年中さんになった女の子2人が
この春に入園してきたばかりの泣いている年少さんを前に
こんな話をしていました。
「どしたん、この子。 なんで泣いてるん
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「お母さんがいいんよ...私がお母さんになってあげる。
ねー 私がお母さんよー。」
このお姉ちゃんは わかっているんです。
そんなふうに言ってもらえると、
この子が安心できるんじゃないか、
涙が止まるんじゃないか。
今日誰かから
「優しいということはどういうことですか?」
と、問われたなら
きっと私は
「この子です」
と、答えることでしょう。
優しい心とは
自分以外の誰かを思いやる心のことだということを
この子が示してくれるからです。
私はこの子たちの世界に入っていかず、近くでそっと眺めていたのですが
泣いていた子の涙はしばらく止まりませんでした
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でも 涙が止まるかどうかより
人にどうかかわってもらえたかという小さな積み重ねが
泣いていた子の心の育みの確かな栄養になるように思われます。
「私がお母さんよー」と言ってあげられた子は
なぜそれを言えたのでしょう
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それはきっと、たとえ記憶にはないかもしれませんが
ずっと前に ずっと前から
そう言ってくれる誰かが この子のそばにいてくれたからだと思います
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子どもたちは 周りにいる大人から
そうやって 言葉や振る舞いを習得します。
年少さんの手を引いて
廊下を歩いていってくれる子に
「お世話 ありがとう」
と、声をかけるようにしています。
そうすると
ニコッとする子、
真っ直ぐ前を向いたままウンウンとうなずく子、
「どういたしまして」と返事をくれる子。
お世話をする側になって
果たしてどんな心が芽生えてくれているのでしょうか
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楽しみ、楽しみ。
人の心を育んでくれる言葉。
「魔法の言葉」。
またいつか、ご紹介させてください。
このみくん