木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

幕間の表情 (音楽会に寄せて)

2013-02-19 15:40:24 | Weblog


2013年2月16日(土) 午前 8:55

 資材を搬入し ステージの設営が始まります。

 36回目を数える音楽会の日の朝を迎えています。

 

        



2012年5月10日(木) 午前 11:05

 季節を少しさかのぼり 陽光差し込む5月のことです。

 ド・レ・ミを口ずさんだり リズムを刻みながら音を発することを体験しながら

 合奏や合唱に向けて それらの基礎となる経験を積み重ね始めました。

 



2013年1月11日(金) 午前 9:15

 それから夏や秋を過ごし 年が明けました。

 この頃になると 子どもたちの練習風景に

 音楽会を想定した空気が漂い始めます。


 楽器の扱い方や 大勢で声を合わせる感触を

 身体が覚え始めているようです。

 

        

 

        



 この時期

 ステージに向けた音楽サークルのママさんたちの打ち合わせや合同練習も

 いよいよ佳境を迎えているようです。

 今年の演目は何でしょうか。

 今から楽しみですね。

 

        


 園内に 本番を想定した歌や演奏が 響き始めています。

 開演まで おおよそ一ヶ月。




2013年2月16日(土) 午前 9:40

 当日の朝 会場の設営が進んでいます。

 


 コンサート・ホールの音響担当の方による機材のセットアップや

 一色楽器の須賀さんによるティンパニーのチューニングも行われています。

        

 


 反響板が降り 

 子どもたちが上がるステージの設営が 徐々に整ってきました。

        



午後 13:15

 舞台挨拶の準備も完了といったところです。

 開演が迫ります。

 

        




午後 13:40

 開演直前

 

 最後のチェックが行われ 

        

 


 それぞれの 幕が上がりました。

        

 

        



 合唱のパートから 合奏のパートへと演目が流れる中で

 幕間の子どもたちは様々な表情を見せています。

 ドキドキしているのでしょうか!?

 待っている間に少し退屈する余裕もあるのでしょうか?

 人前でもへっちゃらというふうに映る顔もありますね。

 なんとなく気が乗らないような顔も見かけます。

 子どもたちが それぞれの時間を過ごしています。


 

        

 

        

 

        




午後 16:10

 全ての演目が終わったようです。

 子どもたちと先生たちが

 池田先生と共に音楽に触れてきた長い1年が

 補助役のお母さんたちに見守られながら

 終わりを迎えました。

 

        


 そして

 折に触れ 子どもたちに演奏をプレゼントしてくれる

 音楽サークルのママさんたちの大切な舞台も

 子どもたちからの「花束」で閉幕します。

 




 もうすぐ 春が来ます。

 幕間にお話を聞かせてくれた 「ぐるんぱ」 のママさんの衣装も

 もうしばらくすると 冬仕様から春仕様に変身でしょうか。

 



 寒い冬も 最終コーナーを曲がり始めた頃です。

 春が来ます。

 子どもたちが 卒園や進級を迎えます。





PostScript:

 今回の音楽会には、若きパーカッショニスト*が花を添えてくれました。

 


 卒園して11年

 その間に彼が触れてきた音楽の世界 打楽器の世界 マリンバの世界

 そういったものを

 この日来場された保護者のみなさまに少しでも伝えられればと

 打楽器が奏でる音の趣向についてのお話を交えながら

 演奏をプレゼントしてくれました。


        



*石田湧次さん:
 
 第17回KOBE国際音楽コンクール打楽器C部門(中高生)で最優秀賞を受賞。
 今後の活躍を みんなで温かく見守ってあげられればと思っています。

心の習慣は目に見えなくても 確かに育まれている

2013-02-12 20:51:08 | Weblog

今年も冬山に向かう日の朝を迎えました。





冬場でも比較的気候が温暖な愛媛の平野部ですが

この日は気温が氷点下になる寒さとなりました。

雪遊びをするにはちょうどいい天気です。

さぁ 園内がにぎやかになってきました。

あさの集いを終えたら出発です。



        



舞い始めた雪に 行く手を阻まれませんように...。





山道の途中でチェーンを履いたバスが

子どもたちの宿になる獅子越荘に到着したようです。

昨年の夏 山でのお泊まり保育を経験してきた子どもたちが

冬山に帰ってきました。

これから大所帯での生活が始まります。



        





夏の共同生活を覚えているようで

身の回りのことを一つ一つこなしていきます。


集合してルールを教わったり




館内ツアーをして宿の設備を教わったり

        




自分たちの部屋を確認したり。





そういったことも整然とできはじめた彼らを見ていると

夏山から半年ほどの時間ですが

「お兄さん、お姉さんになったなぁ...」 と

少しの間 ぼんやりと眺めてしまいます。



さぁ 腹ごなしです。

大きな鍋で運ばれてきたカレーで 元気をチャージします。



        






わぁ 晴れた!

さあ 指折り数えて待っていた時間です。




この日のために用意してもらった防寒具を身につけて

思い思いに遊びます。



        



        




いつか子どもたちが成長して このころの写真を目にしたときに

気付いてくれるだろうか。




お父さんやお母さんが この日を無事に迎えさせてあげたいと

毎日君たちの健康を気遣ってくれていたことを。

        



        


そして 言えるだろうか。

君を大切にしてくれたお父さんやお母さんに 「ありがとう」 と。



        





夕方 おなかを空かせた子どもたちを

宿の夕食が迎えてくれます。




いつも横に居てくれるお父さんやお母さんが

今日は居ないけれど

今 自分の周りにいてくれる先生や友達が 今日は家族です。



        





いつもの家や家族が 少し恋しいかもしれませんが

さらに大きな社会である小学校への進級を前に

子どもたちの自助自立が もう始まっているようです。

        



         



まだ小さいので この冬山のことはいつか忘れてしまうかもしれません。



        


でも この機会に「得た経験」と「育まれた心」が

このあとの彼らの成長に 確かにつながってくれると信じています。




昨日1日が 今日の土台となり

去年1年が 今年の土台となってくれているように。

        



それを思うと

幼稚園の先生が 自分たちが注いだ熱意と愛情の全てに誇りをもてるのは

もしかすると ずっと後になってからかもしれません。



        



        



そしてそれは

彼らが少年に成長し

いつもそばに居てくれた

お父さんやお母さん 自分を世話してくれた人たちの存在に気がついて

「ありがとう」 を伝えられた時かもしれません。



        



        

 



着替えができる 手洗いやうがいができる ○○ができる。

そんな 体で示すことができる生活習慣を

一つ一つ身についていくということも大切ですが


いろいろな体験を通して 人とのかかわり合いを通して

「感謝できる」 という

心で示す生活習慣が備わることも

同じように大切だと思います。



時には人にかかわってもらう(お世話してもらう)ことや

時には誰かにかかわること(誰かと協力すること)を通して

        


人の存在に気づけたり 人を認められたり 人と協力できたり 人に感謝できたり。


そんな大切な習慣(感謝)が

心の中で育まれることが

彼らが社会で生きていく上で とても大切なように思うのです。





今日も 先生と子どもたちの生活が続いていきます。





PostScript:

じょう君へ

じょう君、熱は下がりましたか?


出発の2日前に お母さんから幼稚園に電話が入り

来られなくなりそうだということを知りました。

君の先生がね 「今日元気に来とったのに...」 と

ものすごく辛そうに話をしていました。

それはきっと じょう君のお母さんも同じ。



毎年 じょう君のように山に行けなくなる子がいます。

そんな時 いつも同じことを伝えようと思っています。


じょう君が 冬山に登る日を楽しみにしてくれていたなら

行けなかったことを言葉に出来ないくらい悲しんだと思う。


そんなときでも ふと気がついてくれると嬉しいです。


君と同じくらい悲しい気持ちになる人たちが

君の周りに居てくれることを。


それが とても幸せなことだということを。


だからもしいつか 君と同じような思いをする人に出くわしたら

伝えてあげて欲しいです。


「わかるよ」 って。



それで 誰かの心が少しだけ救われることがあるんだ。

それって 悲しい思いをしたじょう君にしかできないこと。

そして それはとても温かいこと。



PostScript2:

保護者の皆様へ

冬山のように難しい環境に子どもたちを送り出して下さり

本当にありがとうございました。


みなさまのご理解やご協力なくしては 成り立たない行事です。

卒園までもう間もなくとなりました。

いよいよ巣立ちの時を迎えます。

みなさまと力を合わせ 良き春を迎えさせてあげたいと願っています。




        



        

どうしよう... (鬼がやってくる)

2013-02-01 18:19:36 | Weblog

...これは大変なことになりました。

鬼の背中が迫ってきます。





今朝、たくむくんと玄関で会いました。

たくむくんは鬼が苦手らしくて

節分が2月3日だということをちゃんとおぼえておいて

今年は「鬼がやってくる日」に 幼稚園を休むことにしていたそうです。


ところが今年は節分が日曜日。

ひと安心ですね。

鬼とは会わずに済みそうです。




が... 今朝玄関でお迎えの先生から

「今日は鬼が来るね。 退治せんとね。」と聞いて



「(え... 今、なんて言った...!?)」 



という表情のまま凝固。


一拍置いて お母さんを見て 「違うよね...」


もう一拍置いて 涙が出てきました。



さぁ これは事件です。

鬼が山から降りてきてしまいます。



鬼を退治するため

せんせいと子どもたちの準備が始まりました。


豆を入れる「マイ・カップ」を用意。





西門あたりからやって来るかもしれないとの情報もあり

子どもたちが表に出て態勢を整えます。

        



各クラス協力してグランドに着陣し

豆を手に入れ準備を整えます。



        



お、ひよこちゃんの援軍も到着したようです。

これは心強... 強... 

まだちっちゃいから みんなで守ってあげないと!!





準備はおおかた整ったようです。

いつでも来い!

        



あれ...!?

なんだか後方がザワザワしているぞ。




なんてことだ!


今日は鬼が来るだけでも大事件なのに

気付かないうちに鬼が園舎に入り込んでたっ!

まずい まずい まだ年長さんが準備中なのにっ!!




からくも難を逃れて年長さんたちが逃げてきました。

        


しかし、それもつかの間。

鬼が追ってきます。



        



        





ついに 鬼がやって来てしまったぁぁぁ~ !!



        





さぁ 豆で鬼退治です!

時にはみんなで力を合わせてとり囲み




時には一列で鬼の間をすり抜けたり

        


時にはすスイミーの絵本のようにせんせいと身を寄せ合い



        



        



豆が底をついたとき

鬼に見つからないようにトイレの裏に隠れるのも良い発想!




豆が底をついたとき

せんせいに豆を補充してもらうことも良い発想!

        


怖くて泣いちゃったり せんせいにしがみついたり



        


でも 最後はみんなの力で鬼退治を成し遂げました。



        





さて 鬼が退散し ようやくホッと一息です。

教室に戻り お福さんが届けてくれる 「福豆」 を食べたり




「鬼がやって来ないように」 と入口に飾る

「鬼喰い(おにぐい)」 のお話を聞いたり

        


節分の風習に触れていきました。



鬼は 干した鰯(いわし)の匂いや 柊(ひいらぎ)の刺(とげ)を嫌うそうです。

「鬼喰い」で鬼を祓い 1年を元気に過ごしましょう。





後記: たっくん どこに居たんだろう...

    うまく鬼に会わずに済んだんでしょう...

    今度会ったら聞いてみよう。