徳井神社
(とくいじんじゃ)
神戸市灘区大和町4-5-5
通 称
箒の宮
JR六甲道駅にほど近い住宅街の中に鎮座する徳井神社。安産の神様として知られています。
〔御祭神〕
応神天皇
(おうじんてんのう)
神功皇后
(じんぐうこうごう)
JR六甲道駅から高架沿いに東へ歩くこと5分。ガードの南側に「神の恩恵」という意味の「トクイ」という名を持つ徳井神社が鎮座しています。1309(明徳5)年には「北野社領・摂津国得位時枝庄」という記述が見られるように、この辺りは京都の北野天満宮の荘園になっていたようです。ここ徳井の地には、古来より八幡神社が3社鎮座しており、それぞれ上宮・中宮・下宮と呼ばれていました。そのうちの上宮が徳井神社にあたり、1911(明治44)年には中宮も徳井神社の境内に遷座されました。ちなみに下宮は、旧徳井庄に含まれていた東灘区の旧東明村地域に鎮座している東明八幡神社の事を指しています。
正式な創建時期は不明ですが、境内には17世紀半ば頃の天和年間(1681~1684年)の銘文の入った石灯籠が残っている事から、300年以上前より人々に支えられてきた神社だという事がわかります。明治時代には応神天皇神社と呼ばれていましたが、1961(昭和36)年に現在の徳井神社に社号を変更しています。
震災ののち修復された鳥居(左)。柱と笠木等の色が違っています。右は手水舎と御神木。
徳井神社は別名「箒の宮」と呼ばれ、古来より安産の神としても崇敬を集めてきました。陣痛が始まった時に徳井神社から借りてきた荒神箒でお腹をなでると安産になるという言い伝えがあり、無事に出産が終わったあとは御礼として借りた箒に併せて新しい箒を添えて奉納するという風習があるそうです。これは神功皇后の御神徳にちなんだもので、応神天皇を身籠った身重の体でありながら軍船を率いて朝鮮半島へと進撃し、三韓征伐という偉業を成し遂げられたという伝説を持つ神功皇后の強い心をお手本として、妊娠中であっても日々の務めをしっかり果たしていきましょうという意味が込められているそうです。
安産のご利益を授けてくれる神功皇后(息長帯比売命)は、社殿の左側に鎮座している旧徳井庄の中宮・八幡神社に祀られています。阪神・淡路大震災の時に倒壊しましたが、2002(平成14)年9月には新しい社殿が再建されています。
阪神・淡路大震災を耐え抜いた鉄筋コンクリート造りの社殿。
1995(平成7)年1月17日の阪神・淡路大震災では本殿以外のすべての建物が倒壊。鉄筋コンクリート造りの本殿とは違い、木造だった社務所で休んでおられた宮司夫妻が大きな梁の下敷きになるという悲しい出来事がありました。しかし、氏子の皆さんは自分たちの生活の復興も困難な状況の中で徳井神社の復旧に尽力、2001(平成13)年には境内の修復工事が完了しました。さらに、前述したように2002(平成14)年9月には安産のご利益のある八幡神社の社殿も再建され、その後八幡神社に隣接して徳井資料館が建てられました。
社殿左手には安産で有名な八幡神社(左)、右手には廣目稲荷神社(右)が鎮座しています。
JRの高架沿い、北から見た徳井神社(左)。「厄除開運」「安産守護」の看板が目印です。
アクセス
・JR「六甲道駅」下車、東へ徒歩5分
徳井神社地図 Copyright:(C) 2011 NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.
拝観料
・境内無料
拝観時間
・常時開放
神戸の神社兵庫県神社庁神戸市支部神戸新聞出版センターこのアイテムの詳細を見る |
妊婦さんが、全身を使った有酸素運動をある程度しておくのは、心肺機能や筋力を維持するうえで大切だそうですね。「箒の宮」の風習も、妊婦だからこそ負担の軽い掃除などの家事を続けることで基礎体力が維持できて、出産時の負担も軽くなるという「おばあちゃんの智恵袋」的なものなのかもしれません。
「常世岐姫神社」は式内社のようですね。なかなか大阪以南に行く機会がありませんが、チャンスがあれば一度探訪したいエリアです。また色々教えてくださいね
ここにも、「箒で安産」のお宮があるんですねφ(..)
家の近所にも同じ主旨の神社があります。
八尾市の「常世岐姫神社」と言うのですが、ここではもう、あまりこの風習は有名でなくなっているようです。
で、有名な話しとして、南島では、箒で蟹を掃いて、それで妊婦の腹を掃くと安産だ、と言う風習があるなんて聞きます。
これとつながりがあるかどうか。
神功皇后の本拠地(?)は、多分、九州でしょうから、神功皇后と箒の関係を発見できて、うれしいです。
この神社にも、今度是非参拝したいと思います。