神戸の空の下で。~街角の歴史発見~

足かけ8年、150万PV突破。「近畿の史跡めぐり」のサブタイトルも、範囲が広がったために少し変更しました。

東京・明治神宮。

2009年01月26日 | ▽関東・甲信越
開運招福・厄除け・家内安全・縁結び

明治神宮

(めいじじんぐう)
東京都渋谷区代々木神園町1-1



都心に広がる広大な神宮の森。その入口に立つ南鳥居。


〔御祭神〕
明治天皇
(めいじてんのう)
昭憲皇太后
(しょうけんこうたいごう)



 大都会・東京の中心地には、林立する高層ビル群とは対照的に広大な緑地帯が広がるエリアがいくつかあります。首都の玄関口である東京駅のすぐ傍に広がる皇居と並び、東京を代表する緑地のひとつに明治神宮外苑があります。日本サッカーの聖地・国立霞ヶ丘競技場や、プロ野球・東京ヤクルトスワローズの本拠地・神宮球場、ラグビーの聖地である秩父宮ラグビー場などを包み込むこの広大な緑地は、1926(昭和元)年に明治天皇の大喪儀である「葬場殿の儀」が挙行された青山練兵場の跡地に築かれたものです。その明治神宮外苑を管轄するのが、JR山手線を挟んで西に位置し、明治天皇の遺徳を偲んで創建された明治神宮です。




高さ12m、幅17mある大鳥居は、木造の明神鳥居としては日本最大級。
初代の鳥居は落雷で焼失し、現在の鳥居は1975年に再建されたもの。



 明治神宮は、1920(大正9)年11月1日、彦根藩の井伊家の下屋敷があった場所に創建されました。この地はもともと「賤ヶ岳七本槍」のひとりとして武勇を賞された豊臣秀吉公子飼いの武将・加藤清正公の息子・加藤忠広公の屋敷があった所で、明治維新後に宮内庁管轄の「南豊島御料地」と呼ばれる皇室用地となっていました。この御料地には明治天皇も行幸され、健康が優れなかった昭憲皇太后も保養のために度々訪れていました。明治天皇は病弱な昭憲皇太后が心安らげるようにと、南豊島御料地の御苑に花菖蒲を植えるなど優しい心遣いを欠かさなかったといいます。また、御苑の見どころのひとつに加藤清正公が掘ったと伝えられる「清正井」と呼ばれる井戸があります。毎分161ℓの湧水量を誇る「清正井」は、東京の地中を流れるエネルギーが湧き出すパワースポットのひとつだといわれています。




大鳥居から参道を進むと、壮大な南神門に辿り着きます。



 1912(明治45)年に明治天皇が崩御され、その後を追うように1914(大正3)年に昭憲皇太后が亡くなると、国民の間からは明治維新という国家の最大の転換期に、国民の精神的支柱として大役を果たされた明治天皇の遺徳を偲び、お二人をお祀りする神社の創建を求める機運が高まりました。政府も神社奉祀調査会を設置するなど計画の実施に着手、大正天皇の裁可を受けて1915(大正4)年、官幣大社の社格を持つ「明治神宮」の創建が決定されました。創建の場所としては、お二人に縁の深い南豊島御料地が選ばれ、全国から集められた寄付金と全国青年団のボランティアによって造営が進められて1920(大正9)年11月1日に鎮座祭が行われました。




拝殿前に立つ、見事な夫婦楠。夫婦和合の象徴です。



 広く国民の崇敬を集めていた明治神宮ですが、1945(昭和20)年4月14日の東京大空襲によって境内のほとんどが焼失するなど壊滅的な被害を受けました。しかしながら、終戦後には国民の生活が非常に苦しい状況だったにも関わらず、国内外から再建のために多くの浄財が寄せられ、1958(昭和33)年10月31日には現在の姿にほぼ復興。再び日本復興に燃える日本国民の精神的支柱として往時の威容を取り戻しました。2009(平成21)年には、大晦日から正月3ヶ日にかけて日本一となる320万人もの初詣参拝者が訪れるなど、現在も全国から厚い崇敬を集める神社として、首都・東京の中心地に鎮座し続けています。




広い石畳の先に立つ拝殿。1958(昭和33)年再建。



 明治神宮の杜は「代々木の杜」とも呼ばれ、約72ヘクタールもの広大な境内に、日本のみならず朝鮮半島や台湾などから献上された365種類もの木々が植樹されて整備されたものです。この杜の整備に関しては、林学や農学、造園学の最高の学者たちが参加して設計が進められ、「永遠の杜」を目指して100年先の状態を見通した綿密な計画が立てられました。

 当時の首相・大隈重信は、伊勢神宮日光東照宮などの壮大な杉並木にすることを主張していましたが、実務を担当する学者や造園担当者たちは、東京の地質や環境を十分考慮したうえで、最もこの場所に適した椎や樫、楠などの照葉樹を植樹すべきだと主張。最終的にこの案が採用された結果、1915(大正4)年より延べ11万人に及ぶ全国青年団の勤労奉仕によって12万本の木々が植樹され、わずか半世紀で自然の杜の状態になるほど優れた造園が行われました。その後の東京の環境の変化などから、木々の種類は246種類に減りはしましたが、17万本もの木々が大都会・東京の中心で豊かな緑を湛え続けています。




社殿も東京大空襲で焼失しましたが、1958(昭和33)年に再建されました。



アクセス
・JR山手線「原宿駅」下車、徒歩1分
・東京メトロ千代田線「明治神宮前駅」下車、徒歩1分
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拝観料
・無料 (御苑:大人500円、小人200円)

拝観時間
・日の出より日の入りまで
・御苑:11月~2月は9時~16時、3月~10月は9時~16時30分

公式サイト
   明治神宮公式サイト






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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (リトルゼ)
2009-01-29 14:39:34
東京出張お疲れ様です
沢尻エリカが結婚しましたねここで。
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Unknown (きみー)
2009-01-29 22:26:51
まさかここでエリカ様が結婚するとは思ってもみませんでした(笑)

実際に東京に行ったのは去年なんです(^^)
あちこちたくさん史跡を巡って写真を撮ってきたんですが、ブログの記事にする史跡が山ほど溜まっていて、ようやく掲載することが出来ました。

時々季節感のない写真が載った記事が更新されたときは、「やっと蔵出ししてきたな」って思ってください(笑)
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