厳島神社(兵庫)
(いつくしまじんじゃ)
神戸市兵庫区永沢町4-4-21
清盛七弁天・「おしゃれ弁天」
〔御祭神〕
市杵嶋姫命
(いちきしまひめのみこと)
奈良時代に行基上人によって開港されていた大輪田泊は、平清盛公によって日宋貿易の拠点となるべく大改修が行われ、1174(承安4)年には経ヶ島と呼ばれる37ヘクタールほどの広さの人工島が難工事の末に完成するなど国際貿易港として整備が進められました。1180(治承4)年、平清盛公は宿願だった大規模港湾整備事業の完成を祝う意味と大輪田泊の繁栄を祈願するため、平家一門が守護神として厚く崇敬している安芸国・宮島の厳島神社より市杵嶋姫命を勧請しました。宮島にある7つの海岸にちなんで兵庫エリアに建てられた7か所の弁天社(真野・渦輪・佐比江・西宮内・兵庫・夢野・花隈)は、現在「清盛七弁天」と名付けられて平家の隆盛を偲ぶ観光名所として整備されています。それが、和田神社・真光寺・済鱗寺・恵林寺・氷室神社・花隈厳島神社、そして今回ご紹介する兵庫厳島神社です。
総本社である安芸国の厳島神社を思わせる、朱色鮮やかな社殿。
平清盛公によって創建され、「兵庫厳島神社」とも呼ばれている厳島神社は、御祭神である市杵嶋姫命が神仏習合の影響で弁財天と同一だと見做されていたために「兵庫弁天」という呼び名で人々から親しまれています。今でも毎年5月には「弁天祭」と呼ばれる例祭が行われ、子ども神輿や神幸式などが執り行われて多くの参拝客で賑わいを見せています。それ以外にも厳島神社では「初巳祭」や「亥の子祭」など様々な祭礼が行われており、正月の初巳の日に行われる初巳祭で配られる御守は「巳成金(なるみきん)」と呼ばれて開運のご利益があるといわれています。また、旧暦の10月の亥の日に行われる亥の子祭では「亥の子餅」と呼ばれる餅を作って餅まきが行われますが、この餅を食べると万病に効くといわれています。
社殿の左右に建つ淡島神社(左)と針塚(右)
社殿に向かって左手に立つ淡島神社には少彦名命・大己貴命・息長足姫命(=神功皇后)が祀られています。少彦名命は医療に優れた神さまであったため、「病気平癒の神」として崇敬を集めています。社殿右手には針塚がありますが、全国の淡島社の総本社である和歌山市加太の淡島神社が針供養で有名な神社であるため、それにちなんで建てられているのではないでしょうか。兵庫厳島神社では、毎年2月8日に盛大に針供養神事が行われています。
境内の北東に立つ若永稲荷・白萩稲荷(左)と南に立つ大きな石灯籠(右)。
「退筆塚」と彫られた石碑(左)と、境内の南に立つ放生池と石碑(右)。
アクセス
・神戸高速鉄道「新開地駅」下車、南西へ徒歩2分
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拝観料
・無料
拝観時間
・常時開放
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