神戸の空の下で。~街角の歴史発見~

足かけ8年、150万PV突破。「近畿の史跡めぐり」のサブタイトルも、範囲が広がったために少し変更しました。

西宮・傀儡師故跡。

2006年01月12日 | □兵庫県 -阪神

傀儡師故跡

(くぐつしこせき)
兵庫県西宮市産所町10




西宮神社の北、阪神西宮駅の西側に「傀儡師故跡」とよばれる史跡があります。




 「傀儡師」とは「くぐつし」とも「かいらいし」とも呼ばれ、人形芝居を行う芸能者たちの事を指します。西宮には古くから傀儡師たちが住み着いており、西宮神社の氏子として雑役奉仕に勤める傍ら、「えべっさん」の神札の普及のために全国各地を公演してまわっていました。酒造の町・西宮は、彼らの地道な活動のおかげで「えべっさんの宮」としても有名になり、全国各地で行われていた「えびす信仰」が「西宮えびす」を総本社として収斂されていく事となりました。彼らの人形芝居の評判は高く、安土桃山時代には評判を聞きつけた後陽成天皇が西宮の「えびすかき」を御覧になったという記録も残されています。こうして西宮を発祥とした彼らの芸は全国各地に伝わり、淡路島の人形浄瑠璃や大阪・文楽座人形浄瑠璃へと成長していく事となります。





傀儡師の胸像と説明版が立つ史跡。



 淡路島に傀儡の技を伝えたのは百太夫という傀儡師だと言われています。鎌倉時代、西宮の産所にいた百太夫操座(傀儡師の舞台)のある淡路島の三條に渡り、菊太夫の娘と結婚。生まれた子供に最新の西宮傀儡の技を伝承させたのが「淡路人形浄瑠璃」の発祥だという言い伝えが残っています。元々淡路島には西宮神社の本社格とされていた廣田神社の荘園があり、そこの農民も数多く西宮神社の氏子としてえびすかきなどで御神徳を広める活動をしていたそうです。やがて廣田神社は淡路島の荘園を失いますが、その時に西宮神社の氏子だった者たちも淡路へと戻り、地元で人形操りの芸を伝承させていったという話も残されています。こうして全国の人形芝居のルーツとして隆盛を極めた西宮の傀儡師は、残念ながら江戸末期には数件にまで減り、明治時代の中頃に最後の傀儡師・吉田小六氏が廃業してからは完全に姿を消す事となりました。この傀儡師故跡もそれを惜しんで建てられました。現在、「人形芝居発祥の地・西宮」を再興させようと、「西宮くぐつ座」を中心に人形劇に関わる方々や西宮中央商店街の皆さんをはじめとする地元の有志が力を合わせて「くぐつ再興プロジェクト」を立ち上げて頑張っています。



アクセス
・阪神「西宮駅」下車、西へ徒歩3分
傀儡師故跡地図  Copyright (C) 2000-2006 ZENRIN DataCom CO.,LTD. All Rights Reserved.

拝観料
・無料

拝観時間
・常時開放


西宮神社

學生社

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして!^^ (ふっち)
2006-01-16 21:16:19
この前、えびすにいってきました。

夜店がたくさんでてました。でも姫路でした。

なんか、姫路の隠れたとこに、関西5位のラーメン屋さんがありました。とてもおいしかったです。ぜひ、行ってみてはどうですか?
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コメントありがとうございます(^ ^) (きみー)
2006-01-16 22:24:56
ふっちさん、はじめまして。

コメントありがとうございます(^^)



姫路の「えべっさん」も行ってみたいですねー。

恵美酒宮天満神社とか播磨国総社あたりに行かれたんでしょうか?



それよりもラーメン!姫路に行ったときにはぜひとも行ってみたいです



またいろいろ教えてくださいね!
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