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加熱式タバコはアルツハイマー病の進行に悪影響

2024-05-02 10:35:45 | 煙草
最近加熱式タバコのハームリダクション(害の低減)についての記事を見かけるようになりましたが、完全禁煙推奨のため加熱式煙草の問題点を出すよりは、どんな害が減るのかも出す必要があるような気がします。

今回も加熱式煙草の悪い点ですが、どうも科学的ではないような気もします。喫煙がアルツハイマー型認知症の発症や進行に影響を及ぼすことは知られていましたが、加熱式タバコについての新たな研究結果が発表されました。

認知症は高齢化社会での大きな問題であり、日本では65歳以上の認知症の患者数が2025年に約730万人、2060年には1100万人以上になるという推計もあります。

これは各年齢の認知症の危険因子となる有病率が、2012年から2060年までの間すっと20%上昇し続けると仮定した場合です。認知症にはアルツハイマー型認知症(約68%)、血管性認知症(約20%)、レビー小体型認知症(約4%)などがあります。

喫煙は認知症、特にアルツハイマー型認知症のリスク因子であり、喫煙者がアルツハイマー病になるリスクは2.3倍というような研究がこれまで数多く出され、受動喫煙も認知症リスクを高めることが分かっています。

広島大学などの研究グルーは、実験用マウスを使い、加熱式タバコの喫煙が脳へ及ぼす影響を調べた研究結果を発表しました。認知症は、症状が出る前に長い前駆期と呼ばれる期間があり、その間に徐々に病気が進行します。

研究グループは、アルツハイマー型認知症の前駆期を模倣した実験用のモデルマウスを用い、ピストンシリンダーによる簡易な加熱式煙草の喫煙装置を作って、加熱式タバコからのタバコ煙をマウスに長期間さらす(暴露する)実験系を作成しました。

マウスが加熱式タバコにさらされ、体内に吸引しているかどうかは、ニコチンの代謝物であるコチニンの濃度を測定しました。また実験後の解剖でタバコ煙暴露に特有な肺などの炎症性サイトカインなどの遺伝子の発現を調べることで評価しました。

加熱式タバコの喫煙の長期の影響を調べるため、合計80匹のマウスを暴露群と普通の空気群に分け、暴露群を16週(4か月、週5日間)タバコの煙にさらしました。

その結果、アルツハイマー病の前駆期に現われる大脳のアミロイドプラーク沈着や原因とされる神経の炎症、原因のひとつとされるミクログリアの活性化などについて、加熱式タバコの喫煙による影響は特にみられませんでした。

しかし加熱式煙草の喫煙にさらされたマウスの発現遺伝子に違いがあり、282個の遺伝子が変化していました。研究グループは、変化した遺伝子は、脳下垂体のホルモンや神経ペプチドホルモンを活性化したり、ガラニン受容体の活性化に関連しているとしています。

これまであまり知られていなかったアルツハイマー型認知症の非炎症系の経路に加熱式煙草が影響を及ぼしているのではないかと考えられるようです。


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