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気が付きにくい「心臓弁膜症」のはなし

2021-11-03 10:25:06 | 健康・医療
何となく体の調子が悪い程度の自覚症状しかなく、実は恐ろしいのが「心臓弁膜症」のようです。

心臓は、右心室、左心室、右心房、左心房の四つの部屋に分かれています。それぞれの部屋の出口には三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁があり、血液が逆流しない仕組みになっています。

加齢などが原因で、それぞれの弁がうまく閉じなくなったり(閉鎖不全症)、狭くなったり(狭窄症)するのが心臓弁膜症です。心臓弁膜症に罹っているかどうかは見た目では分かりにくく、どれだけの患者がいるのかも分かっていません。

海外のデータなどを参考にすると、日本での患者数は400万人程度と推定されています。実際に手術を受ける患者数は、年間3万人と言われています。

心臓弁膜症に伴う自覚症状を一般に「むねきこう」と説明されています。む:胸が痛む、ね:年齢を感じる、き:気力がわかない、こ:呼吸が苦しい、う:運動しづらい、となっています。しかし胸が痛い以外は本人が自覚しにくい症状であり、高齢者ではよくある症状と言えます。

そのため自覚症状からではなかなかわかりづらく、他の病気の検査で初めて気づくことが多いようです。結局医師による聴診で心臓弁膜症の疑いがあれば、心電図や心臓超音波検査などの精密検査によって、確定診断へとつながることになります。

確定診断されても自覚症状がさほど強くない段階では、いきなり手術などに入ることはまれとされています。治療は定期的に検査を続けて、病状の進み具合を見ながら検討していくのが一般的です。病状がある程度進んだら、薬を使って進行を遅らせたり症状を和らげたりします。

それでも改善が見込めないと、弁の手術となりますが、この方法もいくつかの種類があります。手術を受けた後、早期回復と再発予防を目的に、医師や理学療法士らによる心臓リハビリテーションを受けることが多いようです。

単に心臓の機能強化を図るだけではなく、手術中に低下した体力や気持ちの面での回復を得られるプログラムとなっています。現在はこの心臓弁膜症を広く認知させるための啓蒙活動も活発なようです。患者の体験談などを公開し、患者の実態調査も行われています。

最近病院ではインフォームドコンセントという流れの中で、患者自身が希望する治療法を医療側に伝えるように言われますが、医療知識が乏しい患者にとっては決めようがありません。

しかしこの流れは良い方向ですので、心臓弁膜症に限らず自覚症状が出たり、確定診断されてからでも病気についてすぐに調べられるような環境が必要なのかもしれません。


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