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急増している「老衰死」正しい統計でより増加も

2023-04-24 10:38:10 | 自然
誰しも死ぬときは「ピンピンコロリ」か自然の「老衰死」を望んでいるのではないでしょうか。

知人から聞いた話ですが、ある発作を起こし意識がなくなり自発呼吸もなくなった老人を、人工呼吸器などで維持し、結局意識も戻らないまま1年半後に看取ったそうです。この1年半は何だったのか、ある意味虐待に近いような気がします。

一方最近は老衰で死亡する人が増加し、死亡原因の3位にまでなったと報道されています。老衰とは広辞苑によると「老いて心身の衰えること」となっています。

また厚生労働省の医師向けの死亡診断書記入マニュアルでは、老衰死を「高齢者で多に記載すべき死亡原因がない、いわゆる自然死の場合」と定義しています。従って老衰は病名ではなく、心身の細胞が衰弱して生命が尽きるわけです。

この場合脳内モルヒネといわれるβエンドルフィンとケトン体が出てきて、鎮静・陶酔効果を発揮し枯れるように穏やかに亡くなるとされています。

一方「死を一刻でも遅らせるのが医療の使命」と大学で教え込まれ、延命治療に邁進する医師は多く、死の絶対拒否は信仰に近いとも言えます。

それでも時代の流れは老衰死(自然死)に向かいつつあるようで、死亡原因の推移を見ると、2007年を底に老衰死の近年の急増ぶりが目を引きます。老衰死は2000年には2万1200人と全体の2.2%で第7位だったものが、15年には第5位に、2019年には15万2000人と10.6%で第3位にまで上昇しています。

これは老衰死が増加しているというよりは、医師や家族の意識が変化し延命治療よりも自然死を選択する日本人が増えてきたといえるでしょう。

実際看取りに立ち会う医師の多くから「病名よりも大往生とされる方が遺族に受け入れられるようになった。昔は病名にこだわっていたのに一変した」という声が聞かれるようです。こうした要因が重なり老衰死が増えています。

しかしWHO(世界保健機構)の規則などは、死因統計から老衰を排除しようという意図があるように見えます。つまり死因を調べる目的は死亡を防ぐためであり、そこへ疾病ではない「老衰」が入って来るのは意に反する迷惑なこととなるわけです。

日本もこれに準拠していますので、例えば死亡診断書に「老衰(誤嚥性肺炎)」と記載されると、誤嚥性肺炎が死因となってしまうようです。つまり医師が老衰と判断しても、可能性のある疾患を併記すると死因はその疾患として処理されるという事が、現在でも行われているようです。

このように死因の統計はある意味歪められてきたといえるようですが、近年老衰死が増加してきたという事は良い傾向といえます。

私の母も明らかに老衰でしたが、死因は「肺炎」となっており特に異論は出しませんでしたが、正しい統計という点では正すべきだったと考えています。


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